基軸通貨としてのドルの威光が失われつつある。基軸通貨が一つの通貨から複数の通貨へと分散化する形でドルの基軸通貨としての役目が薄れて行く筈である。一時は円がドルに取って代わるなどという威勢の良い話もあったが、バブル崩壊後の日本の現状を見ていると未だに世界第2位の経済大国でありながら存在感のない体たらくを曝している。意識していたかどうかはともかくかつて日本の通貨(厳密には金貨と銀貨)が世界経済を支えていた時代があったことは以外に知られていない。いつだと言われれば戦国時代から、明治にかけての間なのだが、マルコ・ポーロの東方見聞録で日本が、”黄金の国ジパング”と捉えられていた理由はおとぎ話ではなく裏付けがあったのである。
戦国時代。日本が世界有数の軍事大国であったことは前にも書いたが、それを可能にしたのが日本で産出される金銀だった。スペイン、ポルトガルが日本に進出してきた目的も金だった訳だが、当時日本の金(今で言えば経済そのものだ)を支配していたのは信長であり、その後をついだ秀吉は奴隷貿易(スペイン、ポルトガルの主たる貿易先は九州を本拠とする大名だったが九州からは金はほとんどでなかった為、代金を奴隷で支払ったのである)を理由に、スペイン、ポルトガルを日本の貿易から排除した。明を日本の経済圏に組み込もうと動いたが儒教をベースにする鎖国政策で拒否され秀吉は出兵。出兵は失敗であったが、その後日本との貿易を確保したオランダはヨーロッパ経済の覇者となり、英国が勢力を伸ばすまで独壇場を踏むことになった。
何が言いたいかと言えば、日本が表舞台に出てくるまではインドや東南アジアとの貿易を独占することで覇者となれたが、日本との貿易を行う(金銀の取引)国がヨーロッパの経済覇者になると言う方程式が出来上がったのだ。英国に日本との貿易を取られるまでオランダは、その栄華を享受したが明治になりその権益を失う頃、英国は産業革命と合わせ技で経済の覇者になったのだ。そして、第一次大戦後は...
結論:日本の財布のヒモを開かせた国の通貨が基軸通貨になったのである。
水曜日, 5月 27, 2009
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