火曜日, 3月 18, 2008

世の中は難しい

 日本なら証券会社と銀行は明らかに違うので分かりやすいのだが、そんなのは日本くらいで世界ではそんなことはないのだ。日本人から見ればぶっ飛んだベア・スターンズもJPも同じものにしか思えないのだが...厳密には全く別物なのである。日本の新聞はそう言う機微に疎いので一緒くたにしている(恐らく日経の記者だってよく分かっていないのだ)。と言う訳で折角だからお勉強してみたい。

定義
投資銀行:顧客企業が有価証券の発行による資本市場からの資金調達をサポートし、合併や買収などの財務戦略でのアドバイスを行う金融機関である。個人向け業務は行わない(wikipedia)。純粋な投資銀行は、モルガンスタンレーとゴールドマンサックスだけ。というわけで新聞などでは全米第5位の投資銀行と書かれているベア・スターンズと言う記述は間違い。
商業銀行:現在のアメリカで純粋な商業銀行と言うのは殆ど無いがJPモルガンやシティなどがこれに当る。元々一つだったJPモルガンはグラススティーガル法(独禁法)によってモルガン・スタンレー(投資銀行)とJPモルガン(商業銀行)に分割されたので、兄弟ではあるが全く別物なのである。
証券会社:株式ブローカーが出身母体。メリル・リンチ、ベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズなどが有名。今回のサブプライム問題で真っ先に痛手を被ったのがこの連中。日本では投資銀行扱いだが証券(CDOだがサブプライムではこいつに不動産ローンの証券を組み込んでいた)の売り買いで鞘(利ざや)を抜くのが仕事なのである。金を貸して利息を取る訳では無いが、巨大なデイトレーダーに過ぎない。だから、大きな穴を開けることがあるのだ。

結論:投資(単なる投機の場合もある)をしていれば投資銀行なんて考えているから相手の姿を見誤るのだ。くどいようだが、日経新聞なんか読んでると本当のバカになってしまうのだ。

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