月曜日, 6月 28, 2010

もう一つの3D

 私の大嫌いな家電メーカー主導の3Dテレビ。元になっている理屈は人の立体視は左右の視差によって起こるというものだが、人の立体視はそれだけで成り立っている訳ではない。極論すれば簡単に錯視が発生するのだから輻輳や視差で距離感などつかめないと言いたいくらいである。
 
 立体視が両眼の視差から起こるとすれば、両眼視のできない人(片眼しか見えない人など)は奥行きも距離感もつかめないとなってしまうが、実際には片眼でも立体視も奥行き知覚も可能である。その辺りは認知心理学で証明されているのでご自分で確認して欲しい。
 
 両眼視と関係のなく立体視が可能だという私の説明が理解出来ない方に言葉で説明するのは難しいので、iPad用の「Holo Toy」というアプリをご覧になることをお勧めする。iPadは、3Dディスプレイを使ってはいないが間違いなく立体に感じるだろう。片目で見ても。
 
 遠近法と奥行き差による画像の運動量の変化が立体視を生む第一の要因だと言う事が理解出来ることだろう。
 
 3Dには両眼視が必須だなどと言う世迷い言は...
 
結論:頭の運動量と視線の運動量(輻輳)を瞬時に判断し、画像の変形をリアルタイムに映像化出来れば二次元表示しかできないディスプレイで3D表示は可能なのである。但し多人数での立体視は不可能だし、飛び出す映像は作れないが。飛び出す形の3Dは光学起源の考え、飛び出さない方の3Dは心理学起源の考えと捉えてもらえば良いのでは。

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