月曜日, 12月 21, 2009

JIN -仁-に思う事

 蒙昧で時代遅れだったから新政府に敗れたというのが通説の徳川幕府。維新が素晴らしくて江戸時代は真っ暗闇だったと言う迷信は、実は大正時代から始まったプロパガンダだと知る人は少ない。江戸時代生まれが多かった明治にそんなことを言えば、恐らく新政府は持たなかっただろう。
 
 左翼思想からすれば、幕藩体制などは蒙昧の極みにしか見えなかったのだろうが、西洋の文明など江戸時代の技術力からすれば何ら恐るるに足るものではなかったのである。産業革命を向かえたとは言え、植民地からの搾取で成り立っていた西洋文明と比べ、自給自足で成り立っていた日本を比較して、どちらの文化の方が進んでいたかと考えれば自明の事。維新後80年で国を滅亡寸前まで持っていったのが新政府だったことを考えれば、大体分かりそうな話なのである。

 ドラマのJINでは持ち上げ過ぎな部分はあるが、江戸の人々の捉え方はかなり好意的だったと思う。問題は尻切れトンボで終らせて、映画で儲けようと言うTBSの姿勢。続編を、次のシーズンに持ってくるのなら分かるが同じ配役で映画というビジネスモデルをここでも使うというのは、例え潰れかけの放送局だとしても頂けない話である。

結論:西洋の封建主義を単純に当てはめた視点で江戸時代を捉えたのでは、本質を見誤ってしまう。何故なら、勝者は自分たちを美化するに決まっているからだ。

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