金曜日, 10月 01, 2010

戦争は道楽ではない

 こんな題名だとどんな話かと思われるかも知れないが、今回はキナ臭くなってきた尖閣諸島で気になる防衛に関わるお話をしてみたい。
 
 軍事評論家と呼ばれる方々は、自分の好きな兵器のここが凄い、自分の嫌いな兵器を評価する別の評論家とけんかをする事を生業にしてしているようだが、何時有事があるかも知れないような不安定な時代。好き嫌いや兵器の機能自慢がどれ位不毛であるかを考えるべきだろう。そう言う話はいざ有事になった時に前線に立つ自衛隊員にとって何の助けにもならないのだ。
 
 例えば、腕のある人が使えば100発100中の高性能なライフルと誰が100発撃っても1発もジャグらないライフルのどちらが良い武器かと聞かれたら後者だと答えるのが戦争を仕事としている人の答え。何故なら本当の戦争で100発100中を許すような状況は来ないが、薬きょうがジャグったために反撃出来ずに蜂の巣にされる状況はいくらでもやってくるからだ。1947年デビューのAK47などがその典型なのだが命中精度はお世辞にも良いとは言えないボロボロのライフルなのだが、泥が付いていようが引き金を弾けば間違いなく弾が飛び出し、北極であろうが砂漠であろうが使えるからこそ未だに使われているのである。
 
 それでは、命中精度がケタ違いに高いミサイルと価格がケタ違いに安いミサイルだったらどうだろう。自動航行システムを持ち勝手に目標を攻撃してくれるトマホークのような巡航ミサイルやパトリオットは素晴らしいが、相手が単なるヘリコプターであれば同じ予算で山のように手に入るスティンガーなどのロケットランチャーの方がよっぽど意味があると言う話になる。一撃必殺は素晴らしいが一発しかなかったら何の意味も無いと言う話だ。
 
 そんな事は当たり前だと誰もが思うだろうが、自衛隊の弾薬の備蓄量はたかが知れている。どんなに頑張っても1カ月は持たない(お隣の徴兵制度がある国の弾薬だって2週間分の備蓄しかない)が、米軍駐留が大前提(どこも攻めてこない)なのでそれで大丈夫と踏んでいる訳だ。航空戦力を単純に比較すれば自衛隊は北朝鮮など物の数ではないが弾薬が尽きた時に中国が北朝鮮に助太刀するようなことがあれば...
 
結論:高性能な武器も重要だがスペックだけを見ていたのでは戦争は出来ないと言う話である。

1 件のコメント:

G4 Cube Everlasting さんのコメント...

 コメント頂きありがとうございます。

 おっしゃられる通り、練度が低くても使いこなせればそれだけユーザの数が増えるのはiPhoneもWeponも同じです。どんなに高機能であっても使いこなせる人がいないのでは話になりません。