今回のSAPIOの特集は田中角栄。昔からの読者であれば私が田中角栄が好きか嫌いかはご存知のことだろうが、基本的に田中角栄が好きである。自由民主党で金権政治家なので利権政治の全責任を角栄に押し付けることは可能だが、基本的に彼の思想は左寄り(共産主義ではなく社民主義)だった。
1億人を中流にしようと考えた政治姿勢は格差を無くす社会民主主義であり、そのために作り出された法案によって、高度成長が可能になったのは動かし難い事実なのだ。そして、それは住宅バブルがはじけるまでの間多くの問題を抱えながらもそれが機能していたのだ。この15年間で役人の利権以外はほとんど胡散霧消したが...
角栄が目指していたのは格差の無い社会。表日本と裏日本、大都市と地方と厳然と存在した格差をインフラ整備と社会制度の整備によって均等にしようとしたのが列島改造。あまりに急激な改造が地価高騰とインフレを招き、失脚となったわけだが、小泉がやろうとしていたことと全く逆のことを目指していたのは間違いない。
小泉改革派本来潰さなければいけなかった官僚の利権を温存し、無くすべきでなかった平等社会(相互扶助の働く中流社会)を破壊した。格差は人心を荒廃させ国を滅ぼすことを知っていた日本の為政者たちは昔から平等を目指していたのである。
結論:格差がないことは悪しき平等ではないし、8割の国民が中流だと考えられる社会が悪いわけがない。官僚の利権をコントロールできる政治家がいなくなったことが問題なのである。
金曜日, 11月 28, 2008
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