水曜日, 2月 21, 2007

心理学に対する誤解

 心理学は一般的には心(実は現在の心理学で心などは適用範囲外だ。逆に範囲にいれようとしたら科学では無くなってしまう)の学問であるが、哲学や倫理学や社会で解決べきことを心理学のせいにする馬鹿がいる。

 どういうことかと言うと簡単な例だが、性格が悪いとか良いは心理学とは全く関係がないし、頭の良し悪しも心理学では判断できないのである。そんな馬鹿なIQテストがあるじゃないかと言う人は心理学を学んだことが無い人だ。IQが高いと頭が良いと判断しているのは世間の評価であって心理学者では無い(もちろん作った人は判断するつもりだったのだろうが)。あのテストで判るのは普通じゃないか(以上に高いか低いか)普通(最大公約数に入ると言うこと)かと言うことだけである。そのままじゃどちらも差別されかねないのでIQの異常に高い方は、事務処理能力が高いはずだよと言っているに過ぎないのだ。実際IQよりは柔軟性(IQと相関が高いが)や応用力(これもIQと相関するが)が異常に高い方が世間では頭が良いと評価されるはずだ。

 心理学は性格を決めているであろう要因を探り出そうとは出来るが、要因を組み合わせた結果善悪を判断したりはしていないし、判断できるなどとも考えてはいない(してる奴もいるが)。大体、未だに心がどこにあるかさえ特定されていないのだ(もしかしたらそんなものは無くて魂があるだけかも知れないぞ)。

 精神分析あたりからオカルトにも心の広い心理学と思われがちだが、もともと科学のルーツが錬金術に行き着いてしまうように科学なんて胡散臭いものなのだ。まあ欲張りな心理学者が、心理学の適用範囲を広げ過ぎたということが根本にあるのかも知れないが、心理学が一番苦手なのは人の心の分析なのである。科学であるゆえ、心(記憶や知覚じゃないぞ)のように外部からの観察が困難なものは存在しないのと同じ扱いにしなければならないと言う根本に関わる問題を心理学は持っているのだ。まあその分占いよりは科学に近いのだが...

 もしもそれをすっ飛ばして心がわかるなどと言い始めたら、そりゃ新興宗教の教祖か基地外(同じジャンルの人だ)なのである。

結論:心理学で性格の良し悪しは判断しないし、人の良し悪しなどは言わずもがなである。心理学がやろうとしているのは性格が良い悪いと言われている要因を突き止めることなのだ。大体、心理学者なんて人間嫌いばかり(変わり者と言う意味)なんだから、人の気持ちなどわかるはずが無いのである。ちなみに私は心理学を専攻していた。ご理解頂けただろうか。

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