金曜日, 7月 09, 2010

電子書籍で置き去りにされるのは

 凸版がSONYや電通、KDDIと組んだり、DNPが乗り出したりと急に騒がしくなった電子書籍(盛り上がってるの?)。docomoも来年3月までに本格参入する意向らしいが、それぞれが勝手にやっていたのでは迷惑を被るのはユーザ。どのグループも機種依存しない形で電子書籍化するとは言っているが、それはそれぞれのデバイス用のアプリを用意すると言うことであって共通のフォーマットでというものではないような気が...
 
 自分のところがデファクトになりたいから自社で抱えたいと考える気持ちは分からないではないが、そこで発生する一番の問題は複数の決済が必要なことなのだがそう言う認識は残念ながら皆無だ。iTunes Storeが成功した一番の理由はメジャーレーベル全てを取りそろえ欲しい曲の殆どを購入出来たことにある。普通に考えれば分かることだが、どこかのレーベルや出版社専門のショップなどと言うものは不便きわまりないのであり得ないが、今の電子書籍に対する動きはともすればそのような形になりかねないのである。
 
 本来、その役目を負っているのが戦前の統制の流れを汲む日版や東販などの取次のはずなのだが(動き始めてはいるが、自分たちのビジネスモデルの問題を理解していない)、積極的に動いているのは大日本や凸版などの印刷業。町の書店を潰すわけにいかない取次が動けない間に電子書籍の市場は...
 
結論:動きの遅い取次は置き去りにされるのだろうが、囲い込みのために電子書籍に手を付けるキャリアにも明るい未来はない。成功するかしないかは取り扱い商品の品揃えに掛かっている。出版社は提供先が多い方が良いのかも知れないが日本の出版社は版権(著作選)を持っていないと言う弱点がある。日本でもiBooksが始まることになればみんな置き去りにされるだろう。もしもAppleが始めなければ、メジャープレイヤーがいない市場になるだけなのだ。

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