火曜日, 2月 06, 2018

Apple Musicの会員数3,600万人が意味するもの

他と比べ随分と後発だったApple Musicは負け組になると言うのが大方の予想だったはずだが、アメリカ国内に限定すれば今年の夏にはApple Musicがユーザー数でSpotifyを超えるだろうとの観測が出て来た。全世界で有料会員が7,000万と言われるSpotifyだが現在の成長率は月に2%の伸び。対するApple Musicは月に5%の割合で伸びているためだろうと予測されているのだ。昨年9月に3,000万と発表されたユーザー数が僅か4ヶ月で600万人も現状増えているのだ。

Appleはどんなマジックを使ったのだと怪訝に思う人はアンチAppleの人。Appleの最大の強みは有料アプリや音楽ダウンロードに紐づけられたアクティブなユーザーを既に1億3,000万も持っていることだ。Apple Musicは盤石なエコシステムに加えられたサービスの一つなので単独で黒字化を焦る必要がない上に、Apple Musicのために新たなユーザー登録を促す必要さえないのだ。その上、先日の四半期決算発表で公にされたアクティブなApple製品はインストールベースで13億台。Apple製品を複数所有しているユーザーも多いため実際のユーザー数はその半分ほどかもしれないが、それらのユーザーも潜在的なユーザーとしてカウントが可能なのである。

そして、恐らく今年のWWDCまでにはApple Musicでのオリジナルドラマコンテンツの配信も発表されるだろう。あわせてiTunesの終了に関するアナウンスもあるかも知れないが動画と音楽のワンストップでのサブスクリプションストリーミングサービスはSpotifyには出来ないサービス。これは、他の音楽や動画のサブスクリプションサービスも同様だが、AppleならばApple Music環境だけで可能となる。Musicの文字が消えるのかそれとも新たな名前になるのかは分からないが例えばApple Streamingのような名前でサブスクリプションのストリーミングサービスを発表するのではないだろうか。

結論:PCであれだけのシェアを持ちながら個人ユーザーをベースとしたエコシステムを作れなかったMicrosoftと同様にハードウェアを持たなかったためにAppleほどのシンパシーを持ったユーサーを育てられなかったGoogle。どちらも自社のハードウェアの重要性に気付いたために自社設計のハードを出し始めているが現状を見ている限りApple脅かすような存在になるとは到底思えないのである。

0 件のコメント: