金曜日, 10月 30, 2015

Appleはテレビを再発明するか?

初代から長い間、趣味のレベルとApple自身が言っていたApple TVも第4世代となりようやく本来の姿となった。亡くなる直前にSteveがテレビの新しい方法がついに見つかったと語っていたことからもっと早く今の形で登場するのではないかと私も妄想していたが形になるのに4年の月日が必要だったわけだ。

中にはAppleがSTBではなくテレビを作るのではないかと言うレベルの低い噂(そんなもの何千万台も売れるものではない)も長い間流れていたが、Apple TVは自身がディスプレイを持つことなくIoT時代に相応しいスマートデバイスとして登場してしてきた。もちろんAmazonのfireシリーズやAndroid TVもすでに登場して同じ方向を目指しているので、そう簡単にAppleが一人勝ちとはならないだろうがAmazonは自社のコンテンツを購入してもらうデバイスである弱点を持ち、Android TVの方は色んなところが作っているのでそのうちAndroid携帯のようにぐちゃぐちゃになる恐れが…さすがにそれはないか

iPhoneアプリがあったおかげでiPadがAndroidタブレットに対して大きなアドバンテージを持てたように、iOSアプリがそのまま動く仕様にはしなかったためデビューと同時に山のようにアプリが存在するわけではないがストリーミング系のサービスのアプリはすぐに登場するだろうし、ゲーム系もどんどん出てくるだろう。一番家庭に入りやすいのがゲームだが、当然そこで終わらせるデバイスではない。

初期の失敗に終わったスマートテレビの多くはWebブラウジングのためのブラウザーを持っていたが、その理由はブラウザーは皆で見て楽しむようなものではなかったから。だからAppleは初代のApple TVの時から一切のWebブラウザーを搭載していなかった。要はGoogle検索などもってのほかだったわけだ。恐らくApple TV用にWebブラウザを開発しても今後も全てリジェクトされるに違いない。

結論:元々テレビはリビングにあって家族の団欒の中心となるデバイスであった。番組自体が魅力を失ってしまったのが一番の原因なのだがテレビはかつてのラジオのようにすっかりながらデバイスに成り下がってしまった。Apple TV用に用意されているアプリの中にAirbnbやファッション購入のアプリが存在するがそれは家族みんなで宿選びや洋服選びをするインターフェイスになっている。家族みんなで何かを選ぶときにタブレットやスマホの画面を覗き込むのは適していない。今までのテレビは情報を一方的に押し付けるの目的だった(だからどんどん見なくなってしまったのだ)が、これからは家族みんなで何かをするため(ゲームの場合もあるし、物選びもある)のデバイスに変わる。そのキーデバイスがApple TVなのである。恐らくテレビを再発明してくれることだろう。

シリア問題の本質

アサド政権は反民主的だから倒そうというのがアメリカのスタンスでそのためにISを密かに育てたのは隠しようのない話。そして自分達が点けた火が思わぬ方に流れてしまいどうにかしようと出兵したはいいがどうにもなりそうもないと。そんな中ISを潰そうと動いたのがロシア。ISとは関係のない民主派の支配地域はで攻撃していると英米は騒ぐがどっちもどっちなのは間違いない。

大マスコミの報道では民主主義と反民主主義の思想的な争いのように書き立てているがどんな政治思想や宗教感を持っているかは実はどうでも良くて本当のところはロシアと英米の石油利権をめぐる戦い。現状はシリアの石油をイラン経由のパイプラインでロシアへと考えているアサド・プーチン vs トルコ経由のパイプラインでEUへの反アサド・オバマになっているが、アフガニスタンが内戦になってしまったのと同じ石油利権の争奪戦なのである。

遡れば中東が紛争地域になってしまった原因はオスマン帝国が第一世界大戦に敗れ、その支配地域が欧米諸国の分割統治地域になってしまったこと。第二次世界大戦後植民地支配されていた欧米諸国から独立した形にはなっているがそれは、戦前と支配国家が変わっただけであり、アラブの春などとさも良いことのように騒いでいたが実態は旧支配体制を崩壊させるために民衆を利用しただけの話である。

結論:石油が絡むと平和は保てないのである。

火曜日, 10月 27, 2015

Appleはなぜ儲かるのか

台数ではAppleを凌駕するSamsungでさえ利益を出すのに四苦八苦でそれ以外のAndroid陣営に至ってはどれだけ赤字を小さくできるかをひねり出すのが精一杯のスマートフォン市場で一人大きな利益を上げ続けているApple。中国が怪しくなって世界的に経済がどうなるか怪しい雲行きなのでAppleも危ないと言われているが現状を見る限りAppleが危ないのであればそれ以外のメーカーはAppleよりも先に潰れてしまうだろうからこれはAppleの問題ではないのである。

一時は中国で販売数一位だったXiaomiもHuaweiにやられているようでここまで栄枯盛衰のスパンが短くなってしまったようだが、利益は度外視して販売数量を伸ばす戦略では早晩立ち行かなくなることは分かりきったことである。Appleを圧倒していたはずのAndroid全体も頭打ちになり始め共食いだけではなくAppleに侵食される始末。このままのペースでいけば携帯業界の総利益に対してAppleは100%を超えAndroid陣営の総合計はマイナスをつけるかもしれない。

Appleだって未来永劫を利益を上げ続けるなどとは考えてはいないが少なくともAndroidとはまったく違うビジネスモデルが通用する市場で利益を叩き出しているのは間違いない。Appleが利益を上げることが出来ている第一の理由は同じOSで動く端末が存在しないこと。これによって機能競争や価格競争に巻き込まれずに済んでいることと販売価格のコントロールが上手くいっているため新製品が出るその時まで製品の値崩れが発生しないことが大きい。

なんでそんなことが可能かと言われれば下代が上代の95%近くだからなのだがそんな横暴な卸値でも仕入れなければならないほどの需要が見込めるからでもある。Appleの利益が高い理由を箇条書きにしてみる。

・粗利益率が高い(前述の下代)
・固定費が小さい(少ないモデル数で大量に販売)
・顧客離れを防ぐエコシステムがある

結論:本当に売れる商品を持っていれば販売店に良い条件を出す必要がないからAppleは儲かるのである。

SONY、Appleの軍門に下る?

こんな書き方をするとSONYのファンからは罵詈雑言のコメントが多数入るかもしれないが予想よりも早くApple Musicに対してSONYが楽曲を提供し始めたことに多少驚いている。全方位で楽曲提供しているAVEXとは違いSONYは提携先であるLINE MUSICに楽曲を提供していたがユーザが使ってくれていたのは無料でサービスが受けられた最初の1ヶ月だけ。8月10日に有料がスタートするとTwitter上で「ケチ」、「何様のつもり」と言われのない誹謗中傷を書かれる始末。元々、有料のサービスなので文句を言う方が間違っているのだがターゲット層は10代から20代の音楽にお金を使う気のない若年層にしていたのだから当然の結果なのかもしれない。

対するAppleが国内で大成功しているかと言われればそんなことはないが、その一番の理由は日本国内はレンタルCD屋が多く明らかにダウンロードよりも安く曲を手に入れられる流通経路が存在するから。それに目をつぶっていながらCDが売れないなどと文句を言うのだから日本のレコード業界は本当におめでたい話だ。最近は再びアナログ盤に光が当たり始めたので物理的なディスクはそちらにシフトさせデジタルはストリーミングかダウロードに絞らなければいけないだろう。

さて、最初の話に戻ろう。Apple Musicのベースはダウンロード販売で実績のあるiTunes Store。iTunesから曲を購入している顧客は音楽に対するロイヤリティの高いユーザ層でどんなに色眼鏡で見ようがLineの無料サービスに嬉々としている連中より有料サービスに移行する比率は圧倒的に高い。SONYがAppleに楽曲を提供し始めたことを受けLINE MUSICの方がApple Musicに比べ圧倒的に弱い洋楽の配信に動くようだがそこに掛けた費用を回収することは恐らく無理だろう。

結論:私は今でも大嫌いだがサブスクリプション型のストリーミングサービスを成功させたかったらロイヤリティの高いユーザ層が一番多いところに楽曲を提供するのは当然の事。思いの外早かったSONYの楽曲提供。今回は賢明な判断をしたようである。最初から結果が分かっていることなのに何でLINE MUSICと提携したのかは疑問である。