水曜日, 12月 17, 2008

モラル・ハザード

 モラル・ハザードとは本来は保険用語であって、そこに倫理の欠如などという意味はなかったが、金融に対するセーフティネットが預金者や経営や資産運用に対する自己責任の欠如を起こすために拡大解釈され、「倫理崩壊」、「倫理欠如」と解釈されるようになっていった。そこまで拡大してしまうのならと考えれば人間として倫理が欠如しやすいのは全てを失う人達だろう。格差が良いなどと戯けたことを言う連中は、一番怖いのが人心の乱れだと言う事を考えていない。追いつめられた人達はその捌け口を社会に求める。戦前に無政府主義者がいたのも、軍国主義者が増えたのも、結局は人々が冷静に物事を考えられる余裕を失ってしまったからなのである。資産運用の失敗の責任を取らないで済むなどという薄っぺらいレベルではなく、このまま格差社会を放っておくと本当の倫理の崩壊が起こってしまうだろう。そんなことになれば、自分の置かれた現在の立場を逆転してくれるならば、悪魔にだって魂を売ってしまうのが人間なのだ。

結論:格差社会が酷くなればテロの対象になるのは、格差社会を作り出した人間である。それでも良いのなら好きな事を続けなさい。突然空気が変わっても知りませんよ。

0 件のコメント: