土曜日, 11月 28, 2009

スーパーコンピュータに思う事

 事業仕分けの俎上にのったためにすっかり注目の的になったスーパーコンピュータ。技術的な事を知らないのを恥ずかしいとも思わず、事業仕分けの場は技術論の話をするところではないと全く理屈にならない屁理屈で予算を削ったために、ノーベル賞を貰った偉い学者(私は、大江健三郎や金大中、アラファトが貰えるようなノーベル賞が偉い賞だとは考えていません)さんたちが、「科学技術振興あるいは、そのための人材育成というのは、将来に対する投資である。コストではなく、投資である。」と理屈にならない理屈で反論していた。
 
 どっちもどっちなのだが、技術論で潰すべき問題なのにそうしなかった仕分け人の勉強不足と、精神論を持ち出したノーベル賞受賞者の見識の無さを比較してどちらの方がバカかは皆さんの判断にお任せしよう。そもそも今回予算を取ろうとしているスーパーコンピュータの設計でIBMのROADRUNNERに勝てる根拠が明示されていない。ベクター(ベクトル)型スーパーコンピュータで最高速を誇っていた地球シュミレータがスカラー型スーパーコンピュータの出現で見る影もなくなったのが現在。日本の京速コンピュータは、未だに諦め切れないベクターを残したスカラーとのハイブリッド(合の子)設計。1,800億も掛けて最速になれなかったらどうするつもりなのだろう。
 
 そして今日現在の日本一演算速度を誇るスーパーコンピュータは3,800万円の開発費で完成した長崎大学の浜田助教授設計の手作り品。画像処理用のGPUに演算処理を行わせる事で僅か380基のGPUで158TFLOPSを達成したことを受けてスパコンのノーベル賞と言われる「ゴードン・ベル賞」を受賞したのだ。

結論:こういう人達の研究に数億出すだけでもっと大きな成果が上がるはず。ノーベル賞の権威を笠に着るのは構わないが、あの中にコンピュータのエンジニアは一人もいない事と野依さんが理化学研究所(スパコンの開発元)の理事長だと言う事は頭の隅に置いておかなければいけないだろう。因みに長崎大の浜田さんと今回の共同研究で受賞したさんは理化学研究所の特別研究員である。安価なGPUでスーパーコンピュータを作る知恵こそ世界に誇るべきものなのだ。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

今回のノーベル賞受賞者たちの多くが、科学技術予算をむさぼっている独法に少なからずかかわっていることも、大いに気になるところです。

同じ受賞者でも、あの小柴さんが「予算の1割しか科学者の手元には届かず、残りの9割は官僚機構と関連企業に垂れ流されていることこそが問題」と噛みついたのとは大違いですね。

G4 Cube Everlasting さんのコメント...

 コメントを頂きましてありがとうございます。小柴さんのように純粋に研究のために使うのならば要求されている半分もいらないのは間違いありません。事業仕分けでやるべきことは事業を食い物にしている連中に流れる金を止めることであって単純に金額を削ることではないと思います。