代わり映えしないものしか作っていないメーカーであればシェアを取る以外に利益を稼ぎ出す方法はないが、Appleのようにオンリーワンの企業は他の企業の類似商品との比較の材料としてシェアを見ることに何の意味もない。今はジリ貧のDellなどは一時期BTOとファブレスを武器にして鼻息を粗くしていた時期があった(世の中もDellをエクセレント・カンパニー扱いしていた)が、こんなものは長続きしないDellになったらお仕舞いだと言う私の予測通り、Dellよりも技術力のあるHPが同じビジネスモデルにシフトしただけでDellの化けの皮は剥がれてしまった。
未だにPCのシェアは二桁にも満たないAppleの利益は腐ったとは言え世界第3位のDellを圧倒的に凌駕。iPhoneやiPadの陰に隠れてはいるが立派な稼ぎ頭の一翼を担っているのである(僅かなモデルで)。製品の在庫管理は明らかにAppleの方が数段上、新商品の投入時期を考えながらの生産調整が可能なため無駄なストックなど発生させる余地さえない(キャリアの販売がメインであるiPhoneでは旧モデルを併売することがあるが)。
Macの世界シェアは大した事はないが、それ以外のデバイスのシェアはAppleが世界を圧倒。まだ、同じジャンルの商品がそろっていないタブレットなどはほぼ100%(95.5%)だし、OSのシェアでは既にAndroidに負けたと言われるiPhoneでさえ、その他大勢のAndroid陣営全社で2,000万台に対したった一社で1,500万台近くを販売。そこから上がる利益は恐らくAndroid陣営トータルの数倍では済まない筈である。
結論:シェアを基準に企業価値を判断するのは20世紀の遺物。薄利多売なんてビジョンがないだけで何の自慢にもならない。21世紀の価格競争は他社よりも高い価格を付けられるかどうかが重要なのである。
金曜日, 11月 05, 2010
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2 件のコメント:
いつも拝見しております。
ご意見、ごもっともと感じております。
昔の経営学や経済学がいつまで、使えるかを考えてみる必要があると思いますね。時代というフィルターを通して、残るものは残るとは思いますが。
ビジネスモデルの構築という幻想が多すぎて、とにかく売れるものを作るというのがおろそかになっているような気がすのですが、いかがでしょうか。
コメントを頂きありがとうございます。
20世紀型の経営学からすればAppleの戦略など勝てる筈の無い間違ったビジネスモデルの最たるものかも知れませんが、Appleはバカが付くくらいに自社の製品(サービスも含め)に愛情を注ぎ込む事で、どこにでもあるパーツを使いながら、他にはない物を作り出しています。
製品のライフサイクルの長さ(iPhoneでさえデザインイメージは2年間のサイクル)も愛情の深さを示す例でしょう。四半期位のサイクルで見た目が変わってしまうなどAppleでは考えられません。
各デバイス群が点として存在する他メーカーとは違いサービスとアプリケーションを絡み合わせ全てが同じ目標に進化していくApple。
確固たるビジョンがあるからこそAppleが提供する製品にブレがないのです。Appleがシェアを気にする必要がないのは売れる商品を作り出しているからで、売れている商品を出そうと言う他のメーカーとは大きな違いがあります。
過去を向いた商品で利益を上げようなどと言う虫の良い話はもう転がっていないのではと思います。
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