木曜日, 2月 05, 2009

ワークシェアリング

 ワークシェアリング自体は別に悪い制度ではないが、そのためには労働基準制度そのもを根本から変える必要がある。行きなりその部分だけを取り上げたのでは結局、従業員の賃金を下げ得る口実に使われてしまうだけなのだ。残業が無くなるのだから残業代が減るのは仕方ないが、基本賃金を下げる理由にはならないのである。

 戦後の日本経済が成長した原動力は貧乏人がいなくなったことにあった。毎年のように収入が増え、それが消費を拡大させて日本経済を牽引してきたのだ。バブルが弾ける前の日本は国民の8割近くが自分自身を中の上だと思い込むくらいに消費は活発だった。それが日本の内需を支えていたのは動かし難い事実である。キヤノンなどの売国大企業は自分達の戦略の誤りを反省することもなく派遣切りだ、雇い止めだと虫の良いことを言って批判を受けたら、ワークシェアリングなどと都合の良いことを引っ張り出して、総人件費は固定か削減して頭数は拡大する(一人頭の収入は大幅に減ってしまう)口実に使おうとしているのだけなのだ。

結論:貧乏人が増えたって景気は良くならないのである。企業にその気が無いのならば国が所得補償をする位じゃないと景気が良くなることはない。国内の景気が良くならない限り輸出などと言う水物(為替でどれだけ損をしたかを冷静に受けとめろ)を当てにしなければいけなくなってしまうのだ。

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