欧米諸国の思想の中には効率的なものは合理的だと言う根本的に間違った概念がある。今回の経済破綻を振り返って見て頂くのが一番手っ取り早く理解して頂ける材料だが、サブプライム問題が目を拭き出しそうになった昨年の夏まで優等生(マネーゲームの)と言われていた国(アイスランドなどが筆頭)が一挙に銀行の国家管理(外国資産の凍結)にまで到ったのは、アイスランドにとって一番効率的に資産を増やす方法だけに専念したからである。そして上手く行っている時にはこれ以上に合理的な経済運営はなかっただろう。
ITを見ればシェアの盛り返し(ベースが小さかったので伸び率は凄まじい)があるとは言え未だにほとんどのPCはWindowsで動いている。そしてシステム同士の同期をとって作業を行う場合にこんな合理的な話はない(他のシステムの事を考慮する必要がないからだ)。僅かなシェアしかないMacやLinuxをサポートしなくてもWindowsのウイルスを作れば、ほぼ全てのシステムを使い物にならない状態に出来ると言う事だ。こんな効率的な話はない。
血液型(或いは人種)によって遺伝的に罹りやすい病気に違いがあるという疫学の研究結果がある。もともと風土病だったものに対しては免疫が働くからだという理屈だ。つまり特定の血液型の一人種しか存在しなければある特定の病気で全滅する可能性が非常に高くなるということだ。
”少年よ大志を抱け”と言う言葉があるが、誰もが経営者や大統領を目指したのでは社会は成り立たない。世の中がマネーゲームしかしない人間ばかりだったら間違いなく多くの人々は飢え死にしてしまう(自然に任せてえ手に入る食糧で栄養を賄える石器時代並みの人口になる筈だ)。恐らく生き残るのは腕力の強い凶暴な人間だけだろう。
日本の政治家はすぐに食糧自給率の低さを問題にする(確かに問題だ)が、欧米諸国は経済自給率(自腹で経済を廻す力)が非常に低かった(他人の褌で相撲を取っていたのだ)ために金を借りられなくなった(褌を取られた)途端に一気に崩壊してしまったわけだ。
さて、何が言いたいかと言えば効率と言うのは時間を区切った(それも短いタイムスパン)時にだけ合理的に見える物であって、アソビを許容しない仕組みは変化に対して非常に脆弱だと言う事である。効率を徹底すれば行き着く先は単一化。非効率こそ、どんな事態にでも対応出来る素晴らしい仕組みなのである。そんな仕組みは東洋思想(知恵)の中にはいくらでも転がっているのだ。
結論:僅か0.25%の金利上昇だけで6,000兆円と言われていた証券市場を破壊した日銀の攻撃は非常に効率的だったのは間違いない。今回の戦争は日本の圧勝である。西洋の合理など東洋の知恵の足下にも及ばないくらい浅いものなのだ。
木曜日, 10月 09, 2008
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