水曜日, 12月 13, 2006

家電のあるべき姿

 薄型テレビにしろBDなどの録画機にしろ、あのリモコンは何なのだろう。そもそもリモコンの操作にマニュアルが必要になってしまったら本末転倒だ。場合によっちゃ、録画予約の操作をしているうちに番組が始まっちゃうんじゃないかと思うくらいに操作が煩雑なのだ。大体一度もそのリモコンを使ったことがない人間に操作できないというのは、Dr.ノーマンじゃないがユーザーインターフェイスが間違っているとしか考えられない。認知心理学の重鎮がすでに80年代から繰り返し言っている事が未だに疎んじられているのは、始めにハードありきで使う側を置き去りにして商品を作る事だけを優先するからなのである。

 まずインターフェイスを考え、それをどう実現するかでスペックが決定されるという順序を踏まなければユーザーがすぐに使える製品は作り出すことが出来ない。それが分かっているのは今は恐らくAppleだけである。iPodが売れた大きな理由はそのインターフェイスにある。別にAppleが意地悪をして他のメーカー品を排除したのではない。わずかなボタンで手探りでも操作できることと、音楽の管理はソフトに丸投げできるし、オンライン販売でも全く同じ要領だ。操作の簡便さはミュージックプレイヤー始って以来だろう。

 家電はすべからく、iPodのようにならなければいけない。見ている番組を録画するなら”録画ボタン一発”。番組予約も画面に番組表が表示され、番組表を選んで”録画ボタン”を押せば”録画予約”、”視聴ボタン”を押せば”視聴予約”と言う風にシンプルにするべきなのだ。デジタル放送ならそれが出来ない方がおかしい。”一発録画”と”録画予約”が全く別のインターフェイスになると言うのは実は間違っているのだ。

結論:日本の製品は昔からかゆいところに手の届く行き届いた使い勝手が自慢であったが、最近は開発者がボンクラになってただの頭でっかち(良い職人がいなくなってしまったのだ)になったのが原因だろう。ユーザの目を持たない人がものを作るなど言語道断なのである。使う側の気持ちを考えないような商品が価格以外で売れるわけはないのである。

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