火曜日, 10月 17, 2006

言うに事欠いて

 SONYの出井最高顧問がスペインで行われた”ETRE 06”というカンファレンスで偉そうなことを宣っていた。話の中でAppleのJobsの事が出てくるのだが、JobsがSONYのCEOになりたかったんじゃないかと戯けたことを言っていた。JobsはiTunesを立ち上げる前の段階で出井氏と話し合い、WinWinの関係をミュージックストアで結ぼうと提案したがそれを蹴ったのが他でもない出井だ。つまり彼はJobsとビジョンを共有するよりもSONY単独の利益を考えた訳だ(恐らくJobsは出井に対して目下の者に語るように話したのが気に入らなかったのだろう)。

 そして、SONYの現状を考えもせず(出井氏からするとSONYはもう大丈夫らしい)家電業界の時代は既に終わったと、言うに事欠いて戯けたことを発言したようだ。こんな認識だからだめになってしまったことにまだ気付いていないのにはあきれてしまう。

 そもそも、SONYと言う会社は自分のブランドを過信している(社員自身が顧客以上にブランド力があると思い込んでいるのだ)。Appleもその傾向がない訳ではないが、Appleは端からヘビーユーザー(良くてシェア10%止まりだ)に対する売上で利益を出せるように運営されているが、SONYはそんな規模ではないのに(ブランドイメージを良く思っている人達がSONYのヘビーユーザーだと勘違いしている唯一のバカ会社だ)、それを可能だと考えているに違いない。恐らくSONYの固定客はAppleとどっこいどっこいに違いない(世の中そんなにバカはいないと言うことだ)。

 SONY頼みの綱のサムソンもウォン高で業績は一気に地に落ちてしまった。これで液晶で利益を叩き出すことは難しくなってしまった訳だ。どうやってバッテリーとPS3の赤字を埋めるのかは解らないが、ブランド信仰を捨てられないのだったら規模の縮小以外に救われる道はないだろう。

結論:ブランドイメージが売りのSONYはいつしか生産力で太刀打ち出来ない松下をライバルだと考えるようになってしまった。それがそもそもの間違いなのだ。ビデオで負けると言う良い機会があったのにiPodでまた同じことを繰り返した。やけっぱちで売り出したPSがうまくいったのはまぐれだった(そもそも任天堂用のゲーム機じゃないか)のに、時代に翻弄された哀れな企業である。

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