金曜日, 7月 27, 2012

備えあれば憂いなし

想定外の津波が来たのであんな事になってしまったのだからと責任を取る気など無い政府と東電。挙げ句の果てに電力不足になるからとなし崩しに再稼動された大飯原発。 確かに、あんな大きな津波に備えて防波堤を作るのはナンセンス。もしもそれをしたとしたらリスク管理のイロハも知らない事になってしまう。しかし、問題はそこにあるのでは無い。原発で一番の問題は核暴走。それを防ぐにはただ、ひたすら冷やすしか方法はないが、それは二重三重の電源確保と水源の確保で事足りる。電力会社が電気の確保さえまともに行っていなかったのがそもそもの… そして、そこまでしていて防ぎきれなかった時に周辺住民が被害を蒙らないように事前に避難をさせる計画を用意する必要がある。メルトダウンを起こしているのに被害を隠したいばかりに避難さえ後回しにするなと常識ではあり得ない。 原発推進派の連中は開き直って発電していようが止めていようが危険度に代わりは無いのだから発電した方が得だと言い出す始末。その上で反原発を非科学的な薄らバカだと罵る。私からすれば止まっている状態でも危ないようなものを使う事が科学的に正しい理由がどこにあるのか聞きたい位だ。 原発を止めてしまったら全電力が停止になるなら、騙し騙し動かさざるを得ないが、現状は国民を騙し騙し動かしているに過ぎない。 原発稼動の条件 その1:どんな災害が起きようが炉心を冷やし続けらる電源と水の確保 その2:地震で建物が倒壊する事の無い地盤に立地 その3:冷却が不能になる最悪の事態となった時に冷却停止後数時間で80キロ圏内の住民を避難させる事が可能な避難計画(メルトダウンしてからでは意味か無い) この三つくらいが用意されていれば再稼動はやぶさかで無いが、そんなものがあるとは到底思えないのが現状だ。 結論:想定外を回避するのがリスク管理だと考えていたのでは先には進めない。防ぎようのないものは防ぎようがないと理解した上で防げる事をするのが、そなえなのである。

月曜日, 7月 23, 2012

垂直統合と水平分散、その後

Microsoftが全盛の時代、気違い沙汰と言われていた垂直統合。そんなことをしてもオープン戦略に勝てるわけがないと誰もが信じていた。確かに、Microsoftのようにハードウェアを作らずにOSやアプリケーションののライセンスに徹していれば不良在庫を抱えることもなく一度製品が出来上がってしまえば、数が出れば出る程単純に利益が増える理想的なビジネスモデルだった。 対するAppleは創設以来基本は垂直統合(一時期ライセンスを試みたが明らかに失敗だった)。Mac vs WindowsでAppleが敗れ去ったのは現在のようなエコシステムを持たないMac単独の統合モデルだったからである。現在のAppleはiTunesを見ればわかるように決してクローズモデルをとっている訳ではない。iTunesで提供される音楽データはDRMなしのMP3。MP3をサポートしているプレイヤーであればどれでも再生可能だ。勿論、もうiPadに対抗できる音楽プレイヤーを持っているのはSONYだけだし、それなりの結果を出せているのはほぼ日本国内に限られている。自分達が圧倒的な力を持った分野だからこそ開放したとは言えるだろう。 iPhoneの四半期販売台数が2,000〜2,500万台と予想されているが、それ以上に驚きなのがApple以外の誰もが惨憺たる結果になっているタブレット市場でiPadは、既に2,000万台に達しようとしている。ここまでAppleが独走体制に入れたのは自社での製造を一切辞めてEMSに切り替えたから需要に応じた生産量の調整が柔軟に行えるためである。製造業で一番問題となる余剰在庫の発生を抑えながら需要に応える事が出来る盤石の体制だ。Appleが他社と比較にならない利益を上げているのは価格競争に巻き込まれないデバイスを売れるからだけではなく不良在庫を持っていないからなのだ。 そのAppleに対抗しMicrosoftとGoogleが自社でハードウェアまで作るろうと垂直統合戦略に切り替える気配を見せている。Appleの利益率に釣られたとしか思えない対応なのだが、彼らの目的は自社の持つサービスやアプリケーションを利用するための専用デバイスを増やしたいというAppleとは全然違う目的を持っている。それでAppleと同じ垂直統合のビジネスモデルが上手く行くかは甚だ疑問だ。 オプションも競争も選択肢も増えるはずの水平分散のビジネスモデルではAppleに勝てないと判断したのは進歩なのかもしれないが、30年以上を費やしてAppleが築き上げてきたビジネスモデルは一朝一夕では真似をできるものではない(現にSteveのいなかった時期に一度は破綻している)。 結論:水平分散のオープン戦略は、選択肢が多いのではなく混沌があるだけである。水平分散で幸せになれる人が限りなく少ない事が明らかになった(メーカーもユーザも幸せになっていない)今、GoogleやMicrosoftは統合型に舵を切ろうとしているが、それはその戦略に乗ってきたメーカにとっては裏切り以外の何物でもない。ライセンシーをEMSとする位の事をしない限り離反を止めることは出来ないだろう。GoogleやMicrosoftは果たしてそれを分かっているのだろうか。統合が更なる混沌を生み出すのが落ちなのだ。

土曜日, 7月 07, 2012

だから韓国は嫌われる

韓国人学者が中国の古代刀銭にハングル文字が使われていると発表して中国人を飽きれさせた。この学者はハングル文字がいつ作られたかも知らない基地外なのだが、作られるよりも1,500年も前にあったと言い張られたのでは流石にやり玉にあげない訳にはいかないだろう。 人のことを言えるほどご立派ではない中国人でさえ飽きれる話だが、そもそも図形の組み合わせで作り出されたハングル文字に似ている図形をハングル文字だと言い張るなどどこをどうすれば出てくる理屈なのだろう。それも刀銭に書かれている模様全てがハングル文字として読めるならばもしもがあるかもしれないが僅かに二文字。誰がどう贔屓目に見ても偶然の一致なのである。 結論:もしも刀銭に書かれている図形が全てハングル文字にあるとしたら、その時は韓国が刀銭の図形をパクったと考えるべきなのである。流石、中国人のルーツは韓国人だと言い張る国の人は凄いのだ。

「Nexus 7」はAndroidタブレット潰し?

折角、OSを作ってあげてもiPadに対抗出来ないAndroidタブレット陣営に痺れを切らしたのだろうか。GoogleはAndroidタブレットを作っているメーカーに何の断りもなく「Nexus 7」を発表してきた(もしかして事前に伝えていた?)。 「Nexus 7」はどう控えめに考えてもiPad潰しではなくAndroidタブレット潰し。そんなことはないと言い張る人もいるかもしれないが200ドルであんなものを出されたのではハードウェアで儲けなくてはいけないメーカーやっていけないのは間違いないのだから、どう考えてもAndroidタブレットメーカーにプラスになることはない。これは「Surface」にも多少言えるがあちらはどう贔屓目に見ても高価格、直ぐにUltrabookを潰すほど販売数にはならないだろう。 「Nexus 7」が本当に使えるレベルで登場した場合、それでなくてもSAMSUNG以外はまともに売れていないAndroidタブレットが死滅するのは間違いないないが、Appleに大きな影響はないだろうと思えるが、一番の問題は大して変わらない価格でAppleが7インチを出さないと言う保証がないことだ。既にWSJでもその話題が出ているということは冬のホリデーシーズン迄に発表される可能性は高い(WSJは日経とは違う)。10インチは諦めて一番売れ筋の7インチを出したのに同じ土俵にもしもAppleが上がってきたら…10月に答えが出そうです。 結論:「Nexus 7」はAndroidタブレット潰しだが「iPad mini」に潰される。何の意味があるのだろう。

日本のメーカーは何故負け組になってしまったのか

技術力が枯渇してしまったわけではないが、製品開発と技術開発は違う事を理解している人がいない事が日本のメーカー最大の敗因。ユーザが何を求めているかよりも手持ちの駒をどう利用するか(活かすレベルには達していない)が主題となっているのだから黙っていても飛ぶように売れるような製品にならないのは当然の結果なのだ。 要素技術は明確なビジョン実現のために使われなければ意味がないのだが、それを判断できるトップがいないのだからビジョンを持った製品が作られるはずのない。技術者は優れているのにトップがダメだからAppleのようなヒット作を作れないというのも嘘である。本当に優れた技術者であれば未完成である技術を使った製品など作るはずはない。消化不良、時期尚早な技術を無理矢理押し込んでくると言う事は技術者自身がその技術に大した思い入れがない証なのだ。 今の日本のメーカーはプロデューサーもディレクターもなしに合議制でアルバムを作っているレーベルのようなものだ(実際にそんなところはないだろうが)。どんな曲が作りたいかは決まっていないのに取り敢えずAKBが受けるなら、同じような曲を取り敢えずミュージシャンを集めて作ればもっと売れるはずと考えていると言えば近いかもしれない。ギターとベースとドラムだけで売れる作品は作れそうもないのでキーボードも加え、それだけでは特徴が出ないので三味線を加える。それで曲全体のイメージは西野カナで…そんなものが売れるわけがないのは誰でも分かるのだが当事者には分からない。それが日本のメーカの現状なのである。 結論:日本のメーカーが負け組になってしまったのは単純に優秀なプロデューサーとディレクターがいなくなってしまったから。トップに責任があるとすれば要素技術を理解できないからではなく誰が優秀なプロデューサーかを見極める能力がない事なのだ。その上ビジョンもないのだから負け組になったのは当然なのである。

Appleはなぜエコシステムを作れたのか

音楽で成功し、アプリや電子書籍でも成功を得ようとしているAppleがほかとは違う一番の理由は単に高機能のハードを売るのではなく最高の体験を得て貰うための一手段としてハードウェアを提供していることにある。それを理解していないGoogleは自社製のタブレットを安価で提供するとしているが、そんなものがAppleを脅かすとは到底思えない。 Googleが強みを持っているものはWeb技術をベースにしているサービス。そこには基本的に直接的なお金の動きがない。無料だからお客さんが付いているだけの可能性は相当高いのだ。翻ってAppleは対価を払っても付いて来ている顧客がベースになっている。更に、iTunesやiBooksを見れば分かるように業界の在り方を変えるようなサービスを登場させる時には常にその業界を巻き込む形でスタートしている。表面的にAppleだけが利益を得ているように見えるが、実際は不正ダウンロードとCDの販売不振で先が見えなくなっていた音楽業界が再び売上を伸ばし始めたようにAppleは業界全体の利益をも考えたビジネスモデルを構築している。著作権者に無断でスキャニングするようなことはしていない。 それが、結果的にユーザに負担を強いることのないエコシステムに繋がっている。オープンソースを標榜するGoogleに一番掛けているのはそこなのだ。 結論:Appleがエコシステムを作れたのは業界そのものを巻き込んで業界の在り方を変え続けているから。それに乗れないものは失うものの方が多いと気付くべきなのだ。

Surfaceが意味するもの

ゲーム機やマウスは作った事があるがOEMが飯の種のMicrosoftが、遂にSurfaceを本気で出してくるようだ。 20世紀には最高のビジネスモデルであったOSやソフトウェアのライセンス。その当時儲けなどでないからやめておけが常識になっていた垂直統合を武器に21世紀になった途端にAppleが業界の常識を塗り替えてしまったのだから、天下のMicrosoftも悠長に構えているわけに行かなくなってしまったのだろう。 GoogleもNexus 7とQを発表したがどう考えてもスマホのようにうまく行っていないタブレットとGoogle TVへのテコ入れ。どちらも踊らされて参入したメーカーに冷や水を浴びせる以外の何物でもないが… Microsoftがハードに名乗りをあげてきたのはこのままでは自分たちのポジションをAppleに奪われると言う焦り。WindowsベースのPCと比べれば僅かな差になってきてはいるが明らかに高額なMacが売上を伸ばし台数ベースでも確実に伸びている。iOSデバイスまで含めてしまえば既にWindows陣営とAppleの差は2対1。Androidの戦いと同じように何社あるか分からないメーカーとたった一社の戦い。その上利益をあげているのはAppleばかりなのは誰もが知っている。 Appleがハードで儲けているからと参入したわけではないだろうが、GoogleやMicrosoftのハードウェアへの進出は隋分と安易だ。Steveが自分の命をすり減らしてまでして物作りにこだわってきた情熱は両社には感じられない。今までライセンスを受けてきたメーカーは自社ブランドでの製造から撤退しOEMにでもなって周辺装置で儲けるビジネスモデルへのシフトを考える時期になってきたのではないだろうか。 結論:Appleが成功したのは、ハードウェア、OS、サービスを自社のものとしてエコシステムを作り上げたからである。全てはユーザのライフスタイルをより良きものにするため、それ無くしてハードを作っても誰も幸せにはならない。そんなものは要らないのである。