金曜日, 9月 27, 2019

AmazonがHomePodを必要としAppleがEcho Dotを必要としない理由


スマートスピーカーの販売台数シェアでAppleを圧倒しているAmazonがついにプレミアムスピーカーEcho Studioを出してきた。目指しているものが違うHomePodと音が出るWi-Fiマイクと呼ぶべきEcho DotやGoogle Home miniを同じカテゴリーで括ること事態がそもそも間違っているのだが誰もそれを指摘しない。個人的には久兵衛とかっぱ寿司の客数を比べる馬鹿はいないのに何故なんだろうと思うのだが。

仮に販売台数のシェアを比較することを認めるのであれば公平を記すために市場の売上額や利益に対するシェアも同時に並べるべきなのだが一向にそれが当たり前にはならない。スマートフォンでは既にそうなっているから利益のシェアではAppleがぶっちぎりでトップを維持したままなのが明らかになっている。Wi-Fiマイクと本格的に音楽を楽しむためのスマートスピーカーを分離した場合、Amazon Echo、Google Home MaxのどちらもHomePodの足元にも及ばないのが実情。HomePodと同等以上に売れているスマートスピーカーはSonosくらいなのだ。

Amazonが利益を度外視してまでEcho Dotを大量に販売しなければいけなかった最大の理由はAppleのように10億台を超える自社サービスにダイレクトにつながる専用のデバイスを持っていないから。その上、ブラウザーを経由して自社サービスへのアクセスを許せば大事な情報をGoogleに与えてしまう。Googleを経由せずに顧客をダイレクトに結びつけるスマートフォンで失敗したAmazonは家庭内に置かれる専用デバイスがどうしても必要だった。そこで白羽の矢を立てたのがAlexa用スピーカー(音の出るWi-Fiマイク)だった。対するGoogleがGoogle Homeを出したのはブラウザーを経由せずにダイレクトにAmazonに繋がってしまう入り口を家庭内に持ち込ませるわけにはいかなかったからEchoを潰すためにHome miniをぶつけてた。さらにEcho Dotと同じ価格帯のminiを用意するだけではなくEchoよりも音が良いことを売りにHome Maxまでぶつけて来た。しかし、そこにAppleのHomePodが割り込んできた。リリースが遅れに遅れ出ないのではないかとさえ言われたHomePodはHome Maxなど足元にも及ばない技術の粋を凝縮したスピーカーだった。案の定Home Maxは全く売れなかった。そこでAmazonはGoogleに追随することはせずにプレミアムスピーカーはBOSEなどの専業メーカーに任せる形で時間稼ぎをして来たと考えるのが正しいだろう。

単純にHomePodの販売数量を取り上げてAppleを負け組と決めつけた上でEcho DotやHome miniのような音の出るWi-Fiマイクを出すべきだと非常識な常識を押し付けようといまだに考えているようだが、Apple Musicを快適に楽しんでもらう一つの手段と考えているAppleがその意見に追従することは将来的にもあり得ないだろう。次期HomePodが登場する時には現行モデルをより安い価格にして継続販売にすることは考えられるが、全く競い合う対象とも考えていないEcho DotやHome miniを潰す目的で廉価品を出すようなことはないのだ。

では、何故Amazonはあれだけ廉価版を売っていながらEcho Studioを出さざるを得なかったのだろうか。私はAmazonの人間ではないので憶測に過ぎないがEcho Dotの購入者がAmazonでのショッピングにEchoをほとんど使っていないからではないかと考えている。一般の人と比べてIT関係の繋がりの人が多い私だが発売開始と同時にEchoやEcho Dotを購入した人たちは良くてラジオや時計がわりに使っているだけでAmazonでのショッピングなどには使っていないし、そうでない人は既に引き出しの中かクローゼットにしまってしまった。IT系でない一般の人なら尚更だ。そもそも安いものを求める人の購買意欲は弱い。Apple製品を買い求める人が高価格商品を景平気で買うのとは対照的だ。そして購買力の高い優良顧客はEcho Dotなどには手を出さず迷わずにHomePodを購入する。Amazonにはそういう人たちを引き付けられる商品がどうしても必要だった。だからHomePodが販売開始されプレミアムスピーカーに需要があることを見極めた上でHome Maxよりも魅力的な機能を持ってHomePodよりも安いものを発表して来たのだ。




結論:個人との入り口をiPhoneの形で既に持っているAppleには全家庭に入り口を作るためにEcho Dotのような製品は必要なく、Amazonは高価なApple製品を躊躇なく買い求めるような優良顧客を引きつけるスピーカーが必要だった。それがEcho Studioだったと考えると手を出さないと言っていたプレミアムスピーカーを出して来た理由が明らかになるわけである。

土曜日, 9月 14, 2019

Apple Watch Series 5を買ってはいけない 〜10の理由〜

内蔵するプロセッサーは64ビットデュアルコアプロセッサーを備えるS5にアップデートされ更に高速処理が可能となり省電力になったとは言え、Apple公称の動作時間は変わらずの18時間。常時表示で同じ時間使えるのだからすごいと言われても他社製では本当のところはそこまでは持たないようだが一回の充電で5日間使えますが売りに文句(そこしかないのかも知れないが)になるご時世。Apple Watch Series 4を使っている私の使い方で18時間でバッテリーが切れることなどないのだが、そうかといって何日も持ったこともないのも事実。心臓が止まるその時まで計測を止めることなくApple Watchを動かし続けようと考えたら複数個持つしか方法が…と言うわけでリクエストにお応えして(本当にあったかは問い詰めてはいけない)Apple Watch Series 5を買ってはいけない理由を書き連ねてみたい。

買ってはいけない理由
その1:Apple Watch Series 4ユーザーだ
知っている場所でさえまともに一度でたどり着いた試しがないと言う方向音痴にとってコンパスを内蔵したSeries 5は最後の頼みの綱かも知れません。大抵の人はGoogle MapやAppleのマップで既に方向音痴を克服しているはずだがそれさえも役に立たなかった人のためにSeries 5は存在すると言っても過言ではない(かも知れない)。と言うわけで徘徊と勘違いされるほどウロウロしたりしないし、既にApple Watch Series 4を持っているなら買い換える必要はありません。
その2:アクティブトラッカーで十分
そんな人も世の中にはいますし決して間違った考え方ではありません。ただしガラケーとiPhoneを比較して世の中を見誤ったようにこれからアクティブトラッカーを買おうなどと考えているならそれは全力で阻止します。何故ならアクティブトラッカーとApple Watchは全く別物だからです。
その3:Androidユーザー
将来に渡ってそうかは分かりませんがiPhoneユーザーだけで年間1,000万台を超える販売数を確保している現在Androidユーザー向けのApple Watch用アプリを出すと言うオプションの優先順位は相当低いと思います。iPodの時はWindows対応したじゃないかと言う意見もありますが、正直Windows対応するまでのiPodのセールスはApple Watchとは比べ物にならないくらいに小さいものでした。その当時はいつ潰れてもおかしくない会社の製品だったのです。と言うわけでiPhoneを持っていないのらApple Watchは絶対に買ってはいけません。どうしてもApple Watch Series 5を使いたいと言うのならiPhoneユーザーになりましょう。
その4:他のスマートウォッチを使っている
iPhoneユーザーだけどApple Watchじゃないスマートウォッチを使っている人もそれなりにいると思います。手に入れてからどれだけシステムのアップデートが行われ便利な使い方ができるようになったかは他の製品を使ったことのない私には分かりませんが、OSの仕様がガラッと変わり名前も変わってしまうものを信じられるほど私は楽観的ではありません。もしもこれからもスマートウォッチを使い続けたいと考えているならサポートが打ち切られる前にApple Watchに切り替える方が賢明かと思います。
その5:金無垢のモデルが欲しい
エディションモデルとしてセラミックが復活したとは言え、残念ですがどんなに待ち焦がれていようと流石にもう二度と金無垢のApple Watchは出てこないと思います。諦めて金無垢じゃないApple Watchを買いましょう。
その6:時間に追われたくない
恐らくそんな方はスマホも携帯電話も持っていないしテレビも映らないようなところにお住まいと思います。Apple Watchはいりません。
その7:みんなが使っているから
最近は老若男女問わずに耳からうどんをぶら下げていることが普通になって来たように、一番多くの腕に収まっているスマートウォッチは間違いなくApple Watchです。どんなにシェアが低かろうが変人扱いされようがMacintoshしか手にして来なかった私も正真正銘の天邪鬼なのでお気持ちは分かりますが、私がApple製品を使っている一番の理由はワクワクさせてくれるから。それも感じないのにみんなが使っているからとか会社で使っているからと言う理由でApple Watchを買う必要はありませんが、ちょっとは心惹かれているのにみんなが使っているからと言う理由で買わないのだとしたらそれは凄くもったいない気がします。
その8:Apple Watch Series 3なら2個買ってお釣りがくる
そうなです。18時間しか持たないから寝ている時は充電するしかないじゃないかと言うのがApple Watch最大の不満点(実際には18時間で切れたことなんてありません)。それをカバーするには複数個持つしかないのですが流石にSeries 5を2個持てとはApple信者の私でも言えません。既に世代は問わずApple Watchを持っているなら充電時間中にそちらと付け替える方法が可能ですがそうでないならSeries 3の2個持ちは十分ありかも知れません。厚労省がApple WatchのECG(EKGとも言う心電図機能)機能を承認してくれるならSeries 4がディスコンとなってしまった現在Series 5を選ぶべきだと思いますが、相手が厚労省だと心電図が使えるようになる前に心臓が止まる可能性だってありますから。
その9:Samsungが好きだ
好きにしてください。
その10:Wear OS by Googleが好きだ
Android系のスマートウォッチはウエアラブル専用じゃないAndroidを搭載すると言う暴走でスタートし、スマホと同じようにハードの開発も終わらないうちにバージョンだけがどんどん先に行ってしまうAndroid Wearですっかりメーカーも怖気づき、ハード要件もある程度コントロールされて発表されたWear OS by Google。一年に一度でさえ多いと言われるWatch OSなのに、半年で2.0にメジャーアップデート。その後はアップデートがないようですが…Apple WatchにWear OS by Googleが載る事はありませんので買ってはいけません。それにしてもこの名前はいつまで持つのだろう。


結論:19,800円という信じられない価格で継続販売されることになったApple Watch Series 3。これからApple Watchをと考えているならまずはSeries 3をお試しで購入するのもありかと思います。そしてSeries 4をお使いならどうしても買い換える必要はないと思います。もちろんどうしようもない方向音痴なら別ですが。

iPhone 11 Proを買ってはいけない 〜10の理由〜

一番期待していたUWB(U1チップ)に関する発表の無かったAppleのスペシャルイベント。こちらに関しては改めて大きな発表があるだろうと勝手に期待している今日この頃です。ハードに関しては噂通り(あまりにも確度の低いものは除外して)の発表となりましたが、最大のサプライズはハードだけではなくApple ArcadeやApple TV+の価格が予想以上にリーズナブルだったことかも知れません。コンパスと常時画面表示以外にSeries 4と違いがないじゃないかと突っ込まれそうなSeries 5を際立たせるためにSeries 4を終了し、その上でECG(心電図)以外のApple Watchに必要な基本機能を備えたSeries 3を継続としたことは正しい判断。その上で同じ機能を備えてこの価格で出したのでは他のメーカーは間違いなく赤になってしまう199ドル(何と日本では19,800円なのでドル換算で100円以下)という値付け。これでスマートウォッチを諦めるところがまた増えることでしょう。と言うわけで製品別に買ってはいけない10の理由を考えるのは大変なので今回はiPhone 11 Proに的を絞って書き連ねてみたいと思います。

買ってはいけない理由
その1:トライポフォビアだ
カメラが2つしかない11は大丈夫だが3つもあるProやPro Maxは見ただけで卒倒してしまう。そんな方が安心して使えるのはシングルカメラのPixelシリーズかも知れません。そんな方にはPixelよりも未来のある継続販売の8やXRをお勧めします。お尻がムズムズするくらいなら良いですが吐き気を催したり、気を失ったりするようでは本末転倒。皆がトリプルカメラのiPhoneを使うようになりそれで写真を撮られることに違和感を感じなくなってからトリプルカメラ以上のiPhoneを買うので問題ありません。
その2:5Gじゃない
インフラもサービスも整っていない現状で5G通信は自己満足以外の何者でもありません。今出しても5Gの恩恵を多くの人が得られるようになる頃には次のiPhoneが出ている事でしょう。こちらも普及段階とは言えませんが自分で設置可能なWi-Fi 6に対応した事で今年は充分だと思います。どうしても5Gと考えているなら他のメーカーから出ているシングルモードではないマルチモードが出てからの方が正しい選択。4K放送の規格が決まる前に4K対応チューナーがないテレビを高い金を払って買ってしまったと言う過ちを繰り返すようなもの。どうしても5Gが欲しいのならAppleが対応するiPhoneを出すまで待ちましょう。
その3:iPhone 11で充分だ
多くの人にとってProやPro Maxに搭載されたカメラが必須かと言われればそんな事はないと答えるのがApple信者の正しい務め。他のメーカーなら11の価格を抑えるために型落ちのSoCを載せるところでしょうが、Appleは昨年のXR同様にカメラとディスプレイ以外はほぼ最上位のProと同じ構成で11を出してきました。その上で途中で値下げしたXRよりも低価格。カメラ命でないなら敢えてProを購入する必要はありません。
その4:発売当日に手に入らない
オンラインも店頭での予約もスタート。欲しかった色は既に完売で初日に手に入らないから優越感に浸れない。そんな理由でProを買わない人は敢えて8やXRを買いましょう。iPhone 6sでは流石に辛いですが7以降のiPhoneなら何ら問題のないiOS。当然、iPhone 8でイライラするような事はまずありません。最新モデルが欲しいならじっと到着を待てば良いし、優越感だけが目的ならこんなに安くなったよと大幅な値下げになった8で去年8を手に入れた人を悔しがらせましょう。それで友達を失っても当方は一切責任は負いません。そもそも、国民の半分以上がiPhoneを使っている日本でiPhoneだからと優越できることなどないのですから。
その5:バッテリシェアではない
GalaxyやHuaweiの端末ならできるバッテリシェアが出来ないから買わないと言うならバッテリシェア対応のiPhoneが出るまで買話なくて結構です。私は常に複数の予備バッテリをバッグに忍ばせそのうちの一つは当然ワイヤレス受電も可能なものなので双方向充電は重要な機能ではありません。最新の未確認情報ではハード的には双方向充電が可能でiOSで機能を殺しているとのこと。充電効率がAppleの望むレベルになるなら機能を復活させる可能性はあるようです。どちらにしろあったら便利だよねの機能。他のメーカーならそのレベルで他社の差別化が必要なのでしょうが。
その6:重くなった
見た目はほとんど変わらないのnいXSよりも重量の増えた11 Pro。1gでも軽い端末が欲しいと言うなら敢えてお勧めはしません。ただし僅か11gと18g増えただけでそれぞれ駆動時間が4時間、5時間と伸びたProその分軽いケースを選ぶなり、裸で使うなりの方法があるはず。10kg近くあったMacintosh Portableと比べたら羽のような軽さです。
その7:指紋認証がない
他のメーカーでは既に出ているディスプレイ内蔵の指紋認証が載っていないので買わないと言う人も世の中にはいます。そんなものは今年のiPhoneには載らないとだいぶ前から確度の高い噂で出ていたのですから期待する方が間違っています。Appleも開発そのものは続けているのでいずれは搭載されるでしょうがAppleは他のメーカーのように物珍しさで売ろうと言う考えは一切持っていません。精度の低い顔認証システムを誤魔化すために指紋認証を載せるような事はAppleはしないのです。
その8:UWBが嫌だ
10cmの精度でどこにいるかがバレてしまうUWBが載っているスマホなど持っていたのではプライバシーが守れないから嫌だと考えている人もいるでしょうがAppleがUWB対応のU1チップを年間1億台以上世の中に出していくことで新たなエコシステムが出来上がるのは間違いありません。iPhoneが携帯市場を変えたようにUWBを仲間にしたiBeaconが世の中を変えると思います。
その9:ToFセンサーじゃない
まだ量産体制が整っていないものを搭載するほどAppleは酔狂ではありません。他のメーカーはニッチ狙いでそんなものを我先に出そうと考えるでしょうがAppleが販売するiPhoneは最低でも数千万台億以上の部材が揃わないようなものはプロトタイプ段階に過ぎないのです。iPhone 11は全て2眼以上になったので画像の視差で奥行き検知の精度は向上しています。シングルレンズしかなく機械学習で得たアルゴリズムだけで奥行きを判断するものよりは高い精度だと思います。
その10:折りたためない
そう言う価値観の人には買って欲しくありませんw

結論:Appleからイノベーションが消えたは随分前からよく出てくる言葉。どこかが折りたためば何故折りたためない、どこかが顔認証を出せば何故顔認証じゃないといつも同じパターンのDisりばかり。Appleが搭載したものは写真やモニターに写った映像でもロックが外れてしまうような出来損ないだったでしょうか?進化とはその後それがデファクトになるものでなければ意味がありません。一代限りで終わってしまうものは進化ではなく単なる奇形に過ぎないのです。深化するからこそ進化と呼べる。目新しいもののつまみ食いばかりしているところの製品に手を出すことぐらいバカらしい事はありません。

火曜日, 9月 03, 2019

9月10日のスペシャルイベントで発表されるもの

Steveの時代と違いあちこちからリーク情報の漏れてしまいどんなものが飛び出してくるかの楽しみがなくなってしまった今日のごろ。今年もそんな時期が近づいてきました。招待状に書かれた文章は「 By innovation only.」と随分と自信満々ですが、チップの高性能化やカメラの数が増えるくらいでは到底イノベーションとは言えないので何か噂になってもいないようなものでも載るのとツッコミを入れたくなってしまうのが人情。とうわけで現在噂として出てきているハードをまずはおさらいしてみたいと考えるのが普通なのだろうが、今回一番重要なのは新しいIPhoneやiPadなどではないと考えている。キーワードはトラッキング。以前から「iPhoneを探す」や「友達を探す」は存在していたが、これらはネットワークにつながっていることが条件となっていた。今までのトラッキング方法では電波が届かない電源が切れたなどによって携帯網やWi-Fi環境などのネットワークから一旦切り離されてしまうと現在位置を割り出すことができない仕組みだったが、今後Appleが提供するトラッキングシステムはBluetoothのアドバタイズをベースにしたものに切り替わる。そんなものはすでにサードパーティーが提供しているじゃないかと反論される人もいるかもしれないが、今までのものは検知するための基地局や検知するアプリがインストールされた端末が存在する前提で成り立つシステムだった。本当に役に立つものにしたいと考えたらアプリユーザーを力技で増やすしか方法がなかったのだ。小資本の企業では全世界どころか国内であってもくまなく展開させるなど到底不可能な話だったのだ。僅かな費用で販売しなければ数を出す事は出来ず、それではインフラに費やす資金を捻出することが出来ない。単独では無理なので交通機関などの公共的なインフラを持つところとのタイアップでの展開がせいぜいだった。当然それでは本当の意味での社会インフラにはなり得ない。そこに降って湧いたのがAppleの新しい「探す」アプリ。これは今まで通りの通信網からの検索も可能だが単独では通信網と繋がることのできないBluetoothしか持たないデバイスでも近くにネットワークに繋がったiOS 13やiPad OSがインストールされたデバイスを持った人が存在すれば場所を通知可能なトラッキングエリアに変えられるシステムをOSのアップデートだけで構築できる画期的な仕組みなのだ。もちろん赤の他人にそんなことをさせるのは嫌だという考えもあるだろうが落とし物だけではなく安否確認のために人を探すなどが、サードパーティーなどの第三者に個人情報を提供する事なくiCloudの利用と言うデフォルトの設定を行う事だけで可能になるのだ。そしてそれは恐らく無償で提供される。iPhoneを持たせることの出来ない子供の安否を知るために警備会社のサービスへの加入やトラッキングタグを持たせていた親御さんも多かったかもしれないが、これからはそんな子供にはApple製のトラッキングタグやライセンス契約されたサードパーティー製のトラッキングタグを鞄の中に忍ばせるだけで済んでしまう。そんなことでは警備会社などのビジネスが成り立たないではないかの意見も出てきそうだが、場所が分かったら人や物をリカバリーする駆け付けサービスが成り立つようになる。BeaconとiCloudを組み合わせることで新たな市場を作り出すことになるのだ。

結論:恐らくスペシャルイベントでApple製のトラッキングタグが発表されるが、それを聞いて何を今更と考える人もいるかも知れないが世界中に遍く優に10億を超えて存在するデバイスがトラッキング検知の基地局に変わり同時にトラッキングタグに変わるという歴史的な出来事になる。5G通信や折り曲げられることがイノベーションだと考えるような人には理解できないことかも知れないが、これこそがイノベーションなのである。