木曜日, 9月 24, 2009

返本と押し紙

 「1Q84」という本がベストセラーらしいが、村上春樹を一度も読んだ事の無い私は当然スルー(というより、ベストセラーと言われるだけでどんな本でも拒否反応なだけ)。それにしても新刊ラッシュなどと言われているが、その実態は返本率が40%とお寒い限り。ITmediaでも着いたその日に返本も多いと書いてあるが、そんなのは何十年も前から当たり前の話。私が学生の頃アルバイトをしていた書店は、日本でも最大級の小学館の学習雑誌の取扱店だったが、見た目は少し立派な町の書店。配達が終るまでの小学館の雑誌に割くスペースはあったが売れもしない取次からの押し付け(そこはニッパン)の新刊書など届いた梱包から返本の段ボールに直行は当たり前だった。要は今に始まった話では無いと言う事である。
 
 大規模店舗ならストックスペースも多いだろうが、小さな書店ではそれもままならずどうせ腹も痛まない取次店からの押込なのだから即返本にするのは当たり前の話。返本の原因は単(ひとえ)に取次制度の時代錯誤にあるのだ。TSUTAYAとブックオフしか町の本屋が無くなろうとしている時代に売れもしない新刊を発行出来るのも取次と言う卸業者が存在するから。新刊の40%が古紙業者に送られ、新聞の40%(押し紙の方)も...段ボールは増えていいかも知れないが、日本の再販制度とは古紙業者のために用意されているとしか考えようも無い悲惨な状態なのである。

結論:再販制度は価格統制。売価を維持は出来るが利益も文化も維持出来ないモデルの何処に意味があるのだろう。

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