月曜日, 2月 26, 2007

期待されることと期待されたいことのギャップ

 世の中には世の中の期待と全くかけ離れたことをする企業がある。その原因は自分自身の姿を全く見ていないと言う一言に尽きるのだが、格好良く思われたいと言う余計な気持ちが働くために見当違いなあるべき姿を求めてしまうという自己矛盾に行き着いてしまって、始めて気がつくのだ(実際には気付かない場合の方が多いのだが)。

 拡大成長を目指す企業は自社の支持基盤が、どこにあるかを必ず分析するものだが、ここで大きな過ちを犯す。特に雇われ経営者(外部からの引き抜き)などはその会社の強みを本当に理解していないために平気で、一番弱い部分を強くするのが肝心だなどと思い込んだりする。小さな会社であればそれでうまく行くことも多いのだろうが、ある程度の大きさと伝統を持っている場合には絶対にやってはいけないことなのである。

 どういう話かと言えば既存の顧客の期待する姿と新規の顧客の期待する姿が同じことはないと言う簡単なことだ。全く違うマーケットを新規の顧客に期待するのであれば、既存のチャネルをいじってはいけない。これは大前提だ。それをすれば既存の顧客を切り捨てることになる(こちらにその気はなくても、顧客はそう思うのだ)。そんなうまいこと出来ないと言うのならばコンセプト違いの店舗や事業ではなく、自社ブランドでは全く成功していない市場向けに商品を出すべきなのである。成功している市場に余計な変更を加えて信用を失うくらいなら何もしないに限るのだ。

結論:ソニーの失敗の原因がどこにあるかはソニーの社員じゃないので判らないが、恐らくマーケティングなどの出してきた自分格好の良い姿に都合の良いペーパーを元に商品を開発しているのだろう。意見を求められて格好いい答えをするような奴は格好ばかりの嘘つきなのだ。あなたの期待されたい気持ちは、世間ではちっとも期待していないのである。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

見抜いていらっしゃいますね。下手なマーケッターは上を向いて仕事をするようですし、下手な経営者は自分の思う意見しか受け入れません。彼らは生え抜きの意見はいくら言ってもきかないですから。

出来る人間は人の意見に耳を傾けるそんな人間ですだと思います。その上で判断をします。