水曜日, 12月 13, 2006

薄型テレビの価格下落は過剰在庫整理?

 なるべくスペックの向上を小出しにして薄型テレビを長いスパンで売って儲けようとしていたメーカーは結局その目算が外れてしまった。オリンピックやワールドカップで売り切れることを目算に製産した製品が市上にだぶつき(ようするに作り過ぎただけだ)、一昔前のAppleのように無残な在庫整理に追われている。そのせいでスペックの差を理由にフルハイビジョン製品の価格を高く設定することさえ不可能になってしまったわけだ(そんなことをすれば、ハイスペック器が不良在庫になってしまう)。

 揚げ句の果てには液晶テレビ用の液晶の価格カルテルが存在すると日米欧一斉に独禁法違反の調査まで始まっている。何のために薄型に一機に移行したのかが分からない状態にさえなってきた。しかし、これはユーザにとっては非常に有り難い状況だ。たった半年前には手の出なかった商品が常識的な価格(出せる範囲)になってしまうとはまさか考えもしなかっただろう。

 まさにレッド・オーシャン万歳と言うところだが、これで家電メーカーはまさに地獄へとまた突き進んでしまったことになる。図体がでかいから大量販売をしなければいけない、大量に売るには利益をあきらめなければいけないというジレンマから誰も抜け出せないままなのだ。ここは一つアナログ回帰でもして他社が真似を出来ないような製品を出すしか生き残る術はないのではないだろうか。

結論:デジタル機器はCPUと同じでムーアの法則が働いてしまう。高性能なチップが出れば出るほど、高度な製造技術は要らなくなってしまうのだ。だからファブレスだというビジネスモデルで伸びた企業もある(Dellだ)が、それだけでは何にもならない。どうやって自社の商品をオンリーワンと認めさせるかを考えない企業には生き残る術はないのである。そのヒントは任天堂やAppleのやっていることにあるのだが...ゲーム器は簡単で楽しくなければいけない。音楽は簡単に楽しめなければいけない。理屈なんて使う側には必要ないのだ。

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