月曜日, 7月 31, 2017

加計学園問題が炙り出してくれた問題

蓮舫の党代表辞任という形で予想通りの展開となった加計学園問題。憲法改正を目指す安倍政権をどんな方法でも潰す以外に存在意義のない野党とマスコミが火の無いところに煙を立てようと騒いだわけだが結果的に日本の権益構造を明るみにしてしまったという自覚はないのだろう。もちろんテレビや新聞の主張を真に受ける人たちは霞が関や護憲だけの野党が何のために騒いでいたかなどテレビや新聞が公表しない限り気づかないのだが、今回くらい見えすた茶番劇はなかった。野党も霞が関もマスコミも劣化がここまで激しくなったのかと呆れるばかりだった。

今回の騒動のメインプレイヤーの共通キーワードは「反安倍」だったがそれぞれの思惑は全く別のもの。共同戦線を踏んでいそうで実はそれぞれが自分たちを利することだけを目的とする稚拙な連中ばかりだったので背後にある利権があぶり出される結果となってしまったのだ。具体的に箇条書きにした方がその構図が分かりやすいだろうと思うので以下に列挙してみたい。

反安倍勢力
前川喜平:文科省の天下り斡旋で懲戒処分。民主党の意向を受けて朝鮮学校無償化の旗振り役を務める。文科省主導で行われていた新国立競技場は当初予算を大幅に上回る建設費を問題とされ政府により白紙撤回されたときの新国立競技場整備計画経緯検証委員会事務局長。文科省に担当能力なしと判断され担当を外される。内閣人事局に移行された幹部人事も勝手に行なっていた。獣医学部新設を認めないのが文科省の立ち位置。加計学園に獣医学部新設が決定された2017年1月20日に事務次官退任。自ら招いたこととは言え懲戒処分にしたのは安倍政権。懲戒処分となったため再就職もそれに続く退職金の目も潰される。【キーワード】内閣人事局、国家戦略特区、内閣府再就職等監視委員会、新国立競技場整備計画経緯検証委員会
文科省:破綻したゆとり教育を潰したのは第一次安倍内閣が新設した教育再生会議。自分たちの管掌であるの教育に手を出してきた安倍政権。獣医師会と連携し岩盤規制で獣医学部の新設を拒否しづけていた文科省だったが第2次安倍政権の国家戦略特別区域基本方針によって岩盤を崩され獣医学部新設を認めさせられる結果に。天下り斡旋問題でOBも含む幹部37名の停職や減給処分を受け他のは旧文部省入省組。【キーワード】内閣人事局、国家戦略特区、内閣府再就職等監視委員会
霞が関:内閣人事局(全官庁)による各省庁の人事権の剥奪、教育再生実行会議(対文科省)による教育制度改革、内閣府再就職等監視委員会(全官庁)による天下りの禁止、国家戦略特区(全官庁)による岩盤規制への挑戦、規制改革推進会議(国交相、厚労省、財務省)による権益の毀損、日本経済再生本部と政治主導でことを進める安倍内閣は霞が関の天敵。政治家に任せると政治家による利益供与が行われると言う筋書きのもとにモリカケ問題のリーク情報を野党やマスコミに提供。安易にその方策に乗った民進党は二重国籍問題を持つ代表問題で結果的に政治家は信用がならないのイメージ形成に成功。
獣医師会:獣医の数は不足していない(確かに数はそうだが偏在と質が低いと言う大きな問題が)が獣医師会の立場。獣医学部の定員は960名(実際は文科省は1,200名の定員水増しを看過)と決められているため既存の16学部(1大学当り60名)は小規模なため海外と比較して専門的な高度な研究をできる環境にはないが新規参入を認めないことで権益を守れる。文科省は獣医学科の新設を認めないことで天下り先に対する権益を確保できることから獣医師会の主張を支持する立場に。
マスコミ:日本のマスメディアの多くはリベラルの皮を被った(単なる反日)既得権益集団。どうにかして国民支持率の高い(本当に高いかどうかは不明)安倍政権を転覆させようとあがいていたが日本を取り巻く周辺環境の国際情勢はミサイル開発に余念のない北朝鮮だけではなく憎悪感を増長させるばかりの韓国と中国。外交問題に国民の目を向けさせたのでは同じリベラルの皮を被った護憲派という反日集団と一緒に権益を失う危機感から安倍政権に打撃を与えるキャンペーンに加担。
民進党:自民党からの政権奪取以外に存在理由のない民進党は状況証拠だけで叩けると安易に攻撃を仕掛けたために蓮舫の二重国籍問題という藪蛇を突いてしまった。そこに湧いて出た加計学園問題。連続して起こったスキャンダルで起死回生を図ろうと目論見。前川前次官と言うジョーカーを引き当てるが自民同様に都議選に敗退。加計学園問題も大きな綻びが露わになり代表辞任となる。
石破茂:今回の獣医学部新設に問題ありとする根拠とされた石破4条件を作った。「獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討」として「石破4条件」は新設のハードルを上げる結果に。規制改革をさらに進める第二次改造内閣で国家戦略特区担当を退任。抵抗勢力だったのである。

教育勅語の森友学園との関係を問題視して反安倍キャンペーンをしかけたが失敗。北朝鮮問題から国民の目をそらすと同時に霞が関にとって不倶戴天の敵である安倍降ろしのために再び文科省関連の案件を持ち出すことでネガティブキャンペーンの連発。同時に防衛省で嫌われていた稲田大臣問題を取り上げることで反安倍キャンペーンに防衛省が協力という構図が今回の一連の流れだったのだ。

結論:河田町から霞が関に権力を取り戻すためのクーデターが今回の反安倍キャンペーンの正体。それに加担した連中は霞が関に利用された自覚はなかったのだろうか。私は別に安倍に肩入れする気は無いが反安倍勢力の既得権益集団に肩入れするほどお人好しでは無いのである。

水曜日, 7月 12, 2017

歴史は誰のためにあるのか

古事記や日本書記は神話も含まれているので歴史を書き留めたものではなくおとぎ話にすぎないと左翼の人たちは言うだろうが、どんな歴史書も当事者でなく第三者として書いた部分以外は書いたものにとって都合の良い話になっているのは当然のこと。同様に日本国憲法ではないが文章になっているものは真実だけが書き込まれていると盲信するのもおめでたい話だ。歴史書に関しては誰の指示で編纂が開始されたのかが重要でその人にとってプラスとなるような筋立てになっているのはどこで、そうするために過去に書かれている歴史書と辻褄が合わなくなる部分をどのように辻褄合わせしているかを中心に見ることで本当の歴史があぶり出されるのではないだろうか。戦前の歴史が皇国史観で作られていたと戦後否定されたが全く同様に戦後の歴史教科書はリベラルな民主主義者(戦前の共産主義者)に都合の良い形になっていたのは紛れも無い事実。江戸時代が暗黒だったなんていうのは大正時代に作り出された幻想に過ぎなかったことがどんどん明らかになっている。

そもそも幕府(これも明治以降に悪意を持って使った言葉)を蒙昧な組織と陥れたいために開国を拒否したように教科書では印象操作されている。尊王攘夷で打ち払えと蒙昧なことを叫んでいたのは幕府ではなく新政府の母体となった側。黒船が来て慌てふためいて開国に動いたというのも嘘で江戸の町民が黒船来航をクィーンエリザベス号の入港のようにお祭り騒ぎで面白がっていたのは幕府も、これで国が滅んでしまうと上を下への大騒ぎになっていなかったからなのだ。その当時の国際情勢に関しては幕府の方が正しい情報を掴んでいたためロシアやアメリカとの国交は歓迎すべきレベルのものであった。開国を許さなかった最大の勢力は水戸藩だったが桜田門外ノ変を経て急速に力を失ったのち倒幕の思想的バックボーンとなったのが徳川にとって皮肉ではあった。

結論:歴史は統治者が変われば書き換えられるものなのである。