JobsがAppleに復帰する時に復帰後30年のロードマップを持っていたと言う話は以前からAppleウォッチャーの間では有名だったが、それが本当かどうかを知る術は秘密主義のAppleからは中々伺い知れないものであった(何冊かのApple本には記載されていたが)。
日経BP主催のAndroidに関するセミナーで中嶋聡氏が講演+パネルディスカッションをした時に一緒に参加されていた日本通信の福田尚久氏(JobsがAppleに戻ってからApple Storeを立上げる時期のJobsの側近を務めた)と楽屋で話をされた時の事がblogに公開されていたのだが、その中で倒産寸前だった97年当時のAppleのビジネス戦略としてJobsが用意した「30年ロードマップ」のシナリオ通りに現在のAppleは進んでいると言うのである。
具体的な内容(まだ実現されていない部分)は、企業秘密なので聞けなかったそうだが、過去12年間にAppleが出してきたものを繋げていけば(iPod、iTunes、iPhone、AppleTV、Safari、iLife、Final Cut)その先にあるものが何になるかは明らかだ。Appleがデジタルコンテンツのデファクトを握り、デジタル時代の覇者になろうとするシナリオに沿って歩を進めている。過去のAppleで唯一まだデファクトになっていないのがAppleTVだが、今のところ鳴かず飛ばずの状態なのに、モデルが無くならないということは、最終的にはデジタル時代のTVを押えるシナリオなのである。
30年後を見据えたシナリオなど作れるはずがないと思うかも知れないが、少なくとも過去12年はそのように進んでいる。音楽から、映像と積み上げてきたデジタルコンテンツの最終目標は当然テレビを置き換える事なのだ。PCとテレビは使われ方が違うと何年か前にJobsはチューナーを組み込んだPCを批判していたが、それは汎用のPCがテレビになることはないと言うメッセージであって、テレビに変わるデバイスを出す事とは矛盾しない。何故Appleの提供しているアプリの名前がiTunesなのか。デジタル時代のチューナーはハードウェアではなくソフトウェアなのだとJobsは示しているのである。
結論:日本では何らサービスが開始されていないAppleTVだが、アメリカでは既に萌芽段階に入っている。Cocktailをベースにしたデジタルコンテンツとゲームが次のターゲットになるのだ。日本も早く鎖国をやめないとデジタル時代に乗り遅れてしまうのに。
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