水曜日, 7月 28, 2010

大日本印刷(DNP)と凸版印刷の2社が発起人になった「電子出版制作・流通協議会」

 DNPと凸版印刷の2社を発起人とする電子書籍の業界団体「電子出版制作・流通協議会」。新聞社や印刷会社だけではなく、東芝などのメーカーやNTTドコモなどの通信会社、電通など広告代理店89社が参加して日本の出版文化を残しながら、電子書籍ビジネス発展のための環境作りを行いたいそうだ。
 
 日本独自の水平分業型モデルを構築したいということだが、「呉越同舟+烏合の衆」(とにかくアメリカ企業に持っていかれたくない)にすぎない集まり。参加企業のコンセンサス作りなどと言っている間に電子書籍などというビジネスそのものが無くなってしまうレベルの話に過ぎない。
 
 AppleがiBooksを始めたのは電子書籍ビジネスが美味しいと思ったからではない。多くのサービスの中の一つに過ぎないと考えているからこそiBooksを加えたのだ。Appleに取ってiBooksのライバルは他社の電子書籍サービスではなく、自社の持つ他のコンテンツサービス。だからKindleアプリだって認めているのだ。これは、AppleがSONYのWalkmanを自社のライバル商品と考えていなかったのと同じ構図。Appleは、iPod用の周辺装置を作りたいと言えば全て許した筈である。

 「裏方だった印刷会社の悲願として、1度は表舞台に出てみたかった……ではなく、デジタル出版で培ってきたいろいろな技術が生かせると考えたため」発起人となったと大湊会長はジョークを交えて話したそうだが、これはジョークではなく本心である。
 
結論:返本が半分になろうが少しも痛くないのは印刷会社なのだが、iBooksが主流になってしまったら一番困るのは印刷会社。iBooksに行かれては困るので「電子出版制作・流通協議会」立上げたのだ。

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