火曜日, 1月 31, 2017

まだ3Dテレビなんて作っていたんだ

最後まで粘っていたSONYとLGが3Dテレビの生産を終了したとの記事が最近出ていたが、正直まだ作っていたのかが個人的な感想。地デジ切り替え後の買い替え需要をどうにかして生み出そうと言うメーカーの思惑から生み出された3Dテレビは3D映画以外にコンテンツが存在しないと言う状況でスタート。アバターが大成功したので行けると判断したのかもしれないが、それ以上に他が出しているのに出さないわけにはいかないと言う日本ならではの間違った認識が生み出したプロダクトだった。

挙げ句の果てに2010年になると誰も3Dを購入の決め手だなどと考えていなかったため息切れ状態となってしまいあっという間に投げ売りを開始。利益を出すどころか製造ラインを作ってしまった費用を回収することもままならず3Dテレビどころかテレビ事業そのものをやめるキッカケを自ら作り出して仕舞ったのだから。

かつてはドル箱だったテレビがメーカーのお荷物になったのと同じようにPC事業も携帯事業も花形から諸悪の根源となってしまい国内ではiPhoneを援護射撃する結果となってしまったのは皮肉な話だが、全てのターニングポイントは2011年なのではないだろうか。東北の大震災があったことが国内で最大の影響を与えたことは間違いないが、同様に前年に発売開始されたiPadがアップデートされiPad 2となってアメリカ国内で発売開始されたのが期せずして3月11日。

初代とは違いカメラが搭載されより多くのユーザーに使われるようになったiPad 2の登場で各社が頼みのツナとしていたネットブックは息の根を止められ、慌てて手を出したAndroidタブレットが使いものになる前にAppleはどんどんと先に進んでしまい結局タブレットができる前にPC事業そのものを売り払わなければいけないくなってしまっt。

結論:後出しで勝てる実力を持った家電メーカーどころか家電メーカーそのものが日本から消えて無くなるかもしれないのである。

木曜日, 1月 12, 2017

iPhoneの発表から10年

steveの製品発表の中でも最高と言われるiPhoneの発表から10年がたった。発表当時あんなもの1年もしないで消えると訳知り顔の連中(過去に囚われているだけの可哀想な人のこと)に言われていたのに結果的にAppleによって電話は再発明された。AppleがいなくてもGoogleによってスマートフォンは今の形になっていたと言い張る人はさすがにいないと言いたいところだが結構いたりするので補足しなければいけないがiPhone発表時にGoogleで開発していたAndroid端末はBlackBerryやWindows CEで動く携帯電話のようにキーボードが付いていた。AppleがiPhoneを出さなければどう考えてもタッチパネルを指で操作するような端末がすぐに出てくるような状況ではなかったのだ。

世界中を見渡せばAndroidの方が大きなシェアを握っていると(事実だ)したり顔で宣う人たちはいるが、それは世界中がハイエンド機で溢れているわけではないと言う一番重要な点をわざと無視している。恐らくAndroidの個数のシェアを上げている大半は200ドルにも満たないようなもの。Appleが出していない価格帯ではなく同じ価格帯だけで比較すればAppleのシェアは十数パーセントなどと言うことはないだろう。

AndroidにはiPhoneと違い多くの選択肢があると言う指摘はその通りだがそれが本当に良いことかどうかはAndroidを作っていたメーカーの趨勢を見た上で判断すべきだろう。iPhoneが発表された2007年の世界の携帯メーカーのベスト5は、1位Nokia、2位Samsung、3位Motorola、4位Sony Ericsson、5位はLGでAppleは、まだその他に括られるレベルだったがベスト5のうち現在も当時のままの形で会社が存続しているのは韓国勢のみ2011年まで世界1位だったNokiaはMicrosoftに買われたがそれも失敗に終わり携帯端末としてはブランド名だけの存在になってしまったが、それさえいつまで持つのかは定かではない。

SONYと手を組んで端末を出していたEricssonも携帯電話のNokia同様に携帯ハードからは手を引き地上局の設備などをメインのビジネスにしている。Motorolaの携帯部門はGoogleに買われた後、手放され結局レノボに買収されている。Appleなど敵ではないと言っていたところは確かにAppleの敵ではなくなったのだ。

国内は2009年にiPhoneが前面に出てくるまでが華。未だガラケーが主体だった日本全体に占めるiPhoneのシェアはわずかなものだったがスマートフォンに括られるジャンルだけに限れば初上陸のiPhoneの独占状態に近かった。そして2011年を最後にAppleから首位を奪うメーカーは存在しなくなっただけでなく合従連衡が進み(要は事業撤退)多くのメーカーの名前が消えていった。

2017年になるとAppleデバイスの数がWindowsデバイスを逆転するとのガードナーのレポートも出てきている。こんな状況になることを10年前に当然のことと考えていた人は当時は頭のおかしい人扱いだったがiPhoneが世の中を変えると判断した直感に狂いはなかったわけだ。

すでに成熟産業となってしまったスマートフォン市場でAppleを凌駕する利益を叩き出すメーカーが出てくることは到底考えられない。誰もが隘路に迷い込んでいるウエアラブル市場もAirPodsや噂されているAppleのメガネ型もMR(複合現実)デバイスによって初めて本当の市場になることだろう。

実際にAirPodsは僅か2週間の販売期間に過ぎないのに2016年に販売されたワイヤレスヘッドフォン市場の1/4のシェアを確保した。それも未だに6週間待ちで需要に供給が追いついていない状態でだ。他社も雨後の筍よろしく同様の製品を出してくるだろうが2017年はAirPodsが市場を席巻するに違いない。

結論:steveが亡くなった後のiPhoneは革新的ではないと見当違いなことを未だにしたり顔で語る人がいるが、デジタルミュージックプレイヤーがそうなったのと同じようにスマートフォンはすでに成熟商品。スマートフォンで大きな革新が毎年起こると期待する方がおかしい。次の革新の波はAirPodsや他のデバイスから巻き起こるのである。