木曜日, 4月 03, 2008

ビジネスにはサイコロジー

 最近やたらとメンタルヘルスだ何だと心理学が持て囃されているようだが、今回の話はそんな後ろ向きの話では無い。MBAを取ったような薄らバカは、ビジネスはサイエンスとリサーチ(要は数学だ)だなどとすぐに抜かすが、リサーチから始ったビジネスなど世の中には存在しない。そんなことは無いだろうと仰るあなた。自分で何をやりたいか分からないのに商売を始めますか?私が、商売を始めるならば自分が好きなものを考える。そして、まず現状の商品に何が足りないかを考え、そして、それを補える方法があるかを考える。どうしても、思いつかなければ現状で最高の商品を売るしか方法は無いのである。と言う訳で、ビジネスの鉄則を箇条書きにしてみたい。

ビジネスの鉄則
その1:数値管理をするな。数字は作り出すことが出来る便利な代物だからだ。MBAをとったような人間ならばどんな数字だって作り出せるのだ。人は数字のために動くようになると数字を作る事以外考えなくなってしまうのだ。数字は厭くまでも結果を評価する道具に過ぎない。数字(お金)でお金を作れるのはバクチしかないのである。数字で物を考える人間でまともなのは数学者くらい(実は数学者レベルになると数字は文字では無くなるのだ)、数字で判断(比較とも言う)をするだけならどんなバカにだって出来るのだ。1足す1が2にしかならない数字を扱っているだけのMBAの数字なんて大した事は無いのである。
その2:リサーチを立てるな。私の初期からの読者ならばご存知のように、マーケティング手法としてのリサーチを掛けたために、コカコーラやキリンビールが商品企画を誤ってシェアを落としたのが良い例だが、リサーチも数字と同様に評価の為に道具であって物を作り出すための道具では無いのだ。リサーチしなければいけないような商品は最初から売れない商品なのである。
その3:顧客の心を掴め。当たり前の話なのだが、このためにリサーチをするバカがいたりするから始末に負えない。要は驚かす、わくわくさせる、気持ちよくさせるといった情動の中でも一番下位に位置する感情を揺さぶれと言うことだ。何故ならば、これは生まれつきどの人間も持っている感情だからである。VHSの普及にエロビデオがあったと都市伝説(恐らく伝説だ)が語られることが多いが、そう言う部分をくすぐれないとヒットなどは望めないのである。

導き出される方程式
その1:情報はコントロールしろ。デジタル化が進んだ現在。事前に情報を公開すると短期間で全く同じ機能を持った商品がすぐに作れてしまう。マーケティングの戦略として事前に情報を広めて顧客のニーズを掴むことなど愚の骨頂である。
その2:心を揺さぶれ。人非人でも無い限り、生まれてから一度や二度くらいワクワク・ドキドキしたことが有るだろうが、そんな時にはアドレナリンが放出されている。アドレナリンは快感と結びつき、快感は記憶を強化する。理屈と言うのは思考だが、思考は感情を阻害する。屁理屈を並べる時間があったらセールストークの一つでも考えるべきである。典型的な例として上げられるのが、Jobsのプレゼンだ。彼の口から出てくる言葉は良く”現実歪曲空間”と呼ばれているが、それが出来るか出来ないかで商品の将来が決まるのだ。
そ3:使って貰わなければ良さはわからない。世の中には使う前にダメなことがわかるOSもあるようだが、Appleの場合ユーザ(マッカーが一般ユーザと言えるかどうかは置いといて)の口コミが大きい。iTunes Storeが普及した一番の理由は、ペプシやコカコーラを使った無料ダウンロードキャンペーンでiTunes Storeを実際に体験させ、どれ位音楽の購入が楽かを知らせたことが大きい。

結論:サイエンスも使いようで役に立つが、サイコロジーはそれ以上に重要だ。サイコロジーが心の病気の方ばかりに向くのは間違いである。大体、マーケティングだってもとを辿れば心理学の手法の一つ。基地外だけが心理学では無いのである。

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