月曜日, 10月 08, 2007

終身雇用は日本の伝統に根ざしている

 偽装請負で批判を浴びているキヤノン。トヨタも訴えられたら堪らないと思ったのか正社員以外の人も加入する組合を作って誤魔化そうとしているが、基本的に利益を大幅に伸ばしている企業は正社員ではない人を多く抱え人件費(コスト)削減に邁進しているのは明らかである。

 それなのにキヤノンの御手洗(要は便所)氏は、「キヤノンは、終身雇用という人事制度をとっている。それは終身雇用制度は日本の文化や伝統に根ざしたものであり、日本人の特性を引き出すのにもっとも適したシステムだからである。」などと宣ってくれた。

 誰もが知っているように終身雇用制度と言うものを作ったのは、松下幸之助。それ以前にも、それ以降にも本当の終身雇用制度なるものは存在しないのに、まるで伝統文化のように扱うのは如何なものだろう。日本が週休2日制になだれ込んだのも、松下幸之助が始めたからだが、皆そんなことは忘れてしまっている。そもそも、松下幸之助が週休2日制を始めた理由も欧米とは全く違う。欧米に負けない為には、仕事の密度を高くして能率を上げる無ければいけない。そのためには休日を増やしストレスを減らさなければいけないと言うものだった。人件費を削減するために日数を減らした訳では無いのである。

結論:松下幸之助が終身雇用制度を作ったからと言って、それがキヤノンの雇用制度の正当性をを担保する物では無いのである。儲かった分を社員に還元するかどうかが、まず大事なんじゃないだろうか。

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