水曜日, 10月 10, 2007

対極にあるもの

 良くAppleとSONYは比較されるし、私も良くそうしている。世間の見る目はどちらも他には無い先進の技術を目指す革新的なブランド企業である。ここ最近のSONYの体たらくは10年前のApple様々だが、それは自社製品に対するアプローチの仕方も影響しているように思う。

 一言で言ってしまえばAppleとSONYのハードウェアに対するアプローチは対極にある。SONYは、デバイスを外販する事も視野に入れなければ行けないためにハードウェアのためのハードウェアを開発している(そのために外すと大きな損失を抱えてしまう)が、対するAppleはソフトウェアのためのハードウェアと言う捉えかたである。それはプロダクトデザインも明らかで、あれだけシンプルなデザインが実現できるのは専用のハードウェアを組み込まないからである。

 SONYの商品は明らかに専用のハードウェアを詰め込むためにデザインはそのデバイスの制約を受け、思い切ったデザインを実現しようとすれば自ずから無理な構造になる。それに対しAppleは、バラシテみれば分かるように何にでも使えそうなチップだけで構成されている(ソフトウェアを入れ替えれば全く別のデバイスに変わってしまうのだ)。

 それが、典型的に現われているのがデジタルデータに対するアプローチだ。SONYはデジタルデータを保存するデバイスに拘り(Blu-ray)、Appleは保存フォーマット(Quicktime:H.264)に拘った。既に結果が出たとまでは、云わないがネットワークを介して常にアップデートの可能なアプローチをとるAppleの方が時代に即したビジネスモデルであろう。

結論:デジタル時代とはハードが意味を持たない時代なのである。

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