水曜日, 2月 24, 2010

iPadは大きくなったtouchではない

 iPadを冷ややかに見ている人の中には、iPod touchの強化版だ、大きくなっただけだと見ているようだが、画面が大きくなる事で全く違うデバイスになることに気付いていないようである。Windows mobileがディフュージョン版のWindowsなのと同じような感覚でiPhone OSとiPadを見ていたのでは本質を見誤る事になるだろう。iPhone SDK3.2の中味が少しずつ明らかになり、APIを細かに見ていくとJobsの発表では触れられていない機能が多く隠されている事が分かってきている。
 
 一方で真に革新的なデバイスかと言われればそうではない。ハードウェアとしてみた場合別に取り立てて見るほどのものではないからだ。Apple設計とは言えARM系のカスタムチップは、cellのような超弩級のチップ(cellは消費電力も超弩級なのでモバイルデバイスで使い物にはならないが)ではないし、他のパーツも特別なものは使われてはいない(買い占めてはいるが取り立てて騒ぐ部品ではない)。iPadはハードウェアとしてみればどこのメーカーでも同じように組み上げる事が出来る簡単なデバイスに過ぎない(いくらマカー私でも嘘は付かない)が、練り込まれたOSのUIがiPadを真に革新的なデバイスに化けさせているのである。PCの操作を代替えするためにマルチタッチ・インターフェイスがあるのではなく、指で操作する事を前提にマルチタッチ・インターフェイスを最大限に利用した事がiPadの武器なのだ。

結論:iPadでは画面が大きくなった事でiPhoneたtouchでは不可能だった操作が可能になる。これだけでiPadは大きくなっただけのtouchではなくなるのだが、それが理解できない人にはiPadを越えるタブレットは作れないのである。

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