前から非常に気になることなので何度が取り上げてきたのだが、日本の農政の根本的な間違いは、”農業は衰退産業”だと決めてしまったことである。政府までいつのまにかそれを常識だと思い込んでいるのだが。実はこれは幻想に過ぎない(もちろん農家がというレベルの話じゃないぞ)。さて、何故農業が衰退産業扱いされたかと言えば、戦後に立てた国家戦略に端を発している。つまり戦後の経済復興を短時間に進めるには、どうしても工業生産に働き手を必要としたが、戦争で一番働き手となるべき人達は帰ってこなかった。そこで目をつけたのが金の卵などと呼ばれた中卒の若年労働者を地方から都市へと移動させて労働力として吸収する事だった。
そのために、何をしたかといえば日本の農業(戦前の農業は確かにそうだったかもしれないが、それだけでも無かったはずだ)は遅れていて格好が悪いという考えを国民に刷り込んだのである。そして大規模農家(大地主)を解体して零細農家ばかりにしてしまった。それによって産業とは呼べないほど疲弊させてしまったのだ。そして、食っていけない農家には補助金をバラ撒いたのである。そして米だけに注力した。これで農業が産業化することなどあり得るはずは無いのである。
つまり農業がこのような状態になった一番の理由は産業として育てる気がなかった(百姓を蔑む選民意識)からに過ぎず、やりようによっては立派な産業にすることは不可能では無いのだ。食い物を自給自足できてもエネルギーが手に入らなければ意味がないと言う意見もあるが、日本で手に入るエネルギー源を開発するという事は石油資本を敵にまわす(これをすると前にも書いたように任期途中で死んだりする)ことになり、まずは食い扶持を確保しなければ出来ないことなのである。
結論:保護などして成長する事などあり得ないのだ。
月曜日, 9月 03, 2007
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