水曜日, 7月 25, 2007

コストとリスク

 いみじくも今回の中越沖地震で、日本の自動車産業はたった一社の部品(ピストン・リング)によってストップするほど脆弱なシステムによって成り立っていることが明らかになった。リケンと言う会社はピストン・リングなどのエンジン部品に特化した会社のようだが、1社のシェアが5割を超え、その工場は柏崎に集中している。コストを考えれば集中させるのがベストかもしれない、リスクを考えれば分散させる以外に方法は無い。取引先の多くはコストカットの為にリケンと取引していたのだろうが、それが仇となってしまったのである。

 血の滲むような努力と言う言葉を良く耳にするが、それをしているのはトヨタや日産などの最終製造会社では無く、部品を供給している会社だ。そうじゃなければトヨタが史上最高の利益を上げる筈は無い。

結論:今回の地震でリケンは自分たちにキャスティングボードがあることを知ってしまった。リスクを考えたらメーカーはカンバン方式などと言う儲けばかりを考えたシステムを少しは改めて自社でも最低限の部品を作る努力をした方が良いだろう。自社製の部品の方が高くて出来が悪いことは分かっている筈なので、部品メーカーに優しくする方が安上がりだろうと思うが。コストとリスクどちらが重要かといわれれば当然リスクのはずである。金と命のどちらが大事かと聞かれて金だと答えるような人は別なんだろうが。

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