金曜日, 4月 09, 2010

iPhone OS 4とiAdの本当の意味

 GIZMODOの記事に画面の8分の1を広告スペースに割くのは酷いという趣旨の記事が掲載されていた。確かにそう言う側面もあるが、恐らくAppleが目指しているのは広告収入によるソフトウェア(他のコンテンツも)の無償化と、更にはその先にあるハードウェアの無償化なのではないかと思うのである。そこまで、大きなものだからiPhone OSの発表とは分離して行うのではないかと勘ぐったのだが、どううやらそうしないことによってこっそりと未来に向けた種を仕込む戦略をとって来たのだろう。
 
 良く考えれば、私のように正攻法(大々的に将来像を示した上でiAdを発表)で持っていったのでは当然既存の企業の総攻撃を受けて潰されかねないが、GIZMODOのように単なるアフェリエイトの変形だと思い込んでくれるような誰でも考えそうな機能追加に見せかけて発表すれば...気付いた時には独り占めも可能(同じことを考えているのはGoogle位だが、あちらは独占企業と見られているので下手には動けないという弱点がある)。こんなことが可能なのもAppleが、GoogleやMicrosoftの様にシェアの大きな寡占企業ではないから。全てを手に入れてから解体されるかも知れないがその時は...

結論:売れれば売れるほどiPhoneやiPadの価格は限りなくゼロに近付いて行くのに、利益は大きくなって行く。そんなビジネスモデルを考えつくとはJobsは本当に恐ろしい存在なのである。本当の意味に気付いた人はまだ少ないと思うけど。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつも楽しく読ませて頂いています。これからも楽しみにしています。
コピー用紙の裏側を広告にすることで、コピー機とコピー用紙、トナーを無料にするというビジネスモデルがあったようです。コピー機メーカが始めたようですが、このメーカは主導権が握れず、広告会社に利益を持っていかれてしまったそうです(ソースが見つけれませんでした。すみません)
今のアップルは、コンテンツとハードの両方を持ち、相乗効果で大きな利益を上げていて、すごいの一言です。コンテンツを失うと、上記例のように単なるコンテンツ表示機提供メーカになってしまうと思うので、音楽なり書籍なり、いかにコンテンツを維持できるかだと思っています。
このとき、全てのコンテンツをアップルが作っているわけではないので、音楽なり何なり、利益を天引きされるコンテンツ制作者の不満を上手く抑えるられるかどうかがポイントかな、と思って注視しています(amazonもgoogleも)

G4 Cube Everlasting さんのコメント...

 コメントを頂きありがとうございます。

 Appleの強みはコンテンツホルダーに確実に利益を渡すことで独占を可能にしていることです。どのコンテンツホルダーも内心Appleに対し苦々しく思っている筈(出来れば自分たちで利益を独占したい)ですが、独自に立上げても上手く行かないし、Appleを打ち負かすライバルはいつになっても登場しないので、Appleと組むしか方法がない現実も知り尽くしています。

 Androidに期待するのもAppleに対する取引材料が増えればと言う後ろ向きの理由だと思います。その期待のAndroidはオープンソースのため制御不能に陥る可能性が...

 広告収入のキックバックで利益を得るビジネスモデルに逸早く乗り換えないと、今後はデジタルコンテンツでは得られないと考えるべきでしょう。