水曜日, 12月 10, 2008

至言

 山本七平氏の随分以前の著作を現在読んでいる(日本人とユダヤ人じゃないです)。その中で林健太郎氏の「『国家』を見極める思想」という論文の最終章の一文が引用されていた。

「そもそも民主主義とは国家の制度であって、国家がなければ成り立ち得ないものです。それなのに、国家を否定するのが民主主義だというような観念にとらわれて行動していると、そういう理論をふりまわしている勢力が天下をとることになって、そうなると今度はすさまじい国家主義の社会が出現することになる。共産主義国家と言うのはそういうすさまじい国家主義の国家です」

 公の意識の欠如した民主主義が暴走すれば、国家主義の社会になってしまう。私益を優先するような人間は知らず知らずのうちに国家主義に付入られるというのだ。日本人は国が無くなると言う経験をしたことがないので国家が無くなっても日本人でいられると考えているが、国家が無くなれば日本人としての権利などどこにも存在しなくなるのだ。

結論:民主主義とは個人主義の事ではないのである。

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