木曜日, 10月 26, 2006

暗い唄が聞こえる 〜第6章〜

 暗い唄の話が聞きたいとお嘆きの貴兄に送るシリーズ第6段...この話がこのブログに切っ掛けになったのだが、最近はちょっとばかり思想色の濃い内容が多くなってしまったようで...温故知新...起死回生...何でも良いけど初心の戻って再び暗い唄の話をしてみたいと思う。そうはいってもネタに使っているアーティスト(アーティストと思われない人も多いが)の曲そのものを、聴いたことないぞという諸兄のため。イメージが掴みやすいようにと今回は色彩心理学的にアプローチしてみたいと思う。

 一言で暗いと言ってもその暗さには、そのアーティストごとに微妙な違いがある。そのニュアンスの違いが少しでも伝わればと今回はチャレンジしてみたい訳だ。

寒色系
大貫妙子:典型的なモノトーン。熱を感じさせない明るさ(白色発光ダイオードと思ってもらいたい)という彼女独特の暗さ(明るいのに暗いというアンビバレントな状態)は、白から黒まですべてをカバーしている。何の匂いもしてこないのが特徴である。
森田童子:青みの強い紫色。これ以外にはあり得ない。まさに沈み込むような閉塞感を感じさせる。いってみれば気温が高い(暑い)のに寒いと言うパラドックス。濃度70パーセント以上のブルーフィルターレンズで世の中を見ているような病的な世界である。特徴的な匂いは有機溶剤や化学薬品のケミカル系である。
井上陽水:水色。セピアと勘違いしないこともないが、上に必ず薄いブルーのフィルターがかかっているように感じる。雨の時に傘を忘れるせいかは知らないが初期の作品は何故か湿っぽい気がして仕方がない。文句無しに水の匂いがする。

暖色系
山崎ハコ:茜色か山吹色。いつも夕暮れ時以降のようなうら寂しい雰囲気。彼女の唄に午前中の世界はあり得ない。虫なら日暮らし、コオロギ、蛾、夜光虫。明かりは裸電球じゃなければいけない。壊れたネオンに朽ちかけた看板。失礼かもしれないが、安酒や小便などのすえた臭いがしてきそうである。
尾崎亜美:セピア。高橋真梨子に通じるしっとり系。ややかすれた声がそう感じさせるのだろう。モテないブスの独り言と言ってしまえば身もふたもないが、昔の少女漫画のヒロインの心情に一番近いのがこの人である。匂いは大人になりきれない柑橘系か?
中山ラビ:トウガラシ色。パッションとは違う熱情を感じる。とにかく暗いのに熱いという世界だ。ある意味、森田童子とは好対照の外向型の暗さである。その根底に何かしら強いコンプレックスを感じる人はディランが好きなんじゃないだろうか。汗の匂いがする。
ブルース・スプリングスティーン:赤レンガ色。廃棄された工場や発電所の壁に使われている赤レンガ。取残された中でもがく人々の叫びを代弁しているのだろう。彼がどうかは知らないが腋がの匂いがしそうである。
泉谷しげる:焦げ茶色。スプリングスティーンと同系色であるが、いじめられっ子の反撃と言った感じが強くする。熱いか寒いかと聞かれれば温かいといえる特異な存在。じつはちっとも暗くなかったりする。以外に思うかもしれないが牛乳石鹸の匂いである。
NSP:夕焼けの色。一曲しかよく知らないので...ススキの匂い。夕方に草むらでアオカン?

結論:暗い唄を聴くのはその人の自由だ。

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