月曜日, 6月 23, 2008

テレビ放送から金を取る愚

 テレビ放送(民放)と言うのは、スポンサーから頂いた広告料をもとに番組を制作(作っているのは下請けだが)し、視聴者には無料で提供するビジネスモデルで成り立っている。個々の著作権者に利益を配分するのが面倒くさいので著作権管理団体に任せて一括でお金を払うと言う手抜きをしているのが実体だ(本当に権利者にお金が渡っているかどうかなどは気にしていない)。

 それなのに、デジタル放送が始ったかと思うと急に権利者に正当な利益を配分するためにコピーは許さないなどと手前勝手なことを言い始めた。そもそも無料(実際には広告料は消費者が払っているのだが)で視聴を認めた段階で、聴取者はテレビ放送を見る権利を与えられている。それを保存して再度見ようがどうしようが、もう聴取者の自由になっていると考えるべきだ。それが嫌ならば最初からタダで見る権利など与えないしか方法はないのだ。

 デジタルビデオレコーダが、存在する理由は基本的にテレビ視聴のタイムシフトである。別にそれで商売をしようなどと考えているわけではない。本当に権利者のことを考えるならば、無料放送とは別にコマーシャル無しのデジタルデータをアーカイブし、廉価で聴取者に提供するのが本筋である。NHKは実験とは言え、既にその段階に踏み込もうとしている。ハードに課金するのではなくソフトで対価を得るのが本来の姿なのだ。書籍を考えれば分かるように、紙に対して著作権料を払っているのではなく作品に払っている。放送も全く同様だ。デジタル時代はネットを通じて個々の作品の売上を管理出来るのだから、権利者の利益を損なうことはない。そこに魑魅魍魎の跋扈する権利管理団体などの寄生虫さえ必要としない仕組みを作る事が出来るのである。

結論:iTunes Storeがその答えだ。

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