日曜日, 11月 12, 2006

PS3はブランデー?

 "Wii"はビールで"PS3"はブランデーという記事が日経ネットに掲載されていた。ゲーム機の定義としてはその通りだと思うが、記事の中で、「よくソニーと任天堂どっちが勝つかといわれるが、ビールとブランデーに勝ち負けがないように勝負はない。お互いに意識していないと思う。」という発言には納得が行かなかった。

 任天堂は明らかに涅槃の世界に旅立ってしまった"PS3"を"Wii"のライバルとは考えていないようだが、SONYはそう考えてはいない。何故なら、"PS3"の価格改定は明らかに"Xbox360"を意識したものではなく”Wii”に対抗しようとしているからだ。今回の値下げは、Xbox360が売れているアメリカではなく日本市場だけだが、日本には”Xbox360”市場は事実上存在しない(全く売れていないわけでもないが売れてるとも聞かない)ので価格で"Xbox"に対抗する必要は全く無い。

 結局、SONYがやったことはブランデーを、ビールよりも売りたいという間違った戦略なのである。確かに"PS2"は売れたが、あのマシーンはDVDが見られる"PS"だったことが大きい。ゲーム機として考えた場合、過去のゲームが資産となることは間違いない。同時期の任天堂は、"Nintendo 64"、"ゲームキューブ"と全く互換性のないゲーム機を立て続けに出して、自ら市場を潰してしまった。SONYは結局任天堂の戦略の失敗による漁夫の利を得たに過ぎなかったのだ。しかし、両ハードウェアの中で"どうぶつの森"シリーズなどの新たなゲームのジャンルが存在することが明らかになり、それが"DS"の方向性に反映されてきたのだ。

 悲しいことにSONYは、"PS2"の売れた理由をハードウェアのスペックと勘違いしてしまった。もちろん世の中には、そういったユーザーも存在するが、多くの人はブランデーボトルの中身がブランデーだから買っていたわけではなかったのに、SONYはもっと豪華なブランデーを売り出してしまった。それも値下げまでして...

結論:"Wii"はビールじゃなくて、たこ焼きやラムネだ。子供や下戸にブランデーは飲めないのである。

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