木曜日, 2月 19, 2009

戦略と戦術と戦法の違い 〜その1〜

 日本に戦略が無いのは太平洋戦争を見れば明らかなのだが、どうも伝統的に日本人には戦略と言う考え方が上手く理解されていないように思えて仕方がないのである(思えるのではなく事実か)。

言葉の定義
戦略:政治•社会運動などを行う上での長期的な計略。販売戦略などがその例である。
戦術:ある目的を達成するための具体的な方法•手段。人海戦術などがその例である。
戦法:その具体的な戦い方。奇襲戦法などがその例である。

 大体、日本人が戦略と言う時に勘違いしているのは勝つと言うことの意味である。単細胞な人間から見れば個々の戦闘に全て勝つことが勝ちに決まっているのだろうが、世の中はそんなに甘くはない。

 例えば、第二次大戦を考えてみよう。日本は自滅するまで戦ったのだから明らかに負けたのだが、その後の経済復興を見ればある意味では勝ったとも言える。戦争に負けない限り排除できなかった軍部を胡散霧消させるのが国家の戦略だったとしたら大成功だったわけだ。もしも、そんなことを考えている人間が日本の上層部にいたのだとすれば戦略はうまく行った訳だ。

 これで、理解して頂けたかも知れないが戦法レベルで負けることと戦略レベルで負けることの意味は必ずしも同じではないと言うことだ(当然同じこともある)。例えば、英国は戦勝国とは言え、第二次大戦の結果その多くの植民地を失ってしまったのだから負けたと言う捉え方も出来る。ところが、面倒なことは今後は全てアメリカにやらせれば良いと考えている人達が英国を支配していたと仮定すれば、その人達にとっては植民地が無くなったことは悪い話ではない訳である。

 戦略と言うのはそう言うものなのだ。出来るだけ手を汚さずに目的のものを手に入れる。これができれば、どんな戦い方でも構わない。戦闘でいくら負けようが構わないと言うのが結論なのである。

 販売戦略などと言った時に、利益などの数値目標を与えるだけの場合がある。純粋持株会社などというお金のことしか考えていない会社には、良くマッチする考え方だ。個々の戦術は事業会社などの子会社で考えろと言うのだ。但し、その場合には子会社側にはもっと具体的な戦略がなければいけない。当然戦術を考え出す能力も問われるが、往々にして戦法くらいしか思い付かないものである。そうなるとどうなるかと言えば、局地では有効だが全体ではとってはいけない戦い方を選んで自ら自滅してしまう結果を招く恐れがある。

 一例を上げれば、バカでも思い付く価格競争がそうだ。圧倒的な戦力差(4倍もあれば十分か)がある場合には価格競争くらい簡単な戦法はない。体力勝負なんだから金を多く持っている方が勝つ。しかし、それだけならば単なる戦法に過ぎない。価格を戦略として使うのならば絶対に相手が真似を出来ない価格を打ち出さなければ意味がない。相手が10万で売っているものを1万円で売って相手と同じ利益を上げるのが戦略としての価格競争だ。お互いに毎日価格を競って下げていったとしたらどうなるかを考えて欲しい。顧客は待てばどんどん安くなると考えるから必需品でない限り買い控えを誘発して結局共倒れになるだけなのである。私だったら両方が潰れてから独占的な価格で商品を売ることを考えるだろう。それが、戦略なのだ。

結論:今回は戦略について書いてみた。次回以降、戦術や戦法について書いてみたいと思う(もう種切れだったりして)。

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