月曜日, 7月 30, 2007

キャリア

 公務員制度改革と言うと天下りの問題だと考えられているようだが、そもそもキャリアとノンキャリアに分れていることに問題の根源がある。キャリアと言われる人種は何の実務経験(少なくともノンキャリアをあごで使えるほどの実務知識があるわけがない)も無しにトントン拍子で上に上がってしまい、最終的に次官コースに乗れないことが明らかになった時に退官するというシステムになっていること自体に問題があるのだ。官僚を分類すると以下のようになるだろう。

日本の官僚制度
能力のあるキャリア:民間のどの企業に行っても間違いなくトップに登りつめる真のエリート
能力のないキャリア:恐らく民間では使い物にならない融通性も何も無い穀潰し。定年前に退官(肩叩き)
やる気のあるノンキャリ:民間企業であればトップまで登りつめる能力とガッツを持っている
やる気のないノンキャリ:民間企業ではお荷物になりかねない給料泥棒(社保庁の自治労組合員などが典型)。定年までのうのうと勤続

 ここで問題となるのは、能力のないキャリアとやる気にないノンキャリアであることは明らかだ。能力のないキャリアが天下り問題の当事者であり、やる気のないノンキャリアが公務員制度の最大の病巣だ。そして、その原因は公務員試験制度に起因している。ヨーロッパ(特にフランス)のように完全にキャリアとなるための教育を受けてきた者以外はキャリアになれな制度であれば、能力のないキャリアなど事実上あり得ないが、学校の成績(大学のランク+学内の成績)+ペーパー試験の結果でキャリアになれるとなれば能力の無い者も紛れ込む可能性が高くなり、ノンキャリアに関しては始めから出世を考慮していない(キャリアになれるのはほぼ不可能なので意識は低い)人間がその多くを占めるわけだ。つまり上級と下級を始め(採用時)から分けて選抜するためにどちらも多くの穀潰しを生み出してしまうのである。

結論:学歴に起因する受験資格まですぐに奪ってしまえとは云わないが、実務能力や政策立案能力は採用時に判定することは不可能である。よって現行の試験制度には全く意味がない。幹部採用などと言う制度は改め、穀潰しは採用後5年を目処に免職し、人員が足りない場合は必要に応じて民間から起用する制度に改めなければ時代の流れに着いて行けないのである。公務員の問題は退官時では無く採用時の問題なのである。

0 件のコメント: