木曜日, 12月 18, 2008

景気対策

 世の中には金融機関に資金を供給するのを景気対策だと考えるバカがいる。歯止めの効果(延命措置)はあるかも知れないが、そんなことをしても消費が上向かないのだから景気対策ではない。景気対策というのは物が売れない企業に補助金を出す事ではなく、物が売れるようにする事だが、そのためにしなければならないのは消費者の財布の紐を緩ませる施策の実施しかない。

 単純にばらまいたのでは貯金されるだけだというが、それならば金融機関に資金を注入するのも全く同じ事である。人間の心理と言うのは不思議なもので、自分の使ったお金が返ってくると分かっていると財布の紐は緩んでしまう。ポイント制などはその心理を突くものなのだが、キャッシュが返ってくる訳ではないのでインパクトに欠ける。一番効果があるのは先日、ヨーカ堂が行ったキャッシュバックセールだ。取りあえず代金は頂き、そのレシート分の金額を現生で返すのだ。期間限定のセールだったため、恐らく買う必要の無いものまで購入してキャッシュバックされた現金を目にして喜色満面になったはずである。

 輸出が駄目ならば内需しか無い筈なのに、輸出企業はこぞって雇用を絞り消費者の枠を狭める施策を実施している。それで物が売れないと宣うのだから呆れてしまうばかりだ。単純な話なのだが買いたい気持ちが起きなければ消費は伸びない。買いたい気持ちにさせるには消費が罰則になってはいけない(税金は昔から心理的には罰則だ)のだ。小役人は消費が全く同じならば消費税を上げればそれだけ税収が増えると言う算盤を弾くが、手持ち資金に限りがあれば消費をその分減らしてしまうだけで税収が増える事はない。橋本内閣の時に消費税を上げ5兆円のトラ算用を考えたが、結果的に9兆円の減収になってしまった。そこから予想されるのは消費性を2%下げれば9兆円の増収になる可能性があるということだ。それも、一銭も予算を使わずに。

 5%の消費税を廃止すれば可能性としては20兆円の増収が考えられる。たとえ政府の税収が減ったとしても景気が大幅に回復するので所得税と言う形で必ず返ってくるのだ。期間限定で消費減税を行ったって良い。使った分の5%を確定申告で返すのだ。そうすれば消費行為は大きなインセンティブを持ち、恐らくあっという間に景気は良くなってしまうのだ。

結論:金を集める算段なんかしてないで、金を使わせる手段を考えるしか景気を回復する方法はない。景気はストックではなくフローが作るのだ。減収になるのは税率が低いのではなく景気が悪いのだ。財務省の役人は物事の根本を全く理解していない。

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