木曜日, 6月 05, 2008

iPhone販売契約に思う事

 今のところ独占かどうかも不明だが、取りあえず取り残されていた日本にもiPhoneが登場する事になり、国内の開発者にとってはめでたしめでたしというところである。販売契約(キャリアに決まったとはリリースでも書いていない)を取れたと言う事は相当な金額を積んだ事は間違いない(通信料の20%か?)が、利益なんか全く出ないか損をする可能性の方が高いような気がする。何でそう考えるかと言えば、Softbankのショップで売るのとは別にAppleStoreや大手量販店のMac Shopでも販売されるはずだが、これらの端末は自宅のMacかPCでアクティベーションされるだろう。もちろん携帯ショップに持ち込む可能性もあるが、販売奨励金を使った値引を考えているとしたら、Appleが店頭で価格を値引する事はありえないので棚末を持ち込んでもらってお金だけ返すと言う手段を取らざる負えない。今迄と何も変わらないじゃないかと考えた人は大事な点を見落としている。

今迄の方式:キャリアがメーカーから端末を一括購入しショップに卸して販売を依頼する。顧客の契約形態に応じて販売奨励金をショップへ(奨励金はあくまで掛け)。
iPhoneの方式:キャリア直営店にAppleが卸す。売る売らないはキャリアの自由。Apple StoreならばiPhoneは定価で販売され、顧客の契約形態に応じてキャリアの直営店店頭で顧客に返金(現金)。キャリア直営店での販売ならば値引だがApple StoreやMac Shopで販売されたものを店頭に持ち込まれたのでは、ただの出金(少なくともその時点では)になってしまう。これでは、どう考えても大赤字だ。更にiPhoneでは、パケット定額(それも低価格)と月々のみかじめ料が必要になる。Softbankはその上Softbank同士は通話料無料のホワイトプランも設けている(有料契約だが)。その上iPhoneで動くアプリケーションはiTunesのApp.Storeからの販売だけになる。キャリア独自のサービスは一切使わないのだからここで儲ける事も出来ないのだ。

 ユーザとしては是非ともiPhoneが欲しいと思うだろうが、キャリアとしてはこんな端末(というかメーカー)と取引など絶対にしたくないと考えても不思議はないだろう。でも物は考えよう。iPhoneで利益が出せるならばMobileWiMAXが始った時に利益が出せるキャリアになれるのは間違いない。サービスで割高通信料を誤魔化してきた今迄のビジネス・モデルを捨てて、純粋に回線貸しで利益を出せる体質にいち早く脱皮出来るのだから良い勉強になるだろう。

結論:iPhoneを餌にして別な端末を売るしかないかも知れないぞ。冗談でGSMのiPhoneをオマケで付けるんじゃないかと思ったがその方が安上がりなのだ。

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