月曜日, 11月 26, 2018

iPhone XRが売れない10の理由

いつもなら買ってはいけないと書くところなのが、今回は売れていないとのことなのでなぜ売れないのかを書いてみたい。iPhone XRは他のメーカーが出していれば一番の売れ筋になるであろう製品だったが信者にとっては食指の動かない中途半端に見えてしまったのが現状の敗因なのだろう。そして、信者ではない人にとってはやはり高すぎた。その辺りをまとめてみたい。

売れない理由
その1:新し物好きはiPhone XSを買ってしまった
XRが先に出ていてXSが入手困難であったなら昨年のiPhone 8のように売れていたかもしれないが今年はiPhone XS/XS Plusも比較的潤沢に供給されたために僅かな価格差では魅力を感じてもらえなかった
その2:OLEDでなかった
SoCはA12 Bionicを使用し処理速度もXSに遜色ないのにOLEDではなく液晶だと言うことで安物と思い込まれた。液晶はOLEDのように焼け付きを起こすことも少なく解像度はRetinaなので見易さも申し分ないだけに残念だ
その3:iPhone Xユーザーには機種変対象外
一年おきに新しいiPhoneに買換えているお金持ちの眼中にXRは存在しない。もそも眼中にあったとしてもXSやXS Plusに機種変した上でXRも揃えておこうとか投げるのは一部のコレクターかiOSがらみの開発をしているプロだけ。販売台数が劇的に伸びるほどの需要にはならないのである。
その4:色々な製品を発表し過ぎた
iPhoneだけで3機種も発表した上に今回は長らくアップデートのなかったMacBook AirやMac miniまでモデルチェンジ。その上Siries 3で存在感の増したApple Watchまで新しくなってしまった。
その5:在庫が潤沢
例年のようにiPhoneが品薄状態となっていたなら我先にとなったのだろうが残念なことに今年は供給が潤沢。いつ手に入るかも分からないとなれば欲しくなるのが人情だが、いつでも手に入るとなれば慌てることはないと考えるのは当然のことなのだ。
その6:今使ってるiPhoneに満足している
Androidスマホと違い製品寿命が長いのがiPhoneの強み。それが仇になってしまったのがXRが売れない理由の一つ。5年も前のiPhoneでさえ最新のOSで使えるとなってしまえば何も買い替える必要はないと考えるのも当然のこと。
その7:もっと安いiPhoneがある
流石にiPhone 6sやSEは国内市場から消えてしまったが、安くあげたいと思えばiPhone 7や8が現役としてラインナップに並んでいる。7であればXRの半額で手に入り8もXSを買う金額を出せば手に入るのだ。
その8:Touch IDじゃない
本当にそんなバカが大多数だとは思えないが、金がないので買えないと言いたくない言う言い訳にはなる。
その9:Pixel 3の方が好きだ
Androidスマホの中では間違いなく素性が一番良いがソフトウェアの不具合は随分とあるようなので次はiPhoneにしましょう
その10:割賦審査に落ちた
残園。

と、アップもしないうちにAppleから販売奨励金が出るようであのドコモが3万円を切る価格でiPhone XRを販売開始。当然auやSoftBankも追随してくるのでとんでもないことになりそうだ。問題はそんなことになるとは思いもせずに素直にiPhone XRを購入してしまった人たち。何らかの救済措置を取らないと暴動になるかも知れない。

結論;3キャリアが横並びで3万円を切って来るようなことになると間違いなく売れまくるだろう。12ヶ月縛りではあるようなのでキャリアで契約した場合のみではあるが、こんなことをされると国内メーカーだけではなく中華や韓国のスマホは生きた心地がしないのである。

水曜日, 11月 21, 2018

その製品はライフスタイルを変えたのか?

どんどん販売価格の高くなるiPhone。確かに誰でも気軽に買える金額ではなくなったことは確かだが、イノベーションもなくなったのに(そういう意見の人はSamsungなどにはあるとたわけたことを宣う)と見当外れなことを宣う連中には賛同しかねる。イノベーションというのは携帯電話が折りたためることだと考えているならそんなものはiPhoneが誕生する以前はフリップタイプばかりだったじゃないかの一言で終わる。折り曲げられるディスプレイが重要なんだと食い下がってくるかもしれないが、スクリーンが折り曲げられることで生活がどう変わるのか私には全く想像できない。そしてそんなものに食いつくような人達にAppleにイノベーションがなくなったなどと偉そうに言って欲しくないのだ。

Appleが起こしたイノベーション
Apple Ⅱ:それまでもマニア向けのマイコンは存在したが本物のパーソナルコンピューターと言えたのがApple Ⅱ。Apple Ⅱが成功していなければ汎用機の巨人であるIBMがPCを出すのはずっと遅れていただろう。IBM PCが登場し互換機を許したことでPC市場が生まれたのだ。


Macintosh:Macintoshが画期的だったのはコマンドを知らなくてもコンピューターを操作可能にしたこと。それまでも中途半端なGUIは存在していた(Alto)がマウスだけで捜査課のなものはなかった。MacintoshはPARCのAltoのパクリの一つでWindowsも元を正せばAltoに行き着くとも同じだなどと馬鹿なことを平気でほざ
く馬鹿がいまだにいるがデビュー時点でそのインターフェイスは既にAltoを凌駕していた。Macintosh(中途半端な形でLisaにも)のインターフェイスがAltoにインスパイアされたのは事実だが。Macintoshのデビューは1984年。Windowsが一般に受け入れられる(使い物になり始めた)ようになる10年も前のことだった。

iPod + iTunes:全ての音楽コレクションを持ち歩ける(1,000曲なので多分に誇張されているが)デジタルミュージックプレイヤーであったiPodはそれ以前の音楽プレイヤーを駆逐してしまったと言うだけで十分にイノベーティブだったと言えるかもしれないが、CDからクリッピングした曲を聴いているだけならライフスタイルを変えたとは言えなかっただろう。音楽ダウンロード販売サービスであるiTunes(元はiTunes Store)で音楽の入手法を根本的に変えた事でライフスタイルを変えてしまった(CD販売店の抹殺とも言う)。音楽業界は既にダウンロード販売からサブスクリプションのストリーミングサービスに主力は移っているがiTunesの成功がなければ違う形になっていたかもしれない。

iPhone:タッチ画面のiPod、電話、情報端末を一つにしたiPhone。こんなものは売れないと批判の矢面に立たされた製品はわずか数年で携帯電話市場だけではなくコンピューティングそのものを変えてしまった。iPhone以前にもスマートフォンと呼ばれる携帯電話は存在していたがiPhoneの登場によってその定義は大きく書き換えられた。それまでのスマートフォンは所詮ポケットサイズに押し込めた出来損ないのPC。OSも出来損ないだったので小さな画面しか持たないのにPCのUIで操作しなければいけない代物だった。iPhoneの登場によってコンピューティングはモバイルファーストが常識となり、ミレリアム世代ではPCを持っていないことがコンピューティングの障害でさえなくなっている。これをイノベーションと呼ばずして何をそう呼ぼうというのだろう。

結論:イノベーションとは製品の再定義ではなくライフスタイルの再定義を起こすこと。Appleだって毎年起こせるようなものではないのである。

火曜日, 11月 20, 2018

Appleは負け負け組なのか?

新製品の発表も新たな機能追加の発表もなくスマートスピーカーの中で存在感がどんどん小さくなるHomePod。このままではスマートホームという未開拓の地を失ってしまうとの意見の方が多い昨今である。確かにスマートスピーカーと言う範疇にHomePodを入れてしまえばそうなるだろうが周りがそう捉えているだけでAppleはHomePodをAmazonのEchoやGoogleのHomeのようにスマートスピーカーだと言ったことはないし、家庭へアプローチするデバイスをKidleしか持たなかったAmazonとは違いスピーカーや他の製品(70もの製品が発表されたらしいが)をスマートホームのハブとして買ってもらう必要もない。Androidほどのシェア(それにどんな意味があるか知らないが)はなくともスマートホームの可能性が高い先進国にはiPhoneが既に行き渡っている。足りない物はハブとなってくれるデバイスではなく、それに連動して動作するスマート家電の方。もちろん先にデファクトとなるシステムを完成されてしまえば付け入る隙が無くなるのは事実だが少なくともAppleはそう考えていないだろう。

エンタープライズを背景とした広告がビジネスの中心である企業であれば当然である個人データの収集もAppleは極力しないためにAIの負け組だなどと宣うGoogle信者も多いようだが、一度もエンタープライズの覇者になるなどと言ったこともないAppleにしてみれば大事なのはそこじゃないよの一言で終わってしまう。これはMicrosoftもほぼ同じ考えでエンドユーザーをターゲットとするビジネスを手掛けているならフロントエンドとなるUIに対話型AIを持ってくる方がより重要となり、個人情報を端末内で処理するエンジンが肝になる。現状のAppleのSiriはサーバー上で動作するものであるがいずれは端末内での完結させる形になるだろう。

繰り返しになるがスマートスピーカーで出遅れていることを危惧する論調のベースはスマートスピーカーがスマートホームのh部になると言う前提で成り立っている。Amazonはスマートスピーカーで家電が操作可能なスマートホームと言う夢を描かせてAmazonのECに直結するデバイスを家庭内に置いて貰うことが真の狙い。同様にGoogleもウエブを経由させずにダイレクトに個人情報を収集する手段としてスマホを使わないユーザーの懐に入り込むのが本来の目的。クラウドに繋がらずに端末だけで完結してしまうようなものを出す気などどこにもないのだ。対するAppleはiCloud経由で連携し合うデバイスはユーザーのそれぞれのシチュエーションで必要となる機能を持ったバリエーション展開。互いに補い合えば良いだけなので一台で何でもこなす製品を作る必要はない。もしもAppleがスマートホームのためのハブを出して来るとしたらそれはマイクもカメラもスピーカーも持たない製品で構わないのだ。Apple製品のヘビーユーザーであれば家電の操作はApple TVからでもApple Watchからでも構わない。ハブの中に収められたローカルで起動可能なSiriが各デバイスからの指示を元に家電をコントロールする。Appleはそう言うスマートホームを考えているに違いないのだ。

将来、音声インターフェイスがユーザーインターフェイスの重要なキーであることは間違いないが、スピーカーがそれだと考えるのはあまりにも短絡すぎる。そして本当にそうだと考えているのならAmazon Echoなどのマイクはお粗末過ぎた。クラウドにどんな優秀なAIがあろうが、そもそも音声を正しく拾えなければ何の意味もない。そしてそこを重視してどんな悪環境でも聞き逃さないシステムにしようとしたら高性能な処理が可能な部品と処理系が必要になりそれなりに高価なものにならざるを得ない。HomePodが高価なのはそう言うシステムを組み上げているからなのだ。

結論:今どれだけのシェアがあろうが近い将来に多くの家庭がスマートホーム化することはない。それは全ての家電のスマート化にはそれくらいに時間が掛かると言うことだ。Appleは現在のスマートスピーカーは携帯で言えばガラケーに過ぎないと考えている。だから安心してガラケー時代のiPodに当たるHomePodを出してきたのだ。もちろんAppleがiPhoneのようなガラケーばかりのスマートスピーカーを駆逐する製品を出せる保証はどこにもないがその時が車でどんな事を言われようがAppleは現在のスマートスピーカーと真っ向勝負する製品ではなく進化を続けたiPodのようなスピーカーを出して来るのである。

水曜日, 9月 26, 2018

Apple Watch Series 4を買ってはいけない 〜 10の理由 〜

地味な進化でしかなかったiPhone XS/XS Maxを取り上げていながらApple Watch Series 4を取り上げないのでは片手ち。と言う訳で初代デビュー以降最大の進化を遂げたApple Watchを買ってはいけない理由を書き並べてみたい。とは言え今回のモデルは様々な理由で貶すべきではないのは百も承知。正直な話Appleに恨みでもない限り本気でDisるような部分はないのも事実。もちろん持っていないと死んでしまうと言うほどの必需品ではないが他のスマートウォッチを買おうなんてバカなことを考えているiPhoneユーザーはぜひこの機会に手に入れるべきなのである。

買ってはいけない理由
その1:iPhone ユーザーではない
日本ではそんな人の方が少ないAndroidユーザーだが、そうは言っても半数近く人は引き出しにしまっているだけにしろAndroidのスマートフォンユーザーである。そんな人にとってApple Watchはどのモデルでもアクティベーションさえ出来ない無用の長物。スマートウォッチを使いたかったら今はなきAndroid WearかWear OS by Google(どうしてこんなに名前が長い?)で動作するスマートウォッチを買おう。本当に出るかどうかは知らないがPixel 3の発表の時にGoogle独自設計のスマートウォッチが出るかもと言われているので是非そちらを。
その2:日本では心電図が使えない
アメリカでは冬までに公開されるFDA認証を取った心電図アプリがリリースされるが、管理医療機器になるのかさえ明らかではない日本で同時にアプリがリリースされる見込みはない。心電図が取れるなら欲しかったのにと考えている方は厚労省の認証が取れるまで買わないほうが良いのである。
その3:既にApple Watchを持っている
watchOSのアップデート対象から外れた初代は別としてSiries 2や3のApple Watchを使っている人は慌ててSiries 4を買う必要はない。日本でも心電図を計測可能になってからでも遅くないのだ。特に去年LTEが使えるようにあったので手に入れたという人は買う必要はない。
その4:時計はしない
時計なんてなくてもスマホがあれば時間はいつでも分かる。その通り。スマートウォッチを時計と認識しているレベルの人にはApple Watchはいらない。代わりに常にiPhoneを握りしめていよう。
その5:ご自慢の時計をしていたい
左手首は大好きなロレックスやフランク・ミューラーのための場所。Apple Watchに譲るわけにはいかないと考えている人も世の中にはいる。両手に腕時計をしているのでなければ右手首が空いているような気がするのですが数万円で買えるようなものを身につけたのでは沽券に関わると考えているのかも知れません。
その6:ウエアラブルは嫌いだ
何をトチ狂ったのか2、3時間しかバッテリーの持たないSamsungの初代のスマートウォッチを買ってしまって後悔したなどの理由によりウエアラブルに不信感を持っている人はいる。それはあなたのものを見極める目がなかったせいだと言ってみても始まりません。犬や猫でも身につけるのが当たり前の時代になったから手に入れましょう。
その7:歩きスマホをしたい
すれば良い。
その8:そんな余裕はない
爪に火を灯す状態の時なら私も買わない。
その9:iPhone XS Maxを買ってしまった
お買い上げありがとうございます。
その10:デザインが変わらないのでドヤ顔できない
Androidベースのスマートウォッチのようにデカくも重くもないし、四角くなったり丸くなったりとその場限りでデザインを変えるような事のないApple。今までよりも2ミリ大きくなったとは言え全体がサイズアップしたわけではないので装用感は前よりもしっくりとくるようになった。それでも文句をいうような人には持って欲しくないのだ。

結論:利用するアプリの認証が通るかどうかが不明のため心電図が日本では使えないApple Watch Sireis 4。SoCが64ビットデュアルチップのS4となりその処理速度はSiries 3の倍にあった。バッテリー容量は心電用のセンサーなどが乗ったせいか実は前モデルよりも小さくなったのだが、SoCの駆動に必要となる電圧が低くなったtめ駆動時間は前モデルと同じ公称18時間。他のメーカーだと通常使用で公称よりも実時間は短いものだがApple Watchは音楽を聴きながらのワークアウトなどをする前提での時間。そんな使い方をしないのならば一回のフル充電で二日くらいは動くのだ。iPhoneユーザーであり何かスマートウォッチをと考えているならGoogleの出るかものかも分からないようなものを待たずにApple Watch Siries 4を買うべきなのである。

木曜日, 9月 20, 2018

iPhone XS/XS Maxを買ってはいけない 〜10の理由〜

新製品が発表されたのにスルーでは流石にまずいので今回も懲りもせずiPhone XS/XS Maxを買っていけない理由を書き並べてみたい。昨年登場したiPhone Xが未だにAndroidスマホの追随を許さないレベルでベンチマークを叩き出してる中発表されたiPhone XSシリーズに搭載されたプロセッサーA12 Bionicは性能コアでA11 よりも15%高速化し効率コアで50%も省エネとなった。さらにA11で初搭載となったNeural Engineは2コアから8コアとなりその処理速度は実に一秒間に5兆回の機械学習の計算が可能(A11の9倍の処理性能)になった。真っ先に実感できるのはそのNueral Engineによってポートレート写真などのボケ感をより自然なものにできたことかもしれない。今後、他の用途にNeural Engineを使ったアプリが登場してくるのは間違いないだろう。と、ここまではAppleの受け売りになってしまうのだが、それでは片手落ち。ここからは買ってはいけない理由を列挙していきたい。

買ってはいけない理由
その1:iOS 12はiPhone 5s以降なら動く
流石に対応機種の中で一番古いiPhone 5sでは出来ることが少ないのは事実だがiOS 12にアップグレードが可能な上、処理速度も改善される。パフォーマンスが上がる分電力消費が大きくなるために動作時間は短くなるようだがiPhone XSやXS Max購入に支払う金額の1/10も出せば1日中電源を心配する必要のない数のモバイルバッテリーが帰るのだ。
その2:iPhone XRで事足りる
iPhone 5cの時には大して廉価でもないのに型落ちのプロセッサーを載せるという戦略ミスを犯して自ら首を締めるというAppleらしからぬ過ちを犯したが、今回同時に発表されたiPhone XRはディスプレイに液晶を使いバックカメラがシングルと言う違いがあるがそれ以外はiPhone XSやXS Maxと変わらない。それでいて価格はXS Maxの512GBモデルの半分に近く、一番安いXSと比べても3万円近くも安い。XSを買うだけの金額を出せるならApple Watch Series 3が手に入るのだ。
その3:既にiPhone Xを持っている
発表から1年経ったかもしれないが、製造が遅れたため初日に手に入れたとしても、まだ1年を経過していないiPhone X。予約開始初日に注文に手こずった為に何ヶ月も待たされてしまったならなおさらのことだが、iPhone Xと大きな違いのないXSに買い直すのはお金をドブに捨てるようなもの。継続販売がないiPhone Xなので中古市場で如何に高額で買い取られるとしても、もう一年使い続けて次のiPhoneにしてもバチは当たらないのだ。
その4:Face IDが嫌いだ
世の中にはFace IDでは不便と感じるほどに毎日顔が大きく変化する人がいる。全然別人なのにロックが解除されてしまうと言う初期のレビュー記事を目にして不信感を未だに持っている人もいる。さらに顔がロック解除のキーになっていると言うことはAppleに顔情報を取られるのじゃないかとまるでAndroidスマホがやりそうなことをAppleもやっていると心配しているかもしれない。Googleと違ってそんなことはしていないと口を酸っぱくしても信じない頑固者はどこにでもいる。そんな人はXSやXS MaxではなくiPhone 7や8を買えば良い。その方がお金の節約にもなるのだ。
その5:ノッチが嫌いだ
全画面と言いながらFace IDのためのイメージセンサーを配置する為に出来てしまった切り込みであるノッチ。iPhone Xの発表以後出て来たAndroidスマホはどれもこれも猿真似をしてノッチありのモデルばかりになってしまったが美意識としてこんなものは認めらえないと考えるのは仕方のないこと。生理的に受け入れられないものを使えと言うほど私は鬼ではないのでそんな人はiPhone 8を購入すれば良いのだ。
その6:OLEDは画面の焼き付けを起こすから嫌いだ
本当に画面が焼け付きを起こすまで使い続けるかどうかは知らないが、構造上自発光するディスプレイが焼け尽きを起こすのは純粋な物理現象。焼け付きを起こすよりも落として破損の方が多い気がする。
その7:ホームボタンがない
Face IDが嫌いだと同じじゃないかと思われそうだが、ホームボタンと言う分かりやすいインターフェイスがなくなることでどう使えば良いかをまた一から覚えなければいけないことに抵抗を感じる人は多い。正直な話、半日も触っていれば慣れてしまうことなのだが、そんな人はPCだってOSのアップデートをしないで使っていたりする。
その8:サイズがでかい
今回の発表で販売対象から外されたiPhone SE。片手での操作がしずらいから小さなモデルを使い続けていた人からしたらiPhone 7や8よりも大きなXSやXS Maxはせたくしに入るはずもない大きさ。iPhone SEサイズの新たなiPhoneが出てこなかったのにSEがカタログから消えたと言うことは復活は期待できない。それでも初志を貫徹となったら動かなくなるその日までiPhone SEや5sを使い続けるしかないだろう。
その9:名前がダサい
私自身「iPhone XS Max」などと言うふざけた名前はやめて欲しいと思っていたので気持ちは分からないでもないが、そもそもPlusサイズは選択肢の中には入っていないので正直どんな名前になろうと構わないのだ。大事なのは名前よりも中身、子供にキラキラネームを付けるバカ親よりはよっぽどマシだと思うのだが、いかがだろう。
その10:折りたためない
そんな奴はほとんどいないと思うが折りたためるiPhoneが欲しい人ももしかしたらいる。折りたためることこそがイノベーションだと思っている人だとしたらApple製品を買ってはいけない。

結論:取り敢えず新製品が出たらいの一番に買わなければと言う人強迫観念で生きている以外の人は自分の用途にあったiPhoneを買うのが一番。現在販売されているiPhoneならどれを買ってもAndroidスマホのように公開することはないのである。

金曜日, 8月 03, 2018

初の民間1兆ドル企業

8月1日に200ドルを超えたAppleの時価総額は一夜にして1株当たり207ドルを超え民家企業として時価総額が1兆ドルを超える企業となった。過去に中国のペトロチャイナが株式公開から僅かな期間1兆ドルを超えたことがあったがペトロチャイナは政府系(国策)会社だったので民間企業としては世界で最初ということになる。

巷間昨年秋に発表されたiPhone Xは売れていないというネガティブな記事が多く流れまるでSamsungのように下り坂と言う印象さえあったが、第2四半期、第3四半期と連続で好業績を上げたことを好感してして一気に株が買われたことが大きく影響したのだろう。SteveがAppleに返り咲いてからの21年でその時価総額は294倍となtたばかりではなく(時価総額はどこまでいっても机上の数字だ)、保有現金も既に30兆円を優に超える押しも押されもせぬ企業となったのである。

結論:携帯電話市場は既に飽和と言われパイの取り合いとなっているがiPhoneとAndroidスマホは別な土俵の製品。携帯電話市場のシェア争いは激烈を極めそのトップの座は猫の目のように変わり続けているが市場の利益をAppleが独り占めにしている状態は変わらないことから明らかなのである。

月曜日, 6月 25, 2018

地震と政治

豊臣が滅びて徳川の天下になったのは大地震が影響したからだという記事が出ていた。大阪を直下とする大地震で伏見城など多くの城が崩壊した関西圏が領地である豊臣が勢力を失い、その地震の影響のない東国を勢力とした徳川を利する形になった言うのは十分考えられる理屈である。そのような目で見てみると徳川も幕府末期となった安政に僅か3年のうちにプレートが原因と考えられる推定M8クラスの大地震が3回に加え江戸直下型の地震が発生している。大阪の地震が豊臣の天下を終わらせる切っ掛けとなったように江戸直下型の地震が徳川に引導を渡したとも考えられるかもしれない。

無謀な戦争を仕掛けた第二次世界大戦も戦略が間違っていただけでなく形勢不利となり始めた時期にM7クラスの地震が立て続けに発生したことも大きく影響したはずである。そして、戦後も阪神大震災や東日本大地震のように巨大地震後の対処のまずさから政権が2度交代している。地震への対応の良否が統治能力の欠如と判断されたからなのではないだろうか。歴史的に地震だけではなく台風等の様々な自然災害が当たり前の日本にとって災害に対応する能力が即ち統治能力と考えるとそれぞれの時代の切り替わりの理由が見えてくるのではないだろうか。

結論:天変地異の発生が改元の切っ掛けになっただけではなく統治者の交代を引き起こしていたのではないだろうか。

火曜日, 6月 19, 2018

米朝首脳会談は成功だったのか

一度は中止になりもうこれまでかと思われた米朝首脳会議はつつがなく終了した。トランプは譲歩しすぎだなどと文句を言っている連中もいるが、揺さぶりを掛けて独裁者を引っ張り出すことに成功しただけで十分成功だったと考えるべきだろう。そもそも中止を言い出したのはトランプだが、その理由は既に予定されていた米韓合同訓練実施に対し北朝鮮が文句を言って来たから。そちらがその気なら階段は中止だと宣言。慌てた韓国の文大統領が仲介となって交渉した事が功を奏したと考えている輩もいたようだが譲歩を引き出したのはトランプであり会談中止は互いに繰り出したジャブだったのである。オバマ大統領であればアメリカから会談中止を言い出す事はなく中途半端な譲歩の上、最終的に非核化を進展させる事が出来ずじまいだったろうが誤魔化しがあれば軍事オプションを行使する考えのトランプだからこそ交渉するに値すると判断され首脳会談の実現に漕ぎ着けたのだ。

腹違いの実の兄を殺害し、叔父も処刑した事を受けて未だに金正恩を基地外だと考えている連中もいるし私もオバマ政権時代はそのように考えていたが、トランプが大統領になって以降の金正恩を見ていてブラフを仕掛けるリアリストと評価が変わった。同様に未だに何を考えているか分からない阿呆だとトランプを思っている連中もいるがこれは明らかに認識が間違いっている。トランプも空理空論に生きる政治屋ではなくビジネス世界を生き延びて来たリアリストなのである。

まだ非核化が始まってもいないのに米韓の共同軍事演習は中止する、在韓米軍を撤退させると言う発言に韓国は慌てふためいているのかもしれないが少なくとも現階段で即時撤退をうたったわけでも無く騒ぐような事態では無いのだ。ただし、北朝鮮が核兵器を段階的に破棄しアメリカとの国交を樹立となり親米国家に代わってしまうと韓国のプレゼンスは一気に消え去る可能性はある。休戦中に過ぎない北朝鮮の侵攻を食い止めるための防波堤としての役目が不要となれば李朝時代と変わらずその時々で中国やロシアに色目を使って同盟国であるアメリカに対して裏切りと取れることを平気で仕掛けてくる韓国との距離を置くのは合理的である。

結論:中国の北朝鮮政策は基本的に生かさず殺さずだったからのlいた朝鮮の核兵器開発。交渉に応じれば経済成長を支援するとの確約が得られるなら取引に応じるのは至って真っ当な考えなのである。

金曜日, 6月 15, 2018

AppleとPixar

AppleとPixarはどちらもSteve Jobsが創業者だと言う事を知っている人は多いと思う。そんなAppleとPixarの浅からぬ関係がWWDC 2018で詳らかになるとは思いもしなかった。昨年のWWDCで発表されたAnimojiのキャラクターの印象はまるでPixarじゃないか(黙って似せたなら問題だと)と思ったのだが、今年のWWDCでAppleがキャラクターイメージをパクったわけではなくPixarと一緒に開発していたことがハッキリとしたのだ。

AppleのARのベースとなるデータファイルはPixarのUSDをベースとしたUSDZフォーマットとなり、自由にアバターを作成できるMemojiは、アバターを作ってみれば分かるがそのままPixarのアニメに出て来ても違和感がないくらいにPixarのキャラクター風になる。Samsungは画像認識技術を使って本院ベースのアニメ風のアバター(大して似ていないのに不気味)と言う間違った選択をしたのに対し、Appleはより親しみを感じてもらえるものにするためにPixarと手を組んだわけである。

実際の開発がいつ始まったかは定かではないが、TimがこれからはARだと宣言する前にAppleとPixarは共同でARKitのベースとなる3D技術の開発を始めていたのは間違い無いのである。GoogleにしろMicrosoftにしろARを現実世界に溶け込ませるには専用のハードウェアが必要とだと考えて開発を進めているのをよそに、Appleは処理速度さえ追いつけばARはソフトウェアだけで解決できる世界だと考えていたのは間違いない。長い開発期間と費用をかけて来たTango Projectは動作可能なデバイスが揃う前にARkitの前に討ち死に、水平面しか検出できないARKitは子供騙しに過ぎないと嘲笑っていたのも束の間、丸一年を経てバージョン2となったARKitは3次元空間をカメラで正しく錦できるだけではなく、そこに表示するコンパクトなデータファイル形式さえ用意して来たのだ。GoogleもTangoを捨て去ってARCoreを出して来たが未だに動作可能なデバイスが限られ絵に描いた餅に限りなく近い有様だ。その上、仕様上はARKitよりも凄いのだが実際はARKitと比べてお粗末な状態なのだ。

結論:創業者が同じなので反目し合っているなどとは誰も考えていなかったと思うが、ここまで密接に協力し合っているとも思わなかったAppleとPixar。それが明らかになったWWDC 2018だったのである。

水曜日, 6月 13, 2018

実り多かったWWDC 2018

通常ならWWDC前に何が発表されるかの予測を書くところだが、今回はハードウェアの発表がないとわかっていたので事前に何も書かなかった。去年のように沢山のハードが発表されるなどと妄想していたおめでたい連中もいたようだが、昨年撒かれた種がどう育ってきたのかを目の当たりにする中身の濃いWWDCだったのである。

昨年のWWDCの発表を受け、GoogleがTango プロジェクトを捨てる結果となったARKitは一年の時を経て2.0となりARの共有と言う次の段階へと進化した。GoogleもARの共有は織り込み済みなのだがWWDC初日にダウロード可能になったiOS 12のベータで直ぐに確認できることとは大きい。対応する製品はARKitが動作するA7搭載であることも重要なポイントである。ARKItの発表を受けて慌てて発表されたGoogleのCoreKitは未だに利用可能なデバイスはわずかでありiPhone 7以降が対象となるAppleに大きく水を開けられたままなのはお笑いぐさである。

そしてARに関してもう一つの大きなポイントはPixarとのコラボレーションでリリースされたオープンファイルフォーマットの「usdz」の発表である。iOS 11上では未サポートだがiOS 12のベータのインストールされているデバイスならば「usdz」フォーマットのファイルはSafariで開kいARボタンを押すだけでカメラを通した現実世界上に3Dモデルを自由に配置することが可能になる。簡易とは言えAR体験に専用のアプリを作る必要がないと言うのは非常に大きなメリットなのだ。

昨年発表されたCoreMLは、外部のシステムで作成したモデルを利用するレベルであったが、CreateMLを使うことでXcode上でMachine Learningモデルを作れるものに進化した。現状作成できるモデルは画像と自然言語に関するものだが、これはクラウドベースのMLでも同じこと。ローカルのMac上でMLモデルを簡単に作れることも大きなアドバンテージと言えるだろう。

他にもSiriのShortcutsなど色々と発表があったが、全体を俯瞰して分かることはクラウドに個人情報を投げることなくローカルで処理を完了させるエコシステムの構築を着実に進めていることである。もちろんAppleはローカルの環境だけで全てが完結できるなどと考えているわけではないが少なくとも個人情報を野放図にクラウド上に渡してしまうような真似はしたくないと意思表示したのだ。

結論:昨年撒かれた種が着実に育っていることを知るWWDCとなったのである。

金曜日, 4月 20, 2018

墓穴

昨日こんなくだらない事で時間を無駄にするなと書いたし、誰なのかが分かるとまずいのだろうとも書いた。問題の記者が誰かの予想は付いていたが憶測で書く訳にもいかないので触れなかったのによりにもよって民進党の大塚議員が暴露。どう言う権限で公表したのかと頭の中を疑うしかない輩だ。

問題の女性記者がテレ朝の進優子と明らかになり握りつぶした上司がよりによって女性の経済部長の松原文枝(旦那は朝日新聞の立松朗)とバレてしまういう茶番劇。野党の矛先は相変わらず安倍政権と財務省なのだろうけど世間はハニートラップ行為を我慢しろと命令していたテレビ朝日のパワハラ問題だと認識したのは間違いない。ここで野党が性懲りも無くセクハラで騒ぎ続けるなら解散総選挙となり野党の多くは議席を失うことになるだろう。

野党は週刊新潮の記事が財務省や政府に対する揺さぶりに使えると安易に考えたのだろうがテレ朝で握りつぶされたセクハラ(正しくはハニートラップで特ダネ取)を週刊新潮に持ち込む事でハニートラップを強要するテレビ朝日に対する報復と考えるべき案件。問題の本質を分かっていたテレビ朝日はどこの記者かもバレていなかった段階で記者会見を行わなければいけないことになってしまったのだ。

結論:たった、1日で形勢が大きく変化。自らの墓穴で今後、朝日新聞やテレビ朝日はまともな取材活動はできなくなったのである。

木曜日, 4月 19, 2018

モリカケに失敗したらセクハラ

正直、国会で追及するような問題ではないことで空転ばかりの今日この頃。挙げ句の果てにまともな審議もなしに予算や法案が通ってしまうのは全て野党やカスゴミのせいである。国会は立法の場なのに野党は魔女裁判の場と考えているのだろうが本当に日本の事を憂いているならこんな馬鹿らしいことに時間を費やすことなどあり得ない。それをしているのだから日本がどうなろうと知ったことではないと考えているに違いないのだ。

福田財務事務次官に縁もゆかりもないし、人柄も知らないが今回の騒動はどう考えても財務省内の権力闘争に思えて仕方がない。どこの誰かも分からない相手の言い分だけじゃ話にならないと言う麻生さんの発言で炎上騒ぎになったが、麻生さんの言うことはもっともだと思うのが普通の気がする。個人名が明らかになったら今後の仕事に支障が出るから匿名なのだと言い張っているが、それならば週刊新潮に今回の問題を垂れ込むこと自体おかしいのではないか。外から見る限りセクハラ問題を解決をしたかったのではなく政権や財務省内に揺さぶりを掛けたかった事は明白なのだ。誰のタレコミかが分かれば誰に近い筋の記者かが明らかになってしまう。

問題の女性記者はテレ朝の社員だと明らかになったためにセクハラ問題を取り上げなかったテレ朝に対する批判も上がっているが本人を知っているからこそ今回の問題をテレ朝では取り上げなかったとの考えも成り立つのだ。どちらにせよ国会で問い詰めるような問題ではなく司法の場で白黒を付けるのが法治国家のあるべき姿なのである。

結論:国会は週刊誌ネタで時間を無駄にする場ではないのだ。

金曜日, 4月 13, 2018

相撲は国技?

土俵は女人禁制だと明治以降に始まったに過ぎないものをまるで神代の時代からの由緒ある故事のように振りかざす日本相撲協会。そもそも相撲は五穀豊穣を願う祭りから始まっているかもしれないが直接寺社と結びついたのは火災などで焼失した寺社再建の寄付金集めのための勧進相撲。これが江戸期に興行化したものが現在の大相撲のルーツ。そんな大した伝統でもない女人禁制なのに世間で騒ぎになった途端去年まで普通に行われていたちびっこ相撲の女児
を排除と言うのだからお話にならない。

結論:相撲協会なんて腐った組織は解体すべきである。

木曜日, 3月 22, 2018

モリカケ問題の正体

とっくの昔に終わったかと思っていた森友学園で公文書の改ざんで再浮上して来たのは安倍政権をどうしても引き摺り下ろしたい勢力が存在するから。それは何の権限もない野党やマスコミが主犯ではなく財務省の差し金。理財局の不正を組織自らリークするはずがないだろうと考えるのが一般人の常識かもしれないが、大きな目的の前には自らが傷を負うことを厭わないのが官僚組織なのだ。朝日や毎日などの左翼新聞は別にして安倍政権を持ち上げて来たのは他ならぬマスメディアだったが財務省から払い下げられた国有地を本社としているマスメディアの多くにとって一番怖い存在は税務調査や国税の査察を命令できる財務省。財務省が出所のリーク情報を一笑に付して無視することなどマスメディアには到底できないことなのだ。その上で、マスメディアの偏向報道に対し放送法を改定し新規参入を可能にしようと動き始めた安倍自民。電波利権によって守られて来た立場が危うくなる放送局とその系列となる新聞社が反安倍に掌を返したのは当然だったのだ。問題は世論はマスメディアだけで作られているわけではない21世紀においてマスメディアの大号令がどこまで効果があるかなのだが、そもそも政治的圧力が存在しなかったことは明らかだったので忖度などと言う言葉を持ち出したところで勝負の行方はついたように思うのだが。

結論:景気拡大が止まれば消費税増税の凍結ばかりか減税さえ考えている安倍政権。安倍政権がそこまで力を持ったのはマスメディアが持ち上げたからなのだが、ネガティブキャンペーンででそれを崩せると考えたのが一連の騒動の正体。政策そのものではなく今回の事件で安倍政権を終わらせる国民ばかりならいつまで立っても良いように官僚に利用されるだけなのである。

金曜日, 3月 02, 2018

スマートスピーカー登場でアプリの設計概念が変わる

耳にタコができるほど書いているのでもう良いと言われそうだがスマートスピーカーが各社から発売開始されたことでアプリのインターフェイスがGUIからVUIへと大きく変わろうとしている。スマートスピーカーは音楽を楽しむだけではなくスマートホームのハブとして役目を与えられている。そのためにAmazonとGoogleはどちらの方が多くのアプリ(スキルやアクション)を持っているかが話題の中心にあり発売も後発でHomeアプリでコントロール可能なものがわずかにあるだけのHomePodは大きく出遅れていると世間では言われているし大きな間違いではない。

今回はそんなスキルやアクションを起動するためのVUI(音声ユーザーインターフェイス)によってアプリの根本的な設計変更が必要なことについて書いてみたい。PC黎明期にはコンピュータへの命令はテキストコマンドの形で行うCUIだった。それ以前はパンチングカードでの入力だったが流石に知らない人の方が多いと思うのでここでは省くことにする。CUIベースのコンピュータの時代ユーザーは起動するための正しいコマンドを覚える必要があった。正しいコマンドを知らなければパスワードを忘れたのと同じように二進も三進も行かなかったのだ。これではコンピューティングの知識を持っていなければ操作は不能だったため使える人は限られていた。

XeroxのPARCをパクったかどうかはスルーしてMacintoshの登場によってGUIが新たなコンピューティングの方法を形作った。テキストを打つ必要がなければメニューやボタンを選択するだけでコンピュータの操作を行えるようになったのだ。単純化して今えばそれまでのアプリケーションはどのキーにどの命令を割り振るかがプログラミングで一番重要なポイントだった。GUIではメニューのどの位置に命令を割り振るか、ボタンを配置するかが重要となってくる。ユーザーインターフェイスで一番重要なのは見ただけで何が起こるかを想起させられるデザイン力だった。そしてGUIはiPhone の登場によってマルチタッチの形で一つの完成を見たと言えるだろう。

そしてスマートスピーカーの登場だ。AirPodsの登場によってヒアラブルと言う言葉が登場したがAirPodsは賢いヘッドセットに位置する製品。単独で音楽を聴けるわけでもスマートホームのコントローラーになるわけでもない(いずれはそうなると思うが)。その部分を担うのがスマートスピーカーだが現状のスキルやアクションはAIをベースにしたDBから命令や質問に対する回答を呼び出すコマンドに過ぎない。要するに音声認識エンジンが優秀になったおかげでキーボードを打たずに命令を実行できるようになっただけなのだ。だからユーザーはスキルとそれに対応する質問を覚える必要がある。一つの命令でカーテンを閉め、灯をともしエアコンをオンに出来たとしてもそれはスクリプトの実行と何ら変わらずAIによる処理とは到底呼べない。スマートスピーカーであってAIスピーカーではないと言うのは事実である。

世間ではディープラーニングの能力が雌雄を決すると信じているようだがどんなにクラウド上のデータが賢くなろうがVUIのインターフェイスがPC黎明期のCUIレベルであったら物好きのおもちゃで終わってしまうに違いない。どれが一番優れているかと比較されているAlexaやGoogleアシスタントは発話からコマンドワードを見つけ出し連続して発せられた名詞に関するアクションを起こしているに過ぎない。つまりCUIレベルだと言うことだ。違いがあるのはサーバーに蓄えられた情報量の差なのだがそれはキーボードによる検索と同じものを選び出しているだけに過ぎない。

CUIがGUIに変わったようにVUIも何気ないユーザーの会話の文脈から何をしようとしているかを正しく判断し、特定の命令語なしでそのために必要な処理を独自に行えるようにならなければいけない。例えばAさんが「ただいま」と言った場合に玄関のスマートロックを解除するだけではなく外部センサーから得られる情報を元に部屋の明かりを最適な明るさで灯し、室温を自動設定し、お気に入りのテレビ番組を時間に応じて選ぶくらいのことをやってくれなければいけない。つまりネットワークされたスマート機器のタイムフロートとユーザーのワードとの関連を学習してくれるのだ。現状はそれは一つのワードに複数の処理を登録する形で行われているが、いずれはワードに伴って特定の時間内に行われた行動情報をベースに「お風呂を沸かしますか?」とユーザーに問いかけるレベルにならなければいけない。VUIを成り立たせるにはAIをベースとした対話システムが必須だがGUI型プログラミングとの違いを並べてみたい。

GUIプログラミング
・配置:誤操作を防ぐためのメニューやボタンの配置
・配色:視認性を高めるための配色

VUIプログラミングに必要な基盤システム
・音声認識
・自然言語処理
・コンテキストから何をしたいかを類推する解析エンジン
・様々な単語から何を考えているかを類推するためのシソーラス

VUIプログラミング
・シナリオ:時間の流れをコントロールするためのシナリオ
・時間管理:操作の流れを止めない時間配分
・ログ:対話のフローを時間の流れで管理
・相槌:対話を促すためには応答だけではなく相槌も必要
・間:ユーザーの会話の流れを止めないために話に割り込まない

結論:まだ、本物のVUIは登場していない。

木曜日, 2月 22, 2018

何でWindowsやAndroidはOSの分断化が酷いのか

Apple製品のユーザーからしたら信じられない事だがAndroidの最新のOreo(8.0、8.1)はリリース後半年も経過しているのにそのシェアは僅か1.1%。もちろんGoogle製のPixelの2など僅かな端末しかアップデートが出来ず自ら道を閉ざしていると言えるのだが、それ以上に大きいのは新しいバージョンが出ても大手を除いたメーカーの多くは自社製品対応のアップデートを配布する気など更々ないと言う事だ。現在シェアが一番多いバージョンはようやくNougatになったようだが、2015年10月にリリースのMarshmallow(6.0-6.0.1)が僅差で続き、その前のLollipop(5.0系と5.1系)と合わせると実に全体の過半数が3年近く前のOSが入っている端末ばかりなのだ。

AppleであればOSとハードは同時に開発が行われているからリリース時に搭載されるOSは最新版のため新製品の売れ行き次第であっという間に新しいOSの比重が上がる。また基本的にAppleは新製品の発売開始直前に新しいバージョンを公開しそのバージョンに対応するハードウェアはバージョンアップを促される。アップデート対象も5年前の端末までと長いために必然的に短期間で最新のOSにアップデートされる訳だ。そしてMacも全く同様なのでこちらもiPhoneほどではないにしても最新盤が使われる比率が高くなるのだ。グダグダと書いても焦点がボケてしまうので以下は箇条書きにする。

Android分断化の原因
・ライセンスとハード開発のタイムラグが原因で最新機種に最新のOSが入るとは限らない
・多くの弱小メーカーは一文にもならないバージョンアップ対応など考えていない
・製造メーカーの都合に関係なくOSのアップデートが行われる
・どのバージョンのOSをインストールするかをメーカー任せにしている
・メーカー独自のハードウェアが原因でバージョンアップ対応に時間が掛かる
Windows分断化の原因
・ライセンスとハード開発のタイムラグが原因で最新機種に最新のOSが入るとは限らない
・どのバージョンのOSをインストールするかをメーカー任せにしている
・どのバージョンのOSをインストールするかをメーカー任せにしている
・メーカー独自のハードウェアが原因でバージョンアップ対応に時間が掛かる
・周辺装置などの関係で最新バージョンではまずい場合が多い
・OSのプリインストールが当たり前なのでユーザーにOSが有償という意識がないので有償アップデートをしない

以上の複数の理由が絡み合ってAndroidやWindowsでのOSの分断化が進むためいつまで経っても分断化が解消されることはない。Androidに関してはバージョンのシェアから考えて最新OSリリースから1年プラスした時からの買換え周期がそのままバージョンの比率となっているのである。

結論:一度全てをご破算にしない限り両OSの分断化はなくならないのだ。

火曜日, 2月 13, 2018

僕たちの失敗

別に森田童子の話をしようというわけではない。今回はスマートスピーカーがバズワードになったせいか何かと比較されることの多くなったApple、Google、Amazonの話をしてみたい。Microsoftを外すなと怒る人もいるので少しは触れるがPC以外の話題でMicrosoftがAppleと比較される事がなくなったのは動かしがたい事実なのだ。

三社の中ではAppleが一番歴史があるのでApple IIIやLisaまで遡ってしまうとキリがないのでsteve復帰後(昔のAppleは一度死んでるw)に範囲を絞ってみたいと思う。

僕たちの失敗
<Apple>
Power Mac G4 Cube:エグゼクティブ用のオシャレなデスクトップをと考えて発表したがオシャレなデスクトップを心待ちにしているエグゼクティブと言う種族が存在しなかった為に自滅する。享年1歳(2000年8月 - 2001年7月)
iPod Hi-Fi:HomePodの発表で過去にもあったじゃないかと再びほの当たる場所に引きずり出されたApple製のオーディオスピーカー。AppleをDisるのが生きがいの人はだからHomePodも失敗すると言いたいのだろうがAppleは同じ過ちを二度も繰り返さないだろう。享年1歳半(2006年2月28日)
3モデル(第3世代):Apple Watchの3rdモデルはシリーズ最高の販売数量になっているので3rdモデル全てが振るわないと言うわけではないがiPod 3rdモデルはたった1世代だけホイールボタン以外のボタンを装備していて結構故障が多かった。iPad 3やiPad mini 3は他のモデルが1年で世代交代になっているのに半年ほどで販売が終了となりあまりに縁起が悪いせいか「3」ではなく「3rd generation」を使うようになる。

<Google>
Google TV:2006年秋に発表されたApple TVに対抗して出したのかは知らないが2010年10月に発売開始されたGoogleのセットトップボックス。Googleがインテル、ソニー、ロジクールと共同展開したスマートテレビのプラットフォームなのだが、一言で言ってしまえばAndroidベースのインターネットテレビに過ぎず、1年ちょっとでGoogleは投げ出してしまう。ハードウェアを製造時販売していたメーカーはまさに目が点状態に。2015年に開発者サポートも終了。享年1歳半(2010年10月 - 2012年3月)
Nexus Q:Google設計の球体の形をしたメディアストリーミングエンタテインメントデバイス。2012年6月に大々的に発表しながらあまり酷い出来で約束の7月に発売できずに無期延期。なかったことに。死産。
Nexus Player:GoogleとASUSにより共同開発されたデジタルメディアプレイヤー。Android TVプレットフォームを採用する最初のデバイスだったがセールス的には失敗。最大のミスはNexus Player以前に販売を開始したChromecastと同じようなものと勘違いされたこと。ChromecastはGoogle Castを使ってAndroidスマホやCheromebookの画面をキャストするだけの製品に過ぎないのにKindle Fireスティックとサイズが同じようなものだったのでChromecastで十分と思わせてしまったことも大きい。享年1歳半(2014年11月3日 - 2016年5月24日)
Android Wear:ASUS、Samsung、LG、ZTE、HTC、SONYなど多くのメーカーからApple Watch対抗のスマートウォッチがリリースされているが全てを合わせてもApple Watchの足元にも及ばない。最大の失敗はスマートウォッチに最適されたOSではないAndroid OSでライセンスメーカーが出来損ないの製品を販売してケチをつけてしまったことなのだが、Android Wearを準備出来ていない段階でそれを許してしまったGoogleにも責任はある。2016年5月に発表されたAndroid Wear 2.0以降にメジャーアップデートは止まっているに近い状態なので今後どうなるのか。
Nexusシリーズ:Nexus QやNexus PlayerだけではなくタブレットやスマホもASUSやSamsung、HTCなどと共同で開発製造。NexusシリーズはAndroid端末のフラッグシップモデルと見なされていたがGoogleは自社設計のPixelシリーズに移行。iPhoneがデファクトとなっている日本ではGoogleのご威光ではセールスに結びつかなかった。
Google Glass:誰もが知っているGoogle最大の失敗作。開発者向けとしてリリースした段階では話題にもなりそれなりに多くの開発者が購入しメディアも実態は置いておいて持て囃したが一般向けに販売開始された途端に集中的なバッシングの対象となり敢え無く一般向け販売の撤退しB2B向けを検討と発表。2年半の時を経て法人向けに特化した形でシステム開発社経由での提供となる。一般ユーザーにとっては既になかったものに。享年2歳(2013年2月 - 2015年1月)

<Amazon>
Fire Phone:Amazon唯一の失敗作。と言うかAmazonはスマートスピーカーのAmazon Echoを出すまでは電子書籍リーダーのKindle、汎用タブレットのKindle Fire、Fire TVしか出していなかった。そしてそれぞれのデバイスはAmazonのコンテンツサービス用のデバイスのためハードで儲ける必要がない(低価格でAmazonで提供)と言うアドバンテージを持っているので失敗しようがないと言える。

<Microsoft>
WebTV:スマートテレビではなくインターネットテレビの走り。アナログ回線のモデムを内臓してネットワークに接続。PCがなくてもインターネットにアクセスできる手軽な端末だったがブローバンド対応でなかったためジリ貧に。アメリカでは2013年までサービスがあったが日本では僅か数年でサービスそのものが終了。AppleにもPippin @と言う大失敗作があるがSteve復帰前なので除外と言うかSteveが復帰したので切り捨てられた。
Xbox:今でも続いているので失敗じゃないと言われそうだが海外ではそれなりに強いXboxも日本では大したことがないのは初代XboxでCDロムなどに傷が入ると言う欠陥があったため日本における信用はガタ落ちになった。
Zune:Microsoftが開発し販売した携帯音楽プレーヤー。2006年11月14日に米国で販売開始されたが、2011年10月に開発中止と生産終了が発表。PCで95%のシェアを持っていてもコンシューマー製品では屁のツッパリにもならないことを証明した記念すべき製品。日本で販売されることはなかった。(2006年11月 - 2011年10月)
KIN:Microsoftとシャープが共同開発した出来損ないのスマートホン。Windows Phoneとは別の小さなプロジェクトチームが暴走して出してしまったウンコみたいなもの。発売から2ヶ月で開発終了(2010年5月 - 7月)
Windows Phone:KINを葬り去ったは良かったが結局第三のOSになることは出来なかった。AppleもiPhone OSをiOSと名前を変えたがWindows PhoneのOSは、Windows Phone OSからWindows 10 mobileへ方向転換しOSの方向性そのものが変更された上に開発終了となる。最後発だったために最後までシェア1%を取れるかどうかのレベルだった。
Surface RT:Windows RTで動作するタブレット端末。Modern UI版アプリのみしか動かなかったためMicrosoft自らで潰してしまったデバイス。Microsoftがどこまで本気なのかが分からずRT用のアプリを開発するベンダーが出てこなかった。

結論:モノではなくコトが重要と言われクラウドの弱いAppleを揶揄する人は多いがクラウドだけではエコシステムを作ることは不可能。ライセンスでフロントエンドとなるハードをメーカー任せにしてきたMicrosoftやGoogleが何度も失敗しようがハードウェアに手を出してくるのはそこをAppleに押さえられてしまうと自社のサービスを使ってもらえない可能性に気付いていたからなのである。

火曜日, 2月 06, 2018

Apple Musicの会員数3,600万人が意味するもの

他と比べ随分と後発だったApple Musicは負け組になると言うのが大方の予想だったはずだが、アメリカ国内に限定すれば今年の夏にはApple Musicがユーザー数でSpotifyを超えるだろうとの観測が出て来た。全世界で有料会員が7,000万と言われるSpotifyだが現在の成長率は月に2%の伸び。対するApple Musicは月に5%の割合で伸びているためだろうと予測されているのだ。昨年9月に3,000万と発表されたユーザー数が僅か4ヶ月で600万人も現状増えているのだ。

Appleはどんなマジックを使ったのだと怪訝に思う人はアンチAppleの人。Appleの最大の強みは有料アプリや音楽ダウンロードに紐づけられたアクティブなユーザーを既に1億3,000万も持っていることだ。Apple Musicは盤石なエコシステムに加えられたサービスの一つなので単独で黒字化を焦る必要がない上に、Apple Musicのために新たなユーザー登録を促す必要さえないのだ。その上、先日の四半期決算発表で公にされたアクティブなApple製品はインストールベースで13億台。Apple製品を複数所有しているユーザーも多いため実際のユーザー数はその半分ほどかもしれないが、それらのユーザーも潜在的なユーザーとしてカウントが可能なのである。

そして、恐らく今年のWWDCまでにはApple Musicでのオリジナルドラマコンテンツの配信も発表されるだろう。あわせてiTunesの終了に関するアナウンスもあるかも知れないが動画と音楽のワンストップでのサブスクリプションストリーミングサービスはSpotifyには出来ないサービス。これは、他の音楽や動画のサブスクリプションサービスも同様だが、AppleならばApple Music環境だけで可能となる。Musicの文字が消えるのかそれとも新たな名前になるのかは分からないが例えばApple Streamingのような名前でサブスクリプションのストリーミングサービスを発表するのではないだろうか。

結論:PCであれだけのシェアを持ちながら個人ユーザーをベースとしたエコシステムを作れなかったMicrosoftと同様にハードウェアを持たなかったためにAppleほどのシンパシーを持ったユーサーを育てられなかったGoogle。どちらも自社のハードウェアの重要性に気付いたために自社設計のハードを出し始めているが現状を見ている限りApple脅かすような存在になるとは到底思えないのである。

金曜日, 2月 02, 2018

アクティブな端末はインストールベースで13億台

昨日のアップルの四半期決算の報告でアクティブな端末はインストールベースで13億台との発表があった。Apple信者と呼ばれる人は複数台のApple製品を使っているので13億人のユーザーがいるわけではないがMacからAirPodsまでを含めるとアクティブなApple製品が世の中に13億台も存在する。わずかな期間で最新のOSが大半となるのはハードとソフトの両方を作っているAppleでは当たり前のことだが他のメーカーには真似のできない現実だ。

昨年はCESがAlexa一色からスタートし話題の中心はスマートスピーカーだった。Amazonに対抗してGoogleはGoogle Assistantを搭載した自社スピーカーをホリーデーシーズン前に出してきたことでそれはさらに加速した。AlexaもGoogle Assistantもライセンスされているため多くのメーカーから様々な製品がリリースされたためAppleはすっかり出遅れたとDisる始末だ。しかしそんな中Appleは誰もが騒ぐこともないスマートウォッチの世界でApple Watchの販売数を大きく伸ばしその数は全スマートスピーカーの販売数量を凌駕している。AirPodsも同様にスマートワイヤレスイヤホンの覇者になっているがその数もスマートスピーカーを超えている。

HomePodが当初の発表よりも発売開始が遅れ、HomePod上のSiriで出来ることもはAmazon EchoやGoogle Homeよりも少ない上に価格も圧倒的に高いと言われているがSiriはHomePod専用の音声認識アシスタントではない。現状AlexaやGoogle Assistantが動くデバイスはSiriが動くApple製品と比べたら桁違いに少ないのが現実。HomePodの役割はiPhoneなどのiOSデバイスが既にあることが前提のスピーカーなのでそこで重視されるのはGoogle Assistantよりも賢いことでもAmazon Echoのように買い物が簡単に行えることでもなく音で出来ることだけをどのスマートスピーカーよりもスマートにこなすことなのだ。だからこそ他社製品とは違いオーディオ製品としての能力の高さを一番の売りにしている。

結論:フルカバレッジの製品群を持っていないAmazonやGoogleはスマートスピーカーで負けるわけには行かないので数を売る戦略を取らざるを得ないが、PCからアクセサリー類まで含めてフルカバレッジの製品群を持っているAppleはそれぞれのデバイスに最適な方法でSiriを利用しそのデバイスにとって最善の機能で勝負すると言う戦略で勝負をしているのである。

木曜日, 2月 01, 2018

モノよりコト

AppleをDisりたい人たちが常套句にするのが「時代はモノではなくコトが重要」の一言。そんな事はこちらは百も承知なのだがAppleはモノの会社であってコトの会社ではないと宣われると、こいつ大丈夫かと余計な心配をして上げなければいけないことになる。Appleはモノで大きく儲けているがそれを成り立たせているのはApp Storeなどの自社のデバイス全てを包含するエコシステムの存在。単にハードウェアを高く売ってぼったくっているわけではない。iPhoneを販売する以前に音楽ダウロード市場でAppleが圧倒的な存在となった時にエコシステムを作れなかったSONYやMicrosoft、当時はまだPC業界のトップだったDellはもうこれでAppleに負けたと散々書いた。

Appleはコトがないと言っている人たちの多くはコトをクラウドの事だと思っている。Microsoftも今はクラウドに力をいれているが、バルマーの時代はソフトウェアがコトだと勘違いしていた。そして多くのPCメーカーはモノだけで自らサービスを作り上げる事ができなかったが、それはユーザーが他のメーカーに流れることのないコトを作る能力がなかったからなのだ。

MicrosoftにはOSやOfficeソフトは作れたがAppleに勝てるハードとサービスを作る才能がなかった。ライセンスによって自社のソフトウェアに縛り付けることまでは出来たが2回に1度の割合で使い物にならないOSをリリースしたためにその絶大的だったはずの求心力(人質ビジネス)は相当落ちていた。彼らが勘違いしていたのはWindowsやOfficeのシェアが巨大だったのは好きだからではなく仕方がないからという事実。複数台のPCを家に置くなど余程の物好きでなければしないので趣味の世界のMacが入り込む余地はほとんどなかっただけの話なのだ。だから全く違うジャンルの製品ならばMicrosoft製である必要はなくまんまとiPodがWindowsしかない家庭に入り込むことができたのだ。そして、iTunes Storeの登場。結局iPodと互換性のないフォーマットの音楽ファイルを販売するミュージックストアではコトを作ることが出来ずそれに対応した専用プレイヤーも当然売れることはなかった。

そしてiPhoneの登場である。iPhoneによってITの主戦場がわずか数年で変わってしまった。なまじポケットに入るサイズの出来損ないPC携帯を作った経験があったMicrosoftは他の携帯メーカー同様にiPhoneなど全く売れるわけがないと思い込み本物のスマホを作るのに出遅れた。その上人質ビジネスに慣れきってしまったためにスマホでもOfficeが動けば良いと言う過信からAndroidにも遅れをとる結果になってしまった。Microsoft同様にOSをライセンスしたAndroidは陣営はApple以外のメーカーの取り込みに成功し台数レベルではiPhoneなど足元にも及ばないシェアを作り上げることに成功したがOSもサービスも人任せだったのでAndroidの中でオンリーワンになるメーカーは出てこなかった。Samsungがシェアで一番かもしれないがSamsungの端末以外は考えられないと言うサービスは未だに持っていない。ナンバーワンは常に入れ替わるものなのだ。

具体的にコトの話をしていないと言われそうだがAppleの築き上げた生態系そのものがAppleのコト。一般の家電製品も自動車も作ることはないだろうがPCからイヤホンまでのフルラインナップ(スマートグラスはまだないが)を揃えているのはAppleだけで、よく比較されるAmazon、Google、Microsoftのどこにもない。最近はスマートスピーカーが話題なのでAmazon Echoがどれだけ売れたと騒がれているせいかまるで世の中全てがAlexaやGoogle Assistant、Cortanaで動いていると勘違いされているがインストールベースで考えればMacからイヤホンまで標準搭載されているSiriを超える音声アシスタントはない。

SiriなんてAlexaやGoogle Assistantと比べたら問題外だと鼻で笑う人もいるだろうが、あれだけGoogleが力を入れていたTango ProjectがiOSにAirKitが入っただけで打ち切りになったのと同じように一夜にして勢力図が変わる潜在能力を秘めているのだ。それはApple製品は全て同じエコシステムの中にありインストールベースが他者と比べて桁違いに大きいと言うアドバンテージを持つからなのだ。GoogleやMicrosoftはOSのライセンスという戦略によって短期間に勢力を伸ばすことはできたがハードウェアとOSのバージョンのコントロールが出来ない生態系を自ら作り出してしまった。GoogleがPixelを作り、MicrosoftがSurfaceを作るのは核となるハードを持った生態系がないといずれダメになると気付いたからだ。Androidからルービンが去りMicrosoftからバルマーが去ってようやく21世紀のボジネスはどうあるべきかが分かったのだ。

結論:コトとはどんなに広い範囲をカバーしていようとも単一のサービスで成り立つものではない。Officeを超えるアプリが出てくればいずれ乗り換えられるようにGoogleを超えるサービスが登場すればユーザーは間違いなくそちらに乗り換える。コトとはまさにそこから逃れられない生態系を作り上げることなのである。

戦争なんてできない

世の中には口当たりの良い空理空論で正義づらをする阿呆が今だにいるが、そういった連中は北朝鮮のICBMや核開発の開発を日本が右傾化したからだなどと訳の分からない御託をすぐに並べる。勿論、戦争など世の中から消えて無くなるべきだがそう考えない国がある限り何の備えもしないと言うのではあまりにも幼稚すぎる。本当に実行に移すかどうかは分からないがICBMの弾頭に核が搭載される前に潰そうと言うアメリカの考えは至って常識的。そもそも話し合いでそうですかと引き下がるようならICBMも核兵器も開発などするはずもないのだ。

そしてそんな連中に限って日本は戦争をしようとしているとすぐに騒ぐ。確かに日本の自衛隊は練度が高いので他国からの攻撃に対する迎撃能力はアメリカよりも優れている部分もあるが本当の戦争はそんなものでは行えない。本当に戦争をするには弾薬の備蓄が必要だがいまの日本には戦争を始めるほどの武器弾薬のストックはない。戦争をしろと言われても出来ないのが現実。専守防衛が原則のため敵国攻撃を目的とした爆撃機も攻撃機も持たないし兵員を輸送する大型の輸送船もないし、それを手に入れるための予算も時間もない。

結論:戦争をしようとしていると騒ぐ連中に今の自衛隊の装備でどのような戦争が可能と考えているのか一度説明をしてもらいたいものだ。もしも今の装備で戦争ができるという戦略をお持ちならもしもの時には是非お知恵をお借りしたいものである。

水曜日, 1月 31, 2018

iPhone発売から11年

2007年1月に発表された段階でいずれiPhoneがスマートフォンのスタンダードになると書いたのは「お前がマカーだからだ」と言われればその通りなので反論する気もないが、結果的に予想通りの展開になったのでどうでも良い話である。発表当時、iPhoneは電話にiPodをつけたものではなく(その失敗例はMotrolaが作ってみせた)持ち歩けるMacだと誰も読むことのない個人のブログに書いたわけだが…

iOSは一歩一歩前進し10年前と比べても仕方のないレベルに達しているがハードウェア上の大きな進化が見られなくなってきたことを捉えてAppleはイノベーションを失ってしまったというのが決まり文句になっている今日この頃。久々の進化と言われる10年目のiPhone Xでは3Dカメラが標準装備され他社とはセキュリティーレベルの違う顔認証システムを実現した。ワイヤレス充電もiPhone Xで初めて搭載したがQiに準拠しているため他社はもう何年も前から出していると言われる始末だが、Apple純正のワイヤレス充電デバイスAirPowerが発売開始されてその真価が明らかになるだろう。

iPhoneによって切り開かれたApp Storeは年間115億ドルの売上をあげるまでに育ったがApp Storeとタブレット用のiOSを用できたことでAndroidタブレットに飲み込まれることがなかった。そして今年のWWDCでメインテーマとなるiOSとmacOSどちらでも動作するユニバーサルアプリによってMacで動作するアプリも充実し、ユーザーは必要と好みに応じてデバイスを使い分けることが可能になるのだ。

結論:iPhoneによって開拓された世界はSiriと言う共通基盤の元に更なるエコシステムとなって行くのである。

金曜日, 1月 26, 2018

音声アシスタントに思うところ(3)

またかよと思われそうだしまたなのだが音声アシスタントに関するお話を。相当しつこい性格と思われるかも知れないが中々簡単に語り尽くせるものではないのだ。と言うわけでこれから各社の音声アシスタントは本当のAIになるかには関わらずどんどん進化していくので現状が全てではないのだが、どこも音声アシスタントであって対話型のエージェントになっていないのは事実だ。シナリオの量も増えてきたのでAlexaに比べればGoogle Assistant の方が雑談に強くなってきている。それでもその部分はツンデレなSiri程ではない。話し相手としてはSiriの方が未だに数段上だと感じるのは私がマカーだからかも知れないがYouTubeなどを見ていても音声アシスタントとの会話が面白ネタになっているのはSiriのような気がする。

Android信者からすれば答えられる回答量の圧倒的に少ないSiriはAppleがショボい知識DBしか持っていないからだ、だからガラパゴスはダメなんだと鬼の首でもとったように宣う事が多いが、自分の物知りをひけらかしたいようにしか思えないような音声アシスタントをうざったいと思うのもまた人なのである。現状のそれぞれの適材適所を考えれば分からないことを聞くならGoogle Assistant、モノが欲しいならAlexa、無駄話がしたいならSiriと話す相手を使い分ける事が重要と一般ユーザーもすぐに気付くだろう。そして本当に残るのは自分に一番しっくり来るキャラクターを持ったものになるのだ。

日本ではいつになるか分からないが発売が開始されたHomePodは出来ることで比較すると恐らくAmazon EchoやGoogle Homeには勝てないだろう。でもそれは大きな問題ではない。それはAmazonやGoogleのスマートスピーカーと違って補完する製品が既に揃っているからだ。GoogleやAmazonもスマートテレビがあると言いたいかも知れないし実際にあるが、Apple Watchのような既にスタンダードと言えるスマートウォッチは持っていない。音楽を聴くならスピーカーの方が良いがタイマーのアラームなら身につけた時計で事足りる。スクリーンが必要ならiPadやApple TVに任せれば良いし、そんなもの持っていないと言うならiPhoneに任せれば良い。そしてその機器同士の連携はiCloudをベースにシームレスに組み上げる事が出来るので個別の機器毎に面倒な設定をする必要などない。

タッチインターフェイスは全て出尽くしたに近い状態なので音声がターゲットになったのは間違いないしそれ自体は間違ったことではないがその実現の方法はまだ試行錯誤の状態と考られる段階。音声は映像以上に時間軸との切り離しが難しいインターフェイスだと言うことを分かっていないとレシピを尋ねたら一気にレシピを読み上げてしまうようなバカな応答をしてしまう事になりかねない(Google Assistantはそうだ)。そのレシピが例え正しい手順であったとしてもそれでは音声アシスタントとしては失格。そんなものならAlexaのようにAmazonに冷凍食品を注文してくれる方が良い対応かも知れない。

結論:複数のデファクトと言えるデバイスを持つAppleは音声アシスタントもそれぞれのデバイスに最適化されたアシスタント機能を搭載することを目指しているのは間違いない。日本で販売開始が未定なのはまだSiriが出来上がっていないからとのDisりもあるがiTunesやApple Musicが本家よりも遅かったようにHomePod専用のサービスも関係しているのかも知れない。

水曜日, 1月 24, 2018

音声アシスタントに思うところ(2)

さて前回の続きである。現状のGoogle Homeの特徴は質問を“文字通り”とらえ聞かれたことしか答えない点である。そして何でも検索しようとしてGoogle検索の一番上に位置する情報を返答する。それよりも新しい情報があってもだ。その返答は四角四面でやっぱりGoogleだなと納得するほど人間身がない。

対するAmazon Echoは“なにかにつけて物を買わせようとする”。「ビッグマックはいくらだ」と聞けば並行輸入品のビッグマックを売りつけようとさえするらしい。該当するAmazonになければ当然その情報に関連する本を勧めてくるし、質問に対応するSkillがあればインストールを勧められる。幸いGoogle Homeの方はそんなに対応する機器がないので滅多にそんな事はないのである。

これらが、今話題のスマートスピーカーの実際の能力である。LineのCrovaもあると言われそうだが両者と比べるとまだまだDBのデータが少ないようで知らないことの方が多いらしい。そしてようやく販売開始が発表されたAppleのHomePod。Amazon EchoやGoogle Homeの音声アシスタントと張り合うために出したわけでない製品なのだが括られるカテゴリーなのでどうしても同じ土俵での比較となってしまう。GoogleもAmazonもHomePodを意識した価格帯のハイエンド版(音にこだわった)を出してきているので余計にややこしいのだが、他の製品と比べると圧倒的に高いためやれ信者向けの高ビーなもの、理解できる語彙もサーボスもショボイと出る前からDisられる始末。音に関しても実際に鳴っているところを聴いた人はいないのでAppleが音の良さをアピールするのはガラパゴスでディープラーニングの弱いAppleのSiriの能力不足を誤魔化すためと考えている人もいるに違いないが今回はその辺はスルースする。

音声アシスタントの機能として多くの質問に応えられる(アンサーと対応)事は重要である。この部分に関してGoogle AssistantとAlexaはそれぞれ得意なジャンルは明らかに違うが、それぞれの得意分野では他者を凌駕しているのは事実だ。そしてSiriはそのどちらに関しても現状太刀打ちができるとは到底言えないレベルだ。しかしだからSiriはアホだと考えるのはあまりにも浅はかである。Google AssistantやAlexaは法則性を持った正しい形で質問を投げかけると正しい答え、製品を選び出してくれるが普通に会話の相手をできるわけではない。最近はシナリオ作りにちゃんと力を入れているようでダジャレを要求すればダジャレを返してくれるが、それは応えられる命令の中にダジャレも含まれているからだが、こちらがダジャレを言ったときには発した言葉の中に辞書にある単語が入っていない限り両者とも「分かりません」と返してくるだけで、ダジャレに対してツッコミを入れてくるのはSiriだけだ。それがどうしたと言われそうだが、Google AssistantやAlexaがやっている事は文脈の中から名詞と命令語の単語を探し出して質問あるいは命令と判断しているだけでコンテキストそのものを理解するエンジンを持っているわけではなさそうだという事だ。実際にはもっと高度な処理を行っているのかもしれないが対話から判断する限りそれはまだ相当低レベルなのは間違いない。対するSiriの一番強い部分はコンテキストの認識能力だ。命令ではなく無駄話をしているだけだと判断し、それに対してツッコミを入れる事ができるためユーザーは命令や質問をしているのではなく会話をしていると誤認するレベルに達している。その部分が音声アシスタントの最大の評価項目だとすれば現状Siriは他のものよりも優れていると言えるのだ。

音声アシスタントにとって知識データベースの大きさと対話エンジンの優秀さのどちらが重要かは一概に言えないが少なくともGoogleやAmazonは知識データベースに軸足があり、Appleは対話エンジンに軸足を置いている。両方が完璧なものは未だ出ていない段階でどちらかの基準だけでみて劣っていると考えるのは早計なのである。

結論:機械学習ではなく自然言語による対話型エキスパートシステム作りに苦労してきた事のある私にとって、Google AssistantよりはSiriの方が凄いと感じるのはコンテキストの理解力が別格だからなのである。

金曜日, 1月 19, 2018

音声アシスタントに思うところ(1)

やれAppleはガラパゴスなのでGoogleやAmazon、Microsoftと比べてディープラーニングのレベルが低いのでSiriはあのザマだなどと宣う人がいる。確かにAppleがGoogleやAmazon、Microsoftになろうと足掻いているのならばおっしゃる通りなのだがAppleはそんなことはみじんも考えていない会社。膨大なデータを使って賢い情報が得られるならそれは利用すれば良いだけで張り合うことはない。それよりはクラウド上に個人情報を送ることなくエッジ側でどれだけその人の望みに答えられるようにするかをターゲットにしているのは間違いない。そんなものGoogle Assistant経由でクラウドに送れば良いじゃないと言う人が普通なんだろうが、私は「1984」型の考え方をするGoogleは嫌いなので何から何までGoogleに情報を送らなければいけないようなものはお断りなのだ。

話を表題の方に戻そう。今年のCESはさながらAlexaとGoogle Assistantの一騎打ちの様相だった。去年のCESはどこを見てもAlexaがらみの話題だったので元々CESに積極的ではなかったGoogleが遅れを取るまいと力を入れてきたせいなのだが、現在製品ジャンルのバッテイングするスマートスピーカーでしのぎを削っている両者なので力の入りようも違っていたのだ。シェアで遅れを取るGoogleは積極的に自社製品を会場で配っていたようなので危機感はより強いのかも知れない。どちらも音声アシスタントの言葉で括られてしまうため全く同じ目的と捉われがちだが、それぞれ得意の分野は違う。スマートフォンでは完全に敗れてしまったAmazonにとってスマートスピーカーの目的は家の中の音声アシスタントの主導権を奪う事が狙いなのだ。

AlexaはGoogleに購買につながる情報を渡さないためのツール。一言に言えば物売りのためのスピーカーなのだ。実際に特定のデバイスの情報を得ようとAmzon EchoとGoogle Homeに質問すると、Alexaはデバイスに関する情報提供ではなくAmazonに在庫があるよと返してくると言った塩梅だ。同じものをGoogle Homeに質問すれば購入したいと考えていてもWikipediaやそのデバイスの製品情報を読み上げるかも知れない。つまりGoogle Homeは物知りを売りにしているわけだ。

全くの一般ユーザーはそんな違いなんて分からないので物知り、物売りのどちらで使うのがメインかによって買ってから後悔する事になるのだろう。いずれAlexaとGoogle Assistantは同じような機能を持つのだろうが、ここに両者と全く性質の違う音声アシスタントのSiriが加わるとますます話が分からなくなってくる。メジャーな会社がリリースした音声アシスタントの先駆けがSiriなのだがここのところHomePod以外に派手な話は聞かない。当然まだ発売されていないHomePodはCESの会場にある訳もなく。Appleの嫌いな人たちからしたら見る影もない(物がないので影ができるはずはないのだが)Appleはもう終わったと考えているようなのだがそこで冒頭の話に繋がる。

音声アシスタントで覇権を競い合っているAmazonやGoogle、Microsoftが目指しているのはユーザーの個人情報の掌握しクラウドでディープラーニングに利用する事。もちろんそう言った形で機械学習されたエンジンがなければAIが賢くならないことは事実なのだがAppleはそんなところを抑えようなどという気は全くない。だから、AppleはSafariに自社製の検索エンジンを載せようなどと一度もしたことがない。実際SiriはGoogle検索の情報を使っている。そしてそれぞれのAssistantに質問すると明らかにSiriの情報量が少ない事に気付くはずだ。それを捉えてAppleはガラパゴスだからこんなザマだと批判する訳だ。あえて言えばSiriの最大の強みは馬鹿な質問に強いことだ。質問とは言えないような会話に対する返答はユーモアに溢れている。賢さよりも擬人化に重点を置いている訳だが、そこから見えてくるSiriはただの物知りや物売りではなく対話の相手を目指していると言うことである。現在のバージョンでは質問を時系列に累積する形になっていないため何かをお願いするには物足りないだろうがいずれはローカルに質問情報を溜めてその人に最適な情報を探しに行くように育つのだろう。

音声アシスタントはSkillなどの形で外部機器のコントロールを行える事を売りにしている。対応機器があれば明かりを付けたりエアコンを入れたりテレビのチャンネルを変えたりできる。数が少ないとは言え対応機器があればAppleのHomeKitでも同じように可能だが「おやすみ」と言えば照明やエアコンを睡眠時の状態に自動で再設定してくれるわけだ。そのためのツールとしてAmazonやGoogleはスマートスピーカーを用意している。対するAppleのHomePodは恐らく他の二つほど賢くはないだろう。スクリーンを持たないスピーカーに任せられない事は単独では行わずiPhoneやApple TV、Macに任せる形にしてくるだろう。何事も適材適所。長くなってしまったので続きはまた次回。