趣旨の6割くらいは頷けるが4割は間違っていると断言出来る記事
がTechCrunchに掲載されていた。
筆者は、現在のAppleの製品も過去と同じようにフールプルーフなニッチな商品だと思い込んでいるが、それは現在から過去を見ての判断であって現在から未来を見た場合にそれが成り立つかと言えば大きな誤りである。Appleの製品を買う消費者をフールプルーフ(馬鹿でも使える)を求める金持ちと規定しているが、これからのPCの主流は技術者から見てフールプルーフと言われる人達が何も考えずに操作を誤らないものへと移っていく。PCは使いこなすことに意味があるのではなくそれで何を生み出すかが重要になる。操作を覚えるために時間を空費するくらいこの情報化時代に無駄なことはないのである。過去のPCの問題はそれまで人間が手にしてきたインターフェイスで操作出来なかったことにある。そして、技術者たちは自分たちが出来ることを出来ない人達をリテラシーの低いフールプルーフな連中だと蔑んできた。その結果が他のメーカーよりも価格の高いApple製品の趨勢だ。
Appleの製品はフールプルーフなわけではなく、道具としてのインターフェイスを極めた結果、そこに辿り着いたことを見ようとしていない。最終ユーザの満足感を満たそうと考えれば開発者目線での商品開発は意味を成さない。開発者ならば使用感に不満があれば自分で手を加えて使い易いものに変えるだろうが、普通のユーザならばゴミ箱に捨てるだけだ。ITリテラシーの高い人達がリードをしてきたのはPC黎明期の名残に過ぎない。これからは開発者が使い易いPCがニッチな存在になる(開発者以外には不要なPC)のである。
簡単なものを勿体ぶって難しく見せることは簡単だが、難しいものを簡単に見せることは容易ではない。エラーが発生しない(発生しても重大なエラーにさせない)ように設計するのは並大抵の事ではない。知識を持っている人だけが使えるものを作るのは物づくりとしては一番低レベルだと思うのだが...
結論:Appleの製品をフールプルーフだと思っている技術者が物づくりの主体になっているメーカーしかいない限りAppleは安泰である。Xcodeの開放で開発者の裾野が広がったが、恐らくAppleは未来型のハイパーカードをいつかフールプルーフと言われている人達のために提供してくれることだろう(アラン・ケイの願いでもある)。
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