月曜日, 1月 04, 2010

茂木健一郎を科学する

 アハ体験ですっかり世間を虜にした茂木健一郎。ビューラーの研究成果を噛み砕いて広めた点は評価できるが、脳科学者(心理学者ではない。まあ日本では心理学士も心理学博士もないが)という呼称を使っているのは如何なものだろう。「Aha! Experience」そのものは、ビューラーも指摘しているように脳を活性化させる(脳内麻薬が出るので気持ちが良くなる)ために、学習に対する意欲を生む効果があるが、見えなかったものが見えるようになる(答えを教えられればと言う意味)のは学習効果ではなく単なる認知の問題。潜在的な能力が強化される訳ではないのである(クイズやテスト問題と違って誰でも良い気持ちになれるが)。
 
 そんな茂木さん。アハ体験だけでは続かないと思ったのかは知らないが(この辺りは勝間さんに繋がる嗅覚の良さ)、今度は「ミラーニューロン」(これも、そもそも茂木さんのアイデアではなく、真似をするためのニューロンが存在するという考え)なる得体のしれないものを持ち出して龍馬が活躍できたのは、ミラーニューロンの働きで相手の警戒心を解き、心を掴んだからだと天下のNHKでご高説をたれたそうである。まさにオカルト万歳なのだが、公共の電波を使ってそんな妄言を流したと言う事は、本当に龍馬を利用した人達にさぞや、都合の良い考え方だったのだろう。今年は、龍馬の年になりそうなのでその内詳しく書いてみたいのだが。

結論:アハ体験で頭が良くなる(脳内麻薬の効果で学習意欲が出るので勉強が好きになるのは分かるが、潜在的な能力を上げると言う意味では疑問)とか、ミラー(猿まね。共認する)ニューロンを共認させるものと拡大解釈(こういうのを論理の飛躍と言う)するのは、全く科学的ではない。茂木さんのは脳科学ではなくノー科学だと早く気付くべきなのである。

4 件のコメント:

4 さんのコメント...

ノー科学!座布団一枚。

G4 Cube Everlasting さんのコメント...

 最初に見た時にエスパー研かなと思ったくらいですから。調べたらエスパー研は既に解散していましたが、同じ臭いがしています。養老さんもSONYだったな。

4 さんのコメント...

ノーといえばとまべちっていう人もなかなかすてきですね。
恥ずかしながら、彼らの本を1冊ずつ所有しております。書いてある内容はほとんど同じでした。胡散臭さがあって面白かったです。

G4 Cube Everlasting さんのコメント...

 苫米地さんの方は少なくとも心理学者だし、脳科学者、更に言語学者でもあります。

 所謂、天才系の人なので常人から見れば行っちゃってる様に見えますが、果たしてどうなのかは本人と面識が無いので何とも言えませんが、同じ時期にインテリジェント・エージェント学会に参加していましたが、最初の1回くらいしか顔を見る事はありませんでした(その当時苫米地さんは、ジャストシステムの研究所に所属)。

 誰の指図で動いているかを気にすると凄く胡散臭い人ではありますが、頭は良いですよ。