水曜日, 3月 05, 2008

戦争を想定しない軍隊から考える事

 戦争をしろなどとは言わないが敵を持っていない(敵を想定しない事)と戦略も何も立てる必要が無くなるためフヌケタ軍隊になってしまう。それが今の自衛隊だ。ご多分に漏れず、防衛省もお役所の悪弊に染まり、全ての行動原理を悪しき前提に置いている。だから、事故と言う突発事象にさえ対応する事が出来ないのだ。

日本外交の大前提
アメリカは同盟国:アメリカのような野蛮人と戦争をしないのは当たり前の話しだが、どうやら日本の保守と言われている人達(所謂親米保守)は、同盟国だから敵として想定しないという考えらしい。これは全く持って間違った前提である。同盟といのは条約で規定されているだけであって、いつ何時アメリカが日本に牙をむくかもしれないことを想定していない。米軍を相手に単独で刺違える軍事力がないのは仕方ないが、もしもの時に米軍がおいそれと手出しを出来ないような保険は掛けとかなければ行けない。状況証拠:間違いなく世界最強であるF22を航空自衛隊に売らない。大量に保有されたらアメリカでもテコズル戦闘機なのである。
北朝鮮は敵:拉致問題も含め明らかに日本の敵だが、それだけで良いのだろうか。例えば平和裡に再併合すれば拉致問題は消えてなくなるなど想定出来ないだろうか。韓国とは違い地下資源(特にレアメタル)も多く経済再生を日本の手で行えば大化けする可能性はある。韓国には北朝鮮を併合する経済力は無いが日本にはある。例えば、韓国、北朝鮮、台湾で連邦を構成する戦略をとったとしたらどうなるか。大局からものごとを考えなければ事は進まないのだ。
中国は大国:国土も広く人口も多い、軍隊も巨大だ。それならば大国かと言えばアメリカと同様に大国ではあるがアメリカと同様に野蛮な国である(たかだか数百年の国と自称4千年の歴史を持つ国が同じように野蛮と言うのもどうかと思うが)。巨大である事と大国とは次元の違う話。あれだけ大きくても身勝手な人間の寄せ集めに過ぎない。アメリカと同じで何時牙をむくか知れない不気味な存在。中国とアメリカが決して仲間にならないような戦略を考えなければ行けないのである。
ロシアは元仮想敵国:明らかな領土問題を抱えるロシアを友好国とは呼べないが、中国の覇権主義を封じ込めるには地政学的にも軍事的にも、最も役に立つ国。ソ連を仮想敵にしたのはアメリカの都合であって日本の都合では無い(疑う事を知らない人は気付かないかも知れないが、領土問題を解決させなかったのはアメリカの戦略なのだ)。

 前提と言うのは言葉を変えれば建前のことである。建前に縛られて身動きが取れなくなる事くらい馬鹿らしい事は無い。戦前の日本が戦争から手を引く事が出来なかったのも”必ず勝つ”などという建前に縛られたからだ。状況が変わったら臨機応変に対応し被害を最小に留めるのが統治者の責任。東芝が、HD DVDから撤退すると言う英断(そもそもあんなものにクビを突っ込む目利きの無さは置いとくとして)を行ったが、軍隊や外交を司る人間は常に全てのオプションを考慮して事に当らなければいけないのだ。

結論:世界のどの国に対しても始めから敵だ味方だと決めつけては行けない。日露戦争までは明らかに味方だった英国(その方が戦略的にプラスだから英国はそうしただけであって別に日本が王制国家だったから親近感を持ってくれていた訳では無い)は、第一次大戦当りでおかしくなり結局は敵国になったでは無いか。侵略された事の無い国は裏を読む事が出来ないから、こっぴどい目に合うのだ。

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