月曜日, 12月 25, 2006

真実と事実 〜第十九条〜

 奇襲攻撃で初戦を飾った太平洋戦争。それがそもそもの間違いだったのは何度も書いてきた事だが、じゃあ何故初戦では快進撃できたのかを書いてみたい。

太平洋戦争
定説:真珠湾の奇襲以降ミッドウェイ開戦までは帝国海軍は無敵だったが、ミッドウェイにおいて空母を失う被害を受け、それ以降徐々にアメリカ太平洋艦隊に制海権を取られ結局敗北した。
事実1:日本には1年半位の総力戦を行なうだけの石油しか無かった。
事実2:快進撃のために戦線が伸びてしまい防御不能な範囲を制圧した。
事実3:終戦時に国内には無傷の航空機が多数(数千機)残存していた。
事実4:航空機などは燃料が無くて飛び立てなかった。
事実5:日本が石油も持っている間はアメリカは本格的な攻撃を行なっていなかった。
事実6:日本軍の輸送手段が人力になった頃、アメリカ軍の本格的な攻撃が始った。
事実7:アメリカ軍の攻撃目標は軍艦よりも輸送船(物資、燃料輸送用の商船)を中心に行なわれた。末期には潜水艦から防衛するための駆逐艦さえ無くなっていた。
私の視点:石油をアメリカからの輸入に頼っていた日本は、石油備蓄量をアメリカに完全掌握されており、いつ石油が枯渇するかを完全に知られていた。開戦前に多量の石油の輸入を期限付きでアメリカが実行したのは日本軍を戦争に突入させる手段だったのである。2年を経過すれば日本軍には燃料が無くなり、航空機や艦船、起動車両が動かなくなる事を承知の上で、日本の戦線拡大を待っていたのである。通常であれば戦線を拡大せず、ろう城を行なうのが物資が乏しい時の戦法であるが、日本は全く逆の道を歩んだのである。

結論:日本の武器は言われているほど優秀だったとは思えない(特に陸軍の装備は酷かった)が、そもそも優れていたと仮定しても燃料がなければ話にはならない。日本が一番戦果を上げたのは悲しいかな、夜襲や万歳突撃など接近戦における白兵戦だけだったのである。日本の戦争は関ヶ原以降進歩がなかったと言えるかも知れない。

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