水曜日, 3月 08, 2006

構造問題

 またぞろ、耐震強度設計の偽装が騒がれているが、これは建築物全般に見られる構造的問題が露見しただけに過ぎない。実際、世の中のどれくらいの建物が設計書通りに作られていると思っているのだろう。構造計算そのものが偽装されたと言うのが珍しかっただけで、使われる資材が指定されているものだと言う保証はどこにも無いのだ。何故ならば昔からまともにチェックなどされた事が無いからだ。通常の木造家屋の場合、往々にして違法建築である。設計図は建ぺい率、容積率ともクリアしているがそのままでは商品としての魅力が乏しい場合には申請した設計図とは別な建物を作るなど当たり前に行われている。

 もちろん単純にそのまま建物を大きくしてしまってはコスト割れが起きてしまう為、その分目に見えない所(屋台骨の部分だ)の質を落とさざるおえない。そんな形で作られたものが世の中の大半を占めている(言い過ぎだ)と考えてもあながち的外れにはならないだろう。昔ながらの大工の棟梁が伝統工法で立てた物件にはそんなことは無いだろうが、建て売りと言われているようなものにそこまで責任を持って作る大工が当っていることはまずないのである。

 耐震設計問題を本当に解決したのならば、根本的に改める必要がある。まずどこの影響(往々にして検査期間が官僚の天下り先だったりする)も受けないように、耐震強度をチェックするソフトウェアを利用(欧米ではそうしている)して耐震強度を確認出来る。そして合否はその場で出る(ここに人を介すると人手と余計なコストが発生する)。実際の工事が入った場合に建築士によるチェックがあるが自社で抱える建築士によるチェック(現状はそうしている)は意味がないので、いっその事止めてしまい。虚偽があった場合にはその請負会社そのものの資格をはく奪する(実際の施行が下請けだろうが孫請けだろうが関係ないようにすればいいのだ)。そして原則元請けが工事をしなければいけないように義務づければいいのだ。

結論:耐震強度問題は、建設業界の構造的問題である。元請け、下請け、孫請けと間で金を抜くだけのシステムがまかり通っている事が根本原因なのだ。そこに手を入れない限りいつまで騒いでいたってこの問題は絶対解決する事は無い。違うなら反論してみろ。

0 件のコメント: