火曜日, 2月 19, 2008

MacBook Airを分解して分かる事

 日経BPの記事で、MacBook Airを完全分解した技術者の感想が書かれていた。外観は無駄なしなのに中身は無駄ばかりというのがその感想なのだが、ここでわかる事は製造を任されているメーカーの製造技術力は日本には遠く及ばないということだ。

 昔、SONYのWalkman全盛時代にWalkmanを分解した学者から、「流石はSONYさん、これだけ複雑なものをこの小さな大きさに納める技術は素晴らしい。ネジの多さが他社さんとは違う」と指摘され、製造を任されている技術者が冷や汗をかいたと言う話を思い出す。

 ネジの数が多ければ多いほど製造技術がお粗末だと言う事が冷や汗の理由なのだが、分解されたMacBook Airは、想像以上にネジの数が多い。何を言いたいかと言えばこれは製造を委託したメーカーに製造設計の技術がないことを示している。外側はAppleがデザインしているのが明らかだが、内部設計がAppleの仕様書通りだとすれば、それがアメリカから製造業が消えた原因なのだが、これが委託先に任された製造仕様だとすれば日本の製造業はまだまだ行けると言う事になる。

 勿論、それを手放しで喜べるかと言えばさにあらず、製造技術が優れていたって設計思想がお粗末(ビジョンがないと言う事)なら、機能がゴテゴテ(使わない機能の方が多かったりする)の製品を作ってしまう事になるのである(現在の日本のメーカーは全てこれだ)。

結論:少なくとも現在の中国の製造技術は、Appleに対して製造過程の効率化を提案出来るレベルに達していない事が明らかになったのだ。別のblogでMacBook Airが中国の工場から直送で届いたと書かれていた。垂直統合が効率的だった時代は既に終わり、個別製造に何処まで対応出来るかが鍵になってきている。現在それが出来るのはAppleくらいなのである。

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