木曜日, 2月 22, 2007

UIに関する思い違い

 良くコンピュータをうまく使いこなせない(要するにキーボードが苦手なだけ)人がこうなれば良いのにというインターフェイスにロクなものは無い。こんな事言うとデジタル・デバイドを理解していないと思われそうだが理解していないのはお前らの方であると言い切るだけでは語弊があるので説明してみたい。良くキーボードが使えない人は音声入力が良いと言うが、そんなことを考えるならば代わりに入力してくれる人を探すべきである。

音声入力:さすがに最近はお利口さんになったので特定話者でなくても認識してくれるようなったが、全てうまく入力できるとは限らないし、良く考えてみればどれくらい大変かはすぐに判るのだ。
例えば”おにいさん”と言ったつもりなのに”おじいさん”と判断されてしまったとする(これはあくまでも例なのでそんなことはないとは思うが)。あなたはその場合にどうやって”に”を”じ”に変えるのか想像が付くだろうか。申し訳ないがキーボードがなかったら私には想像できない。「にをじにかえて」と言えば良いと考え、そう言ったら画面には”おにいさんにをじにかえて”と表示された。これに対処するには最低限、”キャンセル(全てを消去する)”と”変換(間違いなければ変換)”、”矢印”に”デリート”か”バックスペース”のキーが必要になる。後は”スペース”に”句読点”(日本語で必要)もないと非常に困る。もっとスマートにする為に”コマンド”キーを付ければ、これを押している時は音声は命令を表し文章でないと判断できるようになる。でもそうなるとあなたは全てのコマンドを間違いなく正しく指示できないといけないという新たな問題が発生する。こんなに面倒くさいのにあなたは本当に使いこなせるのだろうか。さてそれでも音声で頑張ると言う意固地なあなた。言葉だけで絵が描けますか。私の語彙では恐らく絵は描けません。もちろんマウスやペンまで使わないとは言ってないぞと仰るとは思いますが、思わず”もう少し大きくとか”、”もう少し上かな”なんて言っちゃうんじゃないですか、もし間違いなく変更したいオブジェクトを選んでいた場合にこれを音声認識と人工知能で判断してくれちゃったりすると自体はより悪い方向へ行ってしまうのである。あなたの頭に描いている”もう少し大きく”と世間の”もう少し大きく”が違っていたらどうするのだ(恐らく同じことなどありえない)。絶対に思った大きさにはならないのである。

 さて音声入力は諦めてくれたようなので次に進もう。次に良くあるのが手書きで入力できればいいのにという戯言だ。申し訳ないが人間でさえ何が書いてあるかが判断できないあなたの文字をコンピュータは理解してくれない。

手書き入力:楷書できれいに手書き出来れば入力出来るが一度に大量の文字を入力するには無理がある。どう考えても流れるように文章を入力することは出来ない(日本語の文字がどれ位あるかを真剣に考えてもらいたい)。仕方がないので平仮名での入力に切り替えてみるが、そるなると文字数がやたらに多くなって、なおかつ変換ボタンを押す必要がある。そのうえ平仮名を判断してくれなかったら...キーボードの方が楽なのである。

 さあどうする。考えていることを自動で...そんなインターフェイスはまだ完成していないのだが、もしあったとして、あなたは本当に一つのことだけを理路整然と考えているのか...突然変なものが画面に挿入(挿入場面だったりする)。あなたそんな怖い物本当に使うの。正直な話、私はあなたの頭の中を見たいとは思わない。

結論:あなたが考える夢のインターフェイスは悪夢のインターフェイスなのである。

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