平和憲法(平和なら成り立つと言う条件付き憲法)を護持しようと言う連中といつでも戦争ができるように改正しようと言う連中に共通しているのは、日本は軍備を備えればいつでも戦争ができると言う大きな誤解である。護持しようと言う連中は軍備(単純に兵器と言う意味)が整うと戦争が出来ると思い込んでいるし、改正したい連中も同様に軍備がないから戦争が出来ないと思い込んでいる。言ってる事は全く逆なのだが、その根拠は全く同じなのだ。ようするに兵器があれば戦争を出来るという理屈だ。
実はこれは全く間違っている。武器しかなければ戦争など出来ないのだ。確かに戦前と比べ日本の経済力は果てしなく大きくなっている(日本が金を出さなければ戦争出来ないくらいにはなった)が、戦争を始める場合には金など何の意味も持っていない事をどちらに陣営も全く理解していない。
戦争に一番必要なのはものは間違いなく食料だ。現在の日本の食料自給率を考えた場合、どんなに豊富な武器弾薬を備蓄していようと短期間の戦闘以上は不可能である。なぜなら、もしも戦争相手が、日本の食料を抑えている相手であれば、それだけでもう戦う事は事実上不可能なのだ。一か八かの賭けに出るとしたら北朝鮮同様核兵器しかない。冗談抜きで日本は北朝鮮を笑う事は出来ない状態なのである。
さらに日本は武器を動かす燃料を自給する方法を持たない。どんなに高価な武器でも未だに動かすためには石油が必要だが、これを止められたらただのガラクタになってしまう。動かせないものは武器にはならないのだ。石油が無くなったら竹やぶさえないのだから、竹槍さえ作る事が出来ない。戦前を笑う事など到底出来ないのだ。
結論:戦前の日本の戦略をお粗末だと笑う前に足下を見なければいけない。太平洋戦争に突入した原因は石油(当時は殆どをアメリカに依存)と鉄(これもアメリカの屑鉄頼み)を止められたからだが、今はその上に食料が加わってしまう。当時は今よりは自給率が高かったので取りあえず3年近く戦う事が出来たが、今なら半年も持たないだろう。資源の無い国が戦争しようなどと言うのは質の悪い絵空事なのだ。戦争をしたくとも今の日本は専守防衛くらいしか出来ないのである。
月曜日, 3月 12, 2007
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